劇場公開日 2021年7月30日

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「侮って観ていると置いていかれちゃうよ!」サイコ・ゴアマン バリカタさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5侮って観ていると置いていかれちゃうよ!

2021年8月4日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

劇場の予告編みていた時から心が掴まれていた作品。ようやく鑑賞です。
この作品・・・雰囲気はB級ですよ。そりゃ、こんなおどろおどろしくイロモノ全開のトンデモSFテイストですし、「サイコ・ゴアマン」ってなんだよ!ですし・・・しかし、しかしです。この一見泥舟に見える怪しい船に勇気を持って乗船しましょう。漕ぎ出しましょう。あれよあれよのジャングルクルーズ(あ、他作品!)。振り落とされるなー!な展開です。おっ!??え?!あ!?うぅ!?いー!の連続。で、ケラケラ笑うのも弛まなく。

極上のSFエンターテイメントじゃねーかよー!!!
ドドーン!ババーン!です。

上映館少ないのは頷けます。だって、万人受けすると思えません(笑)だから、きっと観る人を選ぶ作品なんだろうなぁ?って思いますよ。この世界を受け入れることができる方には完全無欠に楽しめるはず。楽しみたいのならば頭を空っぽに、固定観念とセオリーを捨てましょう。そう、本作は9次元のサイエンス・フィクションなのであります。
「え?何それ?」、「変なの」「ありえない」は禁句です。どうぞ心をフリーにして全てを受け入れてください。そうすればいざなってくれますよ、SFがもたらすカタルシスに、兄妹愛に、家族愛に、そして宇宙規模の友情に。エグいシーン、緊迫の対決シーンがてんこ盛り、でもまさかの吉本新喜劇的なホロリまで。ほら!完全エンタメです。ドラマティックです。
さらに・・・笑いが素晴らしい。まさか洋画で「間で笑う」「スカしで笑う」と思いませんでした。やるぅ〜。

とにかく、主役の「ミミ」が最高です。彼女の存在がまさに「サイコ・ゴアマン」をちゃんとした物語にしております。ミミのキャラクターは・・・おてんばを通り越しております。イっちゃってます。それがサイコー。でもって、気弱なお兄ちゃんルークもいい味出しているんだよなぁ。回し役をこのコンビにしたのが大正解ですね。本作はミミ、ルーク、サイコゴアマンの3人コントといっても過言ではないかも(笑)ショートコント「クレイジーボール」は名作です。腹抱えて笑っちゃいました。(注:コントをやるわけではありませんよ、例えです。悪しからず)

なんというんだろうなぁ、本作は同様のSF作品のパロディなのかなぁ?いや、そういうわけじゃぁないんだよなぁ。そこら中から漂ってくるSF、特撮(といっていいのか?)への愛情とでもいうのでしょうかね?滲み出てる気がします。どこが?ってちゃんと真面目に作ってるんだもん。おちゃらけてないんだもん。馬鹿にしてないんだもん。あぁ、ミミに作り手自身を投影しているのかなぁ?確かに、SF好きならこんな展開は夢だよなぁ。

ちょっとでも書くとネタバレになっちゃうのでこんなことしか書けませんが、いつもと違う映画観てみようかな?と思われていらっしゃれば、おすすめですよ。
僕はずっとニヤニヤ、ゲラゲラ、ワクワク、ドキドキしっぱなしで気分盛り上がって鑑賞しました。
いちいち面白いです。

バリカタ