「こんなに邪悪な少女を見たのは初めてかもなピカレスクコメディ」サイコ・ゴアマン 村山章さんの映画レビュー(感想・評価)
こんなに邪悪な少女を見たのは初めてかもなピカレスクコメディ
ゴミ扱いされながらも、レンタルビデオ店で地道に回転し続ける80年代B級C級ホラーの空気を詰め込んだような、バカバカしくも可愛いゴアSFホラーコメディ。すべてが確信犯的で、ツッコむことすらナンセンスなほどバカバカしい。基本的にはどこかで観たようなノリを再現しているのだが、主人公の少女の造形はこわいくらい突出していて、結果、懐かしいけど観たことない気がするヘンな魅力が生まれている。
もう少し説明すると、とにかく主人公の少女が邪悪。完全にイタズラのレベルを超えているし、家族や兄貴や邪神サイコ・ゴアマンに対してもパワハラし放題。倫理的にも礼儀作法としても絶対に間違っているのに、いや、間違っているからこその爽快さがある。みごとなピカレスク映画。この主演の子役を連れてきた時点で、凡百のパロディを凌駕することは決まっていたのだと思う。
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