かそけきサンカヨウのレビュー・感想・評価
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久々の純文学映画なのだ‼️❓
露を吸って透明になる花が美しいように、みんなどこか美しさを感じると...
女子高校生の精神的な成熟度
原作と、それを仕上げた脚本がいい。
そして場面の切り替わり方 カットのタイミングが好み。
今泉監督作品を改めて評価したい。
もともと原作者の窪さんの思考は好きで、「ふがいない僕は空を見た」の短編集は勢いのある文章が印象的だった。
全員が静かなしゃべり方をして激昂する者がない。
とは言えただ静かに物事が進むのでもなく、誰もが幾つかの心のつかえ を持つ。
鈴鹿央士は広瀬すずが現場見初めてスカウト同然で役者を始めた話が有名だが、蜜蜂と遠雷で見た時に他に代わりのない役者になるだろう事を実感した。
それが今回も活かされていた。
菊池亜希子や石田ひかり そして西村尚美などの母親たちは言うまでもなく彼女たち独特の個性がひかる。
とびきりの不幸ではない
ないが、自分の環境の何か何処かに 歪みを感じる高校生たちが
真っ直ぐに立つ姿が微笑ましい。
美しすぎるかな
穏やか
1番小さな頃の記憶が、両親の喧嘩という陽。どうしてお母さんが出ていったのか、、幼い頃から寂しい思いをしてきたはずだけど、夕飯作ったり、家のことをするのも当たり前。荒れることもなく、現実を受け入れている強くて優しい女の子。
お父さんの再婚で、戸惑ったけれど、初めてお父さんから、どうして別れたかという話を聞かされる。井浦新の声が優しい。あんな風に穏やかに話されたら、やっぱり受け入れるしかないだろう。でもその後、実の母と連絡をとり会えたので、良いきっかけになったよね。
新しいお母さんと妹、同級生の友達。それぞれに悩んだり、自分の気持ちを伝えたり。全編を通して、穏やか、優しい。
陸がお母さんに、海外に行ってもいいんだよ。おばあちゃんにいつも言われっぱなしでかわいそう。と思っていたのに、『陸が小さいときは、おばあちゃんに沢山助けてもらったんだよ。』と話しているシーンがグッときたなぁ。
たまには刺激のない薄味を試したい人へ
「かそけき」という言葉を聞いて、自分の一番古い記憶は古文の授業中に寝てしまい先生に怒られたことだったろうか
みんな優しすぎるこの作品。友人が個人タクシーを開業するにあたって「サンカヨウ」という屋号にしたためすぐに花を調べてみました。当時は「透明になる花なんてあるのか?」などと不思議な気持ちになったものです。山にでも登らないと滅多に見られない花。しかも、雨が降ってたら山にも登りたくありません・・・
映画の編集作業をしているお父さん。二股の結果が死だなんて・・・それこそ儚い内容だったけど、この劇中劇の赤い服の女の子。違いをくみ取る主人公の陽の感性も父親譲りなのだろうか、互いに信頼し会える親子の形もいいな~と思う。
本当はいつでも壊れてしまいそうな家族の関係。思いやることができる子ばかりでうらやましいとも思う。大きな事件と言えば実母が自分のことに気づかなかったんじゃないかと悩む陽と、陸の心臓手術くらい。「好き」だと告白することだって日常だと思うし、ドラマとしてのメリハリはないのに、なぜか優しい気持ちになれる。そんな作品。
今の世の中、友達が風邪で休んだとしても、コロナじゃないかと疑ってしまいがち。こんな日常が早く戻ってくればいいな・・・
それぞれの家族のかたち
【”心、清浄化映画。”幽けき様々な想いを抱える高校生男女の、少しづつ心が成長していく様を優しき視点で今泉力哉監督が描き出した作品。】
ー 今泉力哉監督は、若き男女の繊細な心の機微を描かせたら、邦画界では頭一つ抜けていると、私は思っている。
言葉の微妙な使い方、僅かな仕草をワンショットでさり気なく見せながら、彼は小さな出来事を積み重ね、登場人物たちの世界を少しだけ変えていくのだ。-
・サンカヨウ(山荷葉):雨に濡れると、花びらが半透明になる繊細な風合を持つ植物。
花言葉は”清楚な人””親愛の情”。
大学の時に、花に詳しい先輩から、登山中に偶々見つけ、教えて貰った花である・・。
・陽(志田彩良)は幼少期に母親(石田光)が家を出て、父親(井浦新)と二人暮らし。ある日、父に再婚の意思を告げられ、相手の美子(菊池明子)と4歳のヤンチャな娘ひなたとの4人の生活が始まる。
- という物語の流れを、淡々と今泉監督は描いていく。
新しき母の作ったものが少ししょっぱくても言えなかったり、ひなたちゃんに大切な本を破かれてしまったり、細やかな事を織り交ぜながら・・。-
・そんな気持ちを同級生で、仄かな恋心を持つ陸(鈴鹿央士)に明かす陽。そして、気になっていた母親のギャラリーを二人で訪れるが・・。
・親の子に対する想い、子が親に抱く想いなども、絶妙に盛り込んでいる所も、良い。
<登場人物が、皆、心優しく、穏やかに話す姿や、淡いトーンが印象的な作品。
鑑賞後、少しだけ、心が軽くなるような気持ちになった作品でもある。>
<2021年12月12日 刈谷日劇にて鑑賞>
崎山くんが好きで、彼の曲の世界観と響き合う映画に興味があり鑑賞。確...
