「大事なことなのにあまり知られていない事実」食の安全を守る人々 グレシャムの法則さんの映画レビュー(感想・評価)
大事なことなのにあまり知られていない事実
こんなに大事なことなのに、日本では大手メディアがほとんど取り上げない。そして知らない内に悪い方向に制度も変わっていく現状がある。
でも、何かしらできることから始めなければ❗️
ということで作られた映画です(たぶん)。
以下は、私なりの認識。
モンサント(現在は買収されてバイエル)の農薬『ラウンドアップ』(その主成分グリホサート)は癌や発達障害などの健康被害をもたらす原因であることが相当の実例から特定されており(少なくともアメリカにおける3件の裁判ではいずれもモンサントが敗訴、賠償責任を負うことになったのは事実)、世界的には規制が強化されているのに、日本ではむしろ緩和されている。具体的には小麦などにおける農薬残留基準値が従来比で何十倍にも拡大され、ヨーロッパだけでなくお隣の中国や韓国などよりも桁違いに緩くなった。
背景にはTPPなどを推し進める(トランプ大統領が急に撤回した経緯はありましたが)アメリカ大企業の思惑に日本政府が〝配慮〟してモンサントの日本農業への参入を後押ししていることがあるらしい。モンサントは商売上手なので、この農薬に強い遺伝子組替えを施した種子をセットで売り込むわけです。その毒性に侵された土壌では、遺伝子組換え未実施で毒性への耐性が弱い日本の種子は駆逐され、モンサントに市場を奪われる。つまり、悪質な農薬漬けの穀物の比率が高まる。
この農薬の毒性は、農薬散布の場で直接曝露することなく食料品を通してのみ摂取している分には、誰もが直ぐに何かの症状に見舞われるというわけではないが、その次以降の世代に生殖異常や自閉症などをもたらす確率が高いことが動物実験で確認されているそうです。
従って、日本政府の現行の振る舞い(農薬の残留基準の緩和を進めている、もしくは黙認している)は目先のグローバルな大企業やアメリカ政府⁈への忖度を優先する一方で、日本の未来世代への悪影響の可能性についての責任をほとんど考えていないということになります。
コロナの影響を受ける命も大事ですが、次世代の健全な生命活動への影響、しかも先送りすることで更に取り返しがつかないリスクが増す影響についてももっと問題提起されてもいいはずなのに、なぜか世間一般が知るほどには報道もされないという事実。
若い世代が信頼していないのは政府だけではなく、自分の生活や命や老後のことばかり考えているオトナたちみんななのではないでしょうか。20代の人流を責めるばかりの報道機関の人たちにとっても我が身を振り返るキッカケになるような内容の映画だと思います。
そして願わくば、振り返った後に、一般国民にはよく分からない正体不明の〝何ものか〟への忖度と優先順位の見直し(未来の日本人を最優先する‼️)を行っていただきたいと思います。