「苦手なジャンルだが楽しめた。」ベイビーわるきゅーれ luna33さんの映画レビュー(感想・評価)
苦手なジャンルだが楽しめた。
この作品は積極的に観る気はあまりなかった。僕はもともと恋愛モノとか青春モノとかを好んで観る方ではないし、特に萌え系(?)のノリは非常に苦手なのだ。その匂いがプンプンする女子2人のお話という事もあって全然ピンと来てなかった。しかも殺し屋ってどういう事?って感じで全く乗り気にならなかったのだ。ただ評判が良いのは以前から知っていたし近々PART3が公開になるという事で、第3弾まで行くって事はよっぽどだよなと思い直し、今回の鑑賞に至ったというわけだ。
実際映画が始まってみると、予想通り僕が好きなタイプの映画ではないなと思った。上手く伝わるかどうか分からないがやはり「萌え系」な世界観になかなか入り込めず、スッキリしない状態が続く。中盤あたりまでは「今回はやっちまったなぁ」などと思っていたのだが、途中からまひる(伊澤彩織)の「動き」がどう考えてもただ者ではないことに気付き始める。二人でけだるそうにバイトの面接の話をしながら、まひるがマネキン(?)に向けて繰り出すパンチや肘打ち…。ちょっと待て。何なのその速さ!女の子の「なんちゃって」じゃねえぞ。食らったら一撃KOじゃんか。これマジやん。
そこからの「のめり込み」はとんでもなく速かった!
スピード感ある展開も相まってグイグイ乗せられ、そこからラストまでは一気にフルスロットル。最後のアクションシーンも終始キレが良く、終わってみればそれなりに楽しいではないか。何と言うか、乗り気でなかったのに無理矢理メイド喫茶に連れて行かれ、嫌々「萌え萌え~」などと言わされてるうちにすっかり楽しくなってしまった…みたいな気分だ。
まあストーリーやキャラ設定、演技など突っ込みどころは多数あるが、それを言うのは野暮ってもんだし、その無茶苦茶さに一緒に乗ってしまうのが正しい「嗜み」と思う。だからこれはこれで良しとしよう。なぜこんなに人気が高いのかちょっと分かった気がするし、こういう世界観自体があまり好きでない僕ですら楽しめたのだから、特に萌え系が好きな人にとってはとんでもない傑作になるのであろう。