キャッシュトラックのレビュー・感想・評価
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得意のガイ・リッチー節と新機軸とがみごとに融合
フランス映画のリメイクだが、ずいぶんと印象が異なる脚色がなされていて、いわゆるジェイソン・ステイサム映画というジャンルと、ガイ・リッチーらしい犯罪群像劇と、ずしりとしたハードコアな感覚とが一体化している。これまでのガイ・リッチー映画と違うのは、ユーモアが前面には押し出されていないことと、無造作な死というS・クレイグ・ザラー的なリアリズムが加わっていることだろう。要素が多くて、精緻な一つの世界観という印象にはならないのだが、「大人のガイ・リッチー映画」とでも呼びたくなる新境地を感じることができた。50代になっても伸びしろというか、未知の可能性は失われないだと信じさせてくれて、ガイ・リッチーさんありがとうという気持ちである。
いつものガイ・リッチーとはちょっと違う
いつもの飄々としたガイ・リッチー作品とは違い、本作には独特の影とストイックさが同居する。その変化球ぶりは主演ステイサムにも言えることで、いつもなら口を開くと罵り言葉や相手を威嚇するジョークが飛び出すところが、今回のキャラクターはずっと寡黙で、マグマのような信念を内に秘め、それでいて実戦になると目が覚めるほどの素早さで相手を瞬殺する”心技体”を併せ持つ。そんな謎めいたキャラクターを丁寧なチャプター構成で徐々に解き明かす構成がこの映画の7割を支配し、その後の3割で種明かしとなるわけだが、この視点の移動もいつものリッチー式のこれみよがしなものとは異なり、あくまで素材に身を捧げている感じ。慣れ親しんだ”クライム・アクション”のプレイグラウンドではあるものの、その遊び方がいつもとはだいぶ違うという、彼のストーリーテラーとして経験と力量を見せつけられた格好だ。派手さはないものの、2時間、飽きさせない。
ガイ・リッチーとステイサム、久々タッグにしては物足りない
ガイ・リッチー監督の今年5月公開作「ジェントルメン」は自身のオリジナル脚本で、やりたいことを目一杯やった集大成的な内容が最高だ。ジェイソン・ステイサムと16年ぶりのタッグとなる「キャッシュトラック」も当然楽しみにしていたが、やや期待外れだった。 原作は2003年の仏映画「ブルー・レクイエム」(かなり前にWOWOWで観た気がする)で、フィルムノワールの伝統を感じさせる暗めのストーリーだ。主人公Hを演じるステイサムはもちろんアクションもこなすのだが、無双っぷりで観客を楽しませるというよりは、ある目的のためにストイックに行動するのが基本で、彼の大半の主演作やリッチー監督作の多くに比べて娯楽要素が少ない。なぜ監督がこの原作でステイサムと再タッグしようと思ったのか、正直よくわからない。 思えば前のタッグ作「リボルバー」も、騙しの要素を何重にも組み入れた少々難解な話で、痛快アクションというわけではなかった。リッチーの初監督作「ロック、ストック&トゥー・スモーキング・バレルズ」でステイサムも俳優デビューを果たしており、いわば盟友の2人は、今更ありきたりなB級アクションはやりたくないのかも。2人のタッグの次があるなら、今度はオリジナル脚本で、舞台もロンドンでぜひお願いしたい。
ジェイソン・ステイサム×ガイ・リッチー監督による、一見、単純そうな話が丁寧に深堀されていく「謎解きクライムアクション映画」。
本作は、邦題が「キャッシュトラック」となっていて、これは「cash transport truck」(現金輸送車)の略語なのでしょうか。 少なくとも原題だと、ややネタバレっぽくなるので、こちらの邦題の方が良いと思います。 ガイ・リッチー監督は本作も前作「ジェントルメン」と同様に、映画会社の新生ミラマックス(Miramax)とタッグを組んでいます。 冒頭で、突然、現金輸送車が武装された強盗に襲撃されます。 その直後のオープニング以降は、「章立ての構成」になっていて、最初は「悪霊」となっています。 そして、その現金輸送車の武装警備を専門とする警備会社にジェイソン・ステイサムが面接試験を受けに来ます。 ここまでは現金輸送車に襲撃事件が起こったりもしますが「通常の風景」となっています。 そして、「3か月後」と時間が流れ、この辺りからジェイソン・ステイサムが何やら特殊な動きをしていきます。 次に「しらみつぶし」という章に変わり、「5か月前」という表記と共に5か月前の出来事が描かれます。