「【日本の未来を担う子供たちの健康(肉体的・精神的)を守る事を考え、今、私達大人がすべき事を考えさせられる、恐ろしくも多くの示唆に富む、現代日本の食物事情を描いたドキュメンタリー作品。】」食の安全を守る人々 NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【日本の未来を担う子供たちの健康(肉体的・精神的)を守る事を考え、今、私達大人がすべき事を考えさせられる、恐ろしくも多くの示唆に富む、現代日本の食物事情を描いたドキュメンタリー作品。】
ー 先日、「フード・インク」というアメリカの大企業が制圧しているアメリカ農業の実情を描いたドキュメンタリ―作品を鑑賞した。
アメリカの食物事情は酷いモノだな・・、と思ったが、今作を鑑賞して愕然とした。
日本も同様ではないか・・。-
◆感想
・戦後、GHQにより日本の食事情は大きく変わった。小麦粉を大量に消費させるために、それまで米食が主流だった日本に、パン食文化が広がって行ったのである。
特に学校給食は、パン食に切り替えさせられた。
だが、今作で描かれているように、その小麦粉に除草剤ラウンドアップの主成分で神経毒性及び発がん性のあるグリホサートが基準を超える値で残留していとしたら・・。
そこで、私はある事実を思い出す。(劇中でも語られる。)
戦後の日本人の死亡原因の一位は、脳血管疾患であった。
それが、1981年以降は悪性新生物(癌)がずっと一位になっている事実である。
【これは、発がん性のあるグリホサートを含んだパンを、戦後、日本人が食べ続けた結果ではないのか?】
・米国に忖度して、日本政府が、食物に残留している悪性化学物質の安全基準を世界とは逆に引き上げた事。
- 何やってんだ!日本政府!。怒りで、脳内が沸騰する。ついでにこの事実を知らなかった自分にも。ー
・最近増えている、30台未満の若者の精神疾患率発症の高さ。
- 劇中でも描かれている通り、農薬を散布した後の周囲の幼稚園児の書いた絵の恐ろしさ。-
・レイチェル・カーソンが1958年に「沈黙の春」で、空中散布も含めた殺虫剤や除草剤の動物に対する危険性を指摘していた事は知ってはいたが、何も学んでいない長年続けられてきた、利益重視の農業政策。
■農林水産省を始めとする政府諸機関、関係団体に早急に取り組んで頂きたい事。
1.韓国のように、日本の小中学校の給食を全て、有機食材に切り替える事。
2.アメリカから大量輸入される小麦後を始めとした食物の残留悪性化学物質混合率の定期的な開示。
及び、アメリカからの小麦粉輸入量を徐々に減少させ、日本の小麦粉自給率を上げる農業政策に取り組む事。
- アメリカと、上記交渉をする事が日本人の命を守る”外交”でしょう!。
弱腰になっているんじゃないよ!!-
3.難しいかもしれないが、食物の残留悪性化学物質を除去する工法の開発に注力する事。
4.有機農業に取り組む農家の支援を強力に行う事。
日本の有機農業で作られた食材は高い。
だが支援を行う事で、その売価を少しでも下げ、多くの国民が有機野菜を購入しやすくなるシステムを構築する事。
<今作で描かれている恐ろしき事から目を背けずに、日本の未来を担う子供たちの肉体的・精神的な健康を守る事は、私達大人の責務で有ろう。
弁護士で元農林水産大臣の山田正彦さんが、今作では奔走している。
そして、日本を取り巻く農業の実情を私たちに伝えてくれている。
だが、この方も官僚時代には事実を知りつつ、立場もあり、切歯扼腕しながら職務をこなしていたのではなかったか。(違ったら、御免なさい。)
私達、大人がまず簡単に出来る事は、この映画の内容を咀嚼した上で、まずは多少お高いが、有機農法で作られた食材を購入する事であろう。
そして、私は、若き時に読んだ、レイチェル・カーソンの「沈黙の春」を読み返そうと思っている。
<2022年2月13日 刈谷日劇にて鑑賞>