「家族や友人との、変わりゆく関係をゆっくりと丁寧に描いた作品です。」かそけきサンカヨウ もりのいぶきさんの映画レビュー(感想・評価)
家族や友人との、変わりゆく関係をゆっくりと丁寧に描いた作品です。
志田彩良ちゃん初主演の作品ということと
今泉力哉監督の作品ということもあって、
ぜひ観ておきたかった作品です。
ヒロイン=陽(志田彩良)は高校1年生
父との二人暮らし。
親子関係は良好。 …だったのだが、
ある日、父(井浦新)が口にする。
「父さん、恋人ができた。 結婚する。」
反対する理由も無く、相手の女性との
同居生活が始まる。
先方も子連れ。
4~5才の小さな女の子が妹になった。
可愛くない訳ではない。 …けれど
わがまま。やりたい放題の妹。
自分の作る料理とは、味付けの違う料理。
否応なしに変化する環境に
何かを飲み込む日々が続く。
そしてある日
大切にしていた本が、妹に破かれていた…。
好きな作家の本 そしてそれは
自分を置いて家を出た 母の本。
爆発する陽。 …まぁ 気持ちは分かるかも
…
と、まあ
こんな風にお話は続きます。 (粗い…)
◇
エピソードの一つ一つは
陽を中心にした
周囲の人たちとのつながりを描いていきます。
・中学からの友人達 (男女梅井ずつ。みんないい子達だ~)
・父親 (映像関係の仕事をしているようです)
・新しい母 (父が仕事上で接点のあった女性らしい)
・母の連れ子の妹 (一回りくらい年が離れているのでは)
・産みの母親 (途中、訳あって離婚した事が分かる)
話が進むに連れて、皆それぞれが
過去へのこだわりや
現在の境遇に対する複雑な思いがあって
そういったものを引きずったり
そういったものに縛られながら
みんな、今を生きていることが分かってくる
その描き方がとても自然で
共感できるものでした。
派手さの無いストーリーで、地味な印象も受けますが
複雑な人間関係を上手に描いた
とても良質の作品と思います。
観て良かった。
◇ あれこれ
志田彩良ちゃん
「ひかりのたび」のポスターを見て以来
気になっている若手の女優さんです。
この作品が一番いきいきしていた気がします。
今後も要チェックです。
※「ひかりのたび」の本編を見る機会が無く
予告編しか観たことがありませぬ(…汗)。
どこかのネット配信でやってないのかな…
サンカヨウ
この植物のこと、初めて知りました。
漢字だと「山荷葉」
水に濡れると、白い花びらが透明になる へぇ
どの辺りで見られるのかと調べてみると
長野県とか 岐阜県とか… 山岳地帯の植物 ?
どこでも見られる植物ではなさそうで …ちょっと残念。
☆映画の感想は人さまざまかとは思いますが、このように感じた映画ファンもいるということで。