崎山くんが好きで、彼の曲の世界観と響き合う映画に興味があり鑑賞。確かにかそけき映画でしたー。
マックじゃなく喫茶店にたまる高校生、時代が少し前なのか?と思ったけどスマホ使ってるから現代なんですね。
父と娘の良好すぎる関係にも多少違和感が。
でも、よくある思春期の反抗物語を見せられても仕方ないし、今はこういう、それこそ幽けき心の機微をかかえた女子が多いのかも。派手な反抗などしなくても、たくさんのことを考えている。見えるような見えないような、哀しみや幸せ。
何もないから自分の気持ちにも自信が持てない鈴鹿くん。悪意ない二股状態にこっちはイラっとするけど、リアルではある。いちばん感情移入できるかも。
ボヤボヤして煮え切らない主役たちよりスパイシーなサキちゃんが素敵で悲しい。
演出もセリフもシンプル、映像で伝える
間や余韻のなかに何を感じるかの物語
お恥ずかしながら「かそけき」という形容詞も「サンカヨウ」という花も初めて聞いたため、最初タイトルが全く入ってこなかったが、映画を通してそこに込められた意味がじんわりと染み渡ってきた。
「幽けき」と書く通り、幽霊のように今にも消えてしまいそうな薄い、淡い、仄かな様子のこと。
「サンカヨウ」は成長が早熟で水に濡れると透明になる花。そして、花言葉は「親愛の情」だった。
原作があるからか今泉力哉監督らしい恋愛群像劇は見られなかったが、自然体のやりとりで間を巧みに使い余白を残すことで観る者に多くを想像させる優しい演出は健在。
役者たちの表情の機微で魅せる。カットがかかるまでの余韻を上手く使っている気がした。
やりたいことを実現する、家族や大好きな人と一緒に暮らす…人生において何が正解かではなく、その人にとってどうすることが幸せなのかを見つめ直すことが大切。
価値観は人それぞれ。状況や心境によっても変わるもの。
自分では何も持ってないと思っていても、誰かにとっては力になったり必要とされる存在だったりする。
何者かになろうとしなくても、想いを明確に決めなくても、流れに身を任せることも大事。
一方で生き続けることが幸せではないこともある。
そんな、あまり多くを語らず答えをしっかりと出さない、でも外側からふんわり包み込んでくれるような作品。
しょっぱいってちゃんと言えて良かった。
急ぎ足で大人になろうとする陽。父と二人だけの家族。幼い自分を置いて家を出た母の背中で聞いた水に濡れると透明になる花の名前。それが一番古い記憶。
高校進学を目前に父が再婚し我が家に新しい母と5才の妹がやって来る。静かなる思春期を送る陽の心が揺れる。密かに想いを寄せるとらえどころのない同級生。自分をさん付けで呼ぶ新しい母。そして勇気を出して会いに行った産みの母。誰との距離もなんだか縮まらない。
それでも側にいる人達と大切な関係を築こうと踏み出す陽が眩しかった。ただ全体的にちょっと単調な印象。好きな世界観だけど期待し過ぎたかも。陸の独壇場はまるで全編アドリブかと思える程にリアルで笑えました。登場人物それぞれの視点や立場で見方が変わるような構成は今泉監督っぽかった。
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