「キャラ萌がないと厳しい、けどテーマは意外と深いかも」ドラゴンボール超(スーパー) スーパーヒーロー 肉豆腐さんの映画レビュー(感想・評価)

3.0キャラ萌がないと厳しい、けどテーマは意外と深いかも

2022年8月22日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

ドラゴンボールコンテンツとしては4
ただの映画としては3

ピッコロメインの異色のドラゴンボール映画ということで劇場に赴きました。
とても満足してリピート鑑賞して楽しみました。

☆良かった点
整理された構成でストレスフリーで見やすい
セルルックCGで格闘するという技術的に難しいチャレンジをしてかっこいい
映画オリジナルキャラに好感が持てた
ピッコロが活躍している
悟飯が強い

☆良くなかった点
技術的制約にストーリーが縛られていることを隠せていない
シークエンスごとのクオリティにばらつきがある
ラスボスの魅力が薄い
悟空を手抜きしている

ストレスフリーで見やすく楽しかったけど劇場映画としては疑問。
SNSで検索してみると腐女子系の女性の絶賛が目立つ。

完成度が高いが故、かもしれないクオリティのばらつきが気になった。
クオリティが高いのは冒頭10分のマゼンタの部屋、車内のマゼンタとヘドの会話シーン。演出と芝居が丁寧で行き届いている。
ピッコロメインなのでピッコロにはとてもリソースを割いてるのが見てわかる。
悟空、ベジータ、ブロリーの非戦闘パート、特に会話シーンの悟空は優先順位をかなり下げているのかCGと演出の粗が目立った。

監督が解説しているようにフルCGアニメは短編には向いてるけど長編には向いてない、という短所がそのまま出た感じ。CGは、CG同士が接触する表現が苦手なので、最も不向きな人間同士の戦闘をここまで仕上げたことは素直に凄い。
一方で、CGの技術的制約に合わせてストーリーを作っているように見えてしまった。

ストーリーは良く言えば王道、悪く言えばテンプレ通りの話なんだけど。
悟飯が人殺しを気にしていなかったりのヒーローらしくない行為をしていたり、ピッコロが狂言誘拐をするのはどうなんだ?という疑問もわいてくる。

実は「スーパーヒーローとは何か?最強の力があればヒーローなのか?」
という世界観に関わるテーマが込められているのかもなと思った。

肉豆腐