あらののはてのレビュー・感想・評価
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哲学のような硬派な作品、上質で良質な映画体験
初のシネマロサインディーズフィルムショーでの鑑賞。ホントはのんびり夜風に当たりながらすぐに感想を書きたかったけど、このご時世なので翌日になっちゃった。
なぜこんな前フリをしたのかと言うと、個人的には今後も記憶に残るような上質で良質な映画体験だったから。今年21の自分からすると、作中で綴られる"8年の空白"はかなり興味深い。それが新鮮な余韻をもたらしてくれるから。
鑑賞後に関係者と監督さんが来ていたので少し談笑した。聞くと、舞台も手掛ける監督さんで、固定された視点は意図したモノらしい。目線を画一的にすることによって生まれる空白、そしてそこに幾重にも巡らせた自分の想像が入り込む。その感覚が今まで味わったことのない世界を開かせてくれる。
作品の内容は非常に硬派でなんとも理解しにくい。なぜなら、絶頂体験に巡る想いとその行方による人間的本質を探るのだから。そりゃ今カノみたいな気持ちにもなるし、デッサンのモデルで絶頂する人の理解ができる方が少ないに決まっている。しかし、初恋が"衝動的"だったらいつだって脳裏にこびりついて離れないと考えれば同情できる。その先を観たかった気もするが。
やましい事を一つも入れず、精神的な愛を問うような深みがかなり心に響く。大胆に挑んだ構図も今なら納得できるし、このポテンシャルに凄みを覚える。観てよかった。
一点に凝縮された青春の思い出
高校生時代の一つの傷心を抱えた出来事が数年後に疼いた物語で、シンプルなストーリーなのだが、どこか普遍性もあり、それが我々大人の心に響く。ただ、あの絵の扱い方が難しく、それがこの映画への満足、不満足の評価を分けるだろう。
こういう拾い物があるから池袋時々来る。
恋愛未満、モヤモヤしたままべつべつに大人になってしまった男女が、描きかけのデッサンを完成させて、とりあえずスッキリする話。
思春期を拗らせたのは女子だな。
へたれ男子は実は少し成長していた。
トレーラー見て絵が凄くカッコよくて仕事の後、雨の中頑張って池袋まで行ったよ。目が覚めた。
ストーリーとかテーマとか内容は置いといて、
音楽、撮影、編集、監督のビジョンが面白い。
アイディアがある。
演劇もやってる人だからかな?
「映像ならでわ」の遊び方を楽しんでいる気がした。
わざとフレーム外で話が進み、喧嘩したり。
わざと遠くて会話が聞こえなかったり。
逆光の教室。
夕陽とシルエット。
何にも見えないけどどの絵も自信満々で美しく、記憶に刻み込まれた。
雰囲気重視の若々しい内容だけど、見せ方の面白さで退屈しなかった。
自作に期待します。
みえるもの、浮かぶもの
8年前、高校2の冬に味わった同級生の荒野君のデッサンモデルになった時の感覚を忘れられない女性の話。
自身の映画感を聞いて貰いたい教師に始まり、キレイとも純粋とも異なる、ただ揉まれた脳内visionに何一つ揉まれることごないまま歳を重ねてしまった主人公ですかね…。
耳年増にもなっていない子どもの初めての妄想か、超ニッチな保守的な思想を地で行く20代スノッブにはハマるかも知れないファンタジーという風にしか感じられなかった。
自分が搾りカスなだけですかね?
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