「【サッカーとタンゴの国、チェ・ゲバラを生んだ国】」明日に向かって笑え! ワンコさんの映画レビュー(感想・評価)
【サッカーとタンゴの国、チェ・ゲバラを生んだ国】
タイ発のアジア通貨危機が、韓国に飛び火し、韓国がIMFの管理下に入ったさまは映画「国家が破産する日」に描かれたが、これは、ロシア通貨危機、当時の世界最大のヘッジファンドLTCMの破綻も誘発、ブラジル通貨機に繋がっていく。
そして、アルゼンチンの金融危機。
1990年代の終盤から、2000年代の初めにかけて発生した金融危機だ。
日本では、バブルが弾けた後遺症で、山一証券や、長銀、拓銀なんかが破綻した時期と重なる。
もともと、アルゼンチンは80年代、他のラテンアメリカ諸国同様、放漫財政からハイパー・インフレを経験し、90年代になって、緩やかなドル・ペッグ制に移行し、為替やインフレを一定程度抑えることに成功していたことから、この作品に描かれたような事態は非常に衝撃で、債務不履行にも陥ってアルゼンチン債が紙くずみたいになり、最近でも、僕の仕事で当時のことが話題になるほど、対外的なアルゼンチンの評価を下げる大事件だった。
だから、今でも、アルゼンチンの財政政策を信用している人は多くはないし、実は、昨年(2020年)5月にも国債の利払いが実施されず、9回の債務不履行に陥った。
当時の、こんな状況で、米ドルのキャッシュをひとりで抱え込み、甘い汁を吸おうとする弁護士がいたら、それは、やっつけるべきなのだ!
それこそ、勧善懲悪!
アルゼンチン国民の大半の生活は困難を強いられていたのだから、許す!。
そんな気分で、とろ臭いおっさん連中を中心に、憂さ晴らしをして、ハッピーエンドなのだが...、約1名、裏切るやつが...いた!
まあ、これもアルゼンチンというお国柄なのだ。
この国は決して、完全に団結することはないのだ。
僕は強くそう思う。
ああ、サッカーとタンゴの国アルゼンチン。
チェ・ゲバラを生んだ国アルゼンチン。
この国は、一体どこに向かっていくのだろうか。