「幸せに生きる事こそが最大の復讐」復讐者たち J24さんの映画レビュー(感想・評価)
幸せに生きる事こそが最大の復讐
主人公のユダヤ人マックスが敗戦によりナチスから解放されたところ物語は始まる。
当初は収容所から離れ離れになった妻子を探していたが彼女達が殺された事実を知る。
保護されたイギリス兵のナチスの官僚達を殺害する現場に居合わせた事から復讐心に火がつき保護から離れた後にも同志達を集めナチス人大量殺害の計画を企て実行を成功させようという実話作品である。
もちろん冒頭に実話に基づいたという説明がある以上このような計画が行われた事実がない事は歴史を振り返っても分かることである。
その為裏ではどういう計画が行われていたのか。そして復讐心に駆られる程の彼らの苦しみはどれほどのものだったのかこの辺りに注目しながら楽しませてもらった。
想像していたよりかはリアルさを追求したようには感じる事ができず終始復讐計画の描写が続きあまり大きな展開が待っているわけではない為少しウトウトしてしまった。
楽しむ事はできるがこのタイプのユダヤ系の映画の過去作と比較して特別感はあまり感じられなかったか。
ただ最後の幸せに生きる事が彼らにとって復讐だと信じてるというシーンは非常に強く共感を覚える。
今を生きる我々だって悔しい事や納得がいかない事、理不尽なことに遭遇する事は誰しもがあるだろう。
時には復讐心が芽生えてしまう事もあるかもしれない。そういう時に相手に攻撃して復讐心を満たすのではなく自分が幸せである事で復讐心を満たす事は何より自分自身にとって幸せなそして大切な選択してとなる。
ちょうどタイムリーに五輪開閉式の責任者の過去のユダヤ人をバカにするコントを過去にしていた事が発覚し解任される。
解任の是非について問うつもりはないが、こういう作品を見ると過去といえどそもそもバカにする発想がなぜできるのか理解に苦しむ。
こういう作品を鑑賞することにおいて風化させない気持ちを持ち続ける事が大切なんだと改めて感じながら劇場を後にする事ができた。