サマー・オブ・ソウル(あるいは、革命がテレビ放映されなかった時)のレビュー・感想・評価
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熱気が凄い
ソウル、ヒップホップ等のブラックミュージックが好きなので、本作は絶対に劇場で観たくて、劇場まで足を運びました。約10年ほど前に鑑賞した『ソウル・パワー』は、渋谷アップリンクで鑑賞したのですが、確か上映館が小さなミニシアターだけだった様な記憶。本作の上映規模が予想以上だったことに驚きました。
久しぶりにスティービーワンダー、ニーナ・シモン、SLYの歌声を聴いて、懐かしくて家に帰ってからもまた聴いてしまいました。観客もほぼ黒人のフェスだったので、ルーツとアメリカのブラックカルチャーが融合した感じ。熱気も凄いし、お客さんの衣装もユニークで素敵でした。
1990年代初めにフリーソウルブームがあって、私はそのブームで、スティービーワンダーやSLYを知る事になり好きになりました。だから、本作を若い方が観てくれてブラックミュージックを好きになってくれたら、なお嬉しいです。
まさにこのフェスをリアルタイムで見て影響を受けたアーティストがいるかもしれませんよね。もしかしたらマイケルが客側で観てたかもしれないなんて妄想してしまうほど素晴らしいフェスでした。
ステージの上と下がフラットで驚いた
思いをバーンと音に乗せる、その格好良さと熱気にやられた。
音楽で全員を同じ方向に突き動かす。政治デモよりも強く訴える力を感じた。
ニーナシモンの歌う姿が凄すぎてビックリ。
アーティストは時代の代弁者であれ。サマー・オブ・ソウル(あるいは、革命がテレビ放映されなかった時)
1969年、とても気にするべき年である。気になる年である。
そんな政治の時代、冷戦の時代、黒人差別消えやらぬ時代に開かれた、ブラックピープルによるブラックピープルのためのフェス。ガス抜きだったのだろう。とても人当たりの良さそうな共和党のニューヨーク市長にとって。
アーティストたちの圧倒的な歌唱力、リズム感、グルーヴ、観衆の熱量は言うまでもない。
そんな中、面白かったのがその最中に飛び込んできた「アポロ飛