そして、次は「3週間後」という表記と共に3週間後が描かれます。 そして、次の章は「野獣ども」といった感じで、舞台が変わります。 このように本作は、ガイ・リッチー監督らしく時間軸がどんどん動いていく構成ですが、キチンと表示が出て、しかも分かりやすく章立てになっているため、混乱せずに「謎解きクライムアクション映画」として楽しめる仕掛けとなっています。 そして、終盤の舞台は、感謝祭(11月の第4木曜日)翌日の金曜日の「クリスマス・セールが始まり、お店の売り上げが急激にあがる日」である「ブラック・フライデー」となります。 この日は文字通り「アメリカで最も現金が動く日」となるため、現金強盗には狙い目となるわけです。 たまたま公開時期が「007 ノー・タイム・トゥ・ダイ」という超大作映画とぶつかっているため比較せざるを得なくなりますが、このような超大作映画と比べてしまうと、やや派手さや世界観が弱いのは仕方ないと言えるでしょう。 とは言え、本作は予備知識が一切要らないので、気軽に良質なアクション映画を楽しみたい人に、とても適した「エンターテインメント作品」だと思います。
良く言えばシンプル。悪く言えば特徴のないアクション映画 ジェイソン...
良く言えばシンプル。悪く言えば特徴のないアクション映画 ジェイソン・ステイサムにしては地味で暗い肉体ではないガンアクション。 特に印象に残るようなシーン等もなかったので普通だったなとしか感想が出てこない作品でした。
ジェイソン×ガイ・リッチー
最初から最後までズンズズンと地の底から流れるBGM。そのテンポと同じように深く静かに見え隠れする恐怖と裏切り、そして正義。「ガイリッチーらしくない」ってコメントも多いけど、好きです。
これステイサムの中でも
ジェイソンステイサムの作品の中で一番微妙!! ステイサムのギャラが高いから節約して出演してるんでないかい? 話の展開もまーよくある。ただ、相変わらずステイサムはスマートなのは変わらない
ジェイソン・ステイサムというジャンルの映画w
スティーブン・セガールとジェイソン・ステイサムは、一人の男優だけで一つの映画ジャンルを形成している点で共通する。強烈な存在感を生かした作品が多く、それにハマる人が多いからシリーズ化される。シリーズ化されなくても、実はどれを見ても大差ないような気もするw 一つのジャンルという所以である。 とにかくトラブルに巻き込まれ、それを超人的な体力で切り抜け、最後は敵を壊滅させるだけというワンパターンだし、小道具、大道具はいろいろ変わるもののアクションは同じだし…ま、それでもファンにとっては快感なんですな。小生もステイサム作品は知らないうちに「トランスポーター」とか「アドレナリン」とか、何作も見せられてしまった。 さて、今回は設定がちょっと凝っている。強盗団の大ボスが現金輸送会社の新入社員になって、自分の息子を殺した別の強盗団を探索するというバカげたお話w 周囲からあれこれ揶揄われる新人が、いざ強盗に襲われると鬼のような強さに変身し、ベテラン社員たちも掌を返して彼をヒーローと讃えるシーンはとても面白かった。 ただ、凝った割にそれをさほど生かすわけでもなく、あっという間にいつものステイサム映画になってしまうのは、やむを得ないというかお約束と言うべきか。 ライバルとなる強盗グループの計画もなかなか面白いのだが、それぞれの人間関係が単純すぎる――などとは言うまい。輸送会社の女性との関係が尻切れトンボだ――とも言うまい。これはステイサム映画なのだからw ラストはやはりライバルが勝利の祝杯を挙げた瞬間に、ステイサムがそれを全部ひっくり返して鬱憤晴らししてくれる快感に、このジャンルのすべてが入っているのだったw
アクションとストーリーのアンバランスさ
スッキリとしたアクションには爽快さすら感じましたが、結局「H」ってなんなんだ?ということが分からずにモヤモヤしました。分かった人、います? 話の進み方が、進んだり戻ったりでだんだんとことの真相が分かる作りになってます。なんか、こういうストーリー構成の映画作品が多くなっているような気がします。慣れたから「あー、そうなんだ」「おお、そういうことか!」というか、理屈の後付感は評価の分かれるところじゃないでしょうか。本作については、「H」の正体以外、難しいところはありません。分かりやすいっちゃ分かりやすいのでサスペンス的な要素が弱いとは思います。 ジェイソン・ステイサムの無双ぶりを楽しみたい方にお勧めします!
