「残虐宇宙人なのに8歳少女の言いなりになるサイコ・ゴアマン、その関係性が楽しい」サイコ・ゴアマン 高森 郁哉さんの映画レビュー(感想・評価)
残虐宇宙人なのに8歳少女の言いなりになるサイコ・ゴアマン、その関係性が楽しい
手作り感はあるがチープじゃない。特撮愛あふれる快作にして珍作だ。
8歳の少女ミミと10歳の兄ルークが庭を深く掘っていて、怪しげな埋蔵物を発見。適当に操作したらあっさり封印が解かれ、残虐宇宙人がよみがえる。しかしミミが赤く光る宝石を手にしたことで、2人が勝手に「サイコ・ゴアマン」(Psycho Goreman、略してPG)と名付けた彼は、ミミの言いなりになってしまうのだ!
ミミは子供なので別に世界征服をたくらむでもなく、しょうもないレベルのいたずらをPGに実行させては喜んでいる。他愛なくて馬鹿馬鹿しいけれど、それがいい。
監督のスティーブン・コスタンスキはまだ少年っぽさの残る風貌で、カナダの過激映像作家5人組「アストロン6」の1人。特殊メイクアーティストとしても活躍し、「スーサイド・スクワッド」「IT/イット “それ”が見えたら、終わり。」などメジャーな作品にも参加したとか。本作は低予算の部類に入るが、ビッグバジェットの企画を任されたらどんな映画を作るのだろうか、と将来が楽しみな作り手だ。
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