まぁまぁ見れる
もっと単純明快にスカッと叩きのめす映画かと思ったら、そうでもなかった。 悪くはないけど全体に演出が微妙な気はする。時系列を+3ヶ月、−5ヶ月、とか始点が分かりにくいとか。結局何者なのか分かり辛いとか。部下の顔を覚えきれないので確信が持てないが部下がうっかりボスを襲ったってこと?とか。2回目の蘇りがあっさり過ぎないか?とか。 あと子供への愛とラス的のアッサリさは96時間級で良かった。
そこまでやるか
殺された家族の敵討ちにためなら何でも命がけでやるという昔気質のギャングおじさん vs 海外派兵した過去の誇りと名誉はあっても帰国して現実がついてこない米軍崩れ中隊 うん、米軍崩れ厄介だよね。ネトゲでそういう荒くれ者をよく見ます。
あいつを怒らせんなよ
警備会社FORTICOに採用された男H(ステイサム)。現金輸送車を襲った強盗らを眉一つ動かさず百発百中八面六臂でやっつける。そこからHの来歴を倒叙し、息子の仇である強盗団の来歴も倒叙される。 脚本はガイオリッチーほか3名の共著になっていて震えるほど面白い。スコセッシばりの演出力もさることながら硬派で男臭くアルドリッチやフランケンハイマーのようでもある。 元ネタは2004年の仏映画、現題はWrath of Manで、メタ意訳するなら“あいつを怒らせちまったらおしまいだぜ”という感じ、だろうか。 ステイサムの独演になっていて魅力を堪能できる。 近年YouTubeを発信源とした格闘技イベントBREAKING DOWNが猖獗をきわめているが、あのチンピラ値と対照的なステイサム。比較は牽強付会とはいえ、無駄に吠えず強さを誇示しない本物の強さみたいなものを映画は教えてくれる。 ただステイサムは上手な役者であって格闘家ではない。据わった目と落ち着いた物腰と髭の微妙な伸び具合であの一騎当千男を演じる。が、もはやどこに出てきてもいつものステイサムなので、正直なところ漢じゃない普通のお父さんの役を演じてくれたら、ぜったいウケると思った。 情報サイトによると、イーストウッドには2男6女、計8人の子供がいてうち5人が婚外子だそうだ。1番目は1954年生まれで、8番目は1996年生まれ。ここに仇役で出てくるスコットイーストウッドは上からは5番目にして次男。 スコットイーストウッドといえばショーンクリステンセンが書いたトランスワールドというインディ映画を覚えている。親父似だけどあまりクセがない。ガイリッチーといえばクセっぽい男を選ぶという認識があったので意外なキャスティングだった。 とはいえ、ジョシュハートネットをすごくみっともない役で使っているのはやはりガイリッチーらしかった。 海外批評家評は思いの外伸びておらず6割ていど。Rotten側の批評家はタイムラインの錯綜、キャラクターの曖昧さ、無為な暴力性、ガイリッチー初期にあったエスプリの欠如等々を挙げていたが、オーディエンス評は9割でimdbも7を超えた。 個人的にも近年のガイリッチーのほうがいい。ほんとは硬派な映画通らしくロックストック~やスナッチが好きですと言いたいんだけどね。あのへんあんま解らんかったわw。
ガイ・リッチーらしさが光る
でもなんか物足りない。 主人公側と強盗団側を丁寧に描写してるからとてもわかりやすく仕上がってるけど 特に驚きとか興奮はなかったかな。 でも最終章の題名とその意味はお洒落で好きだな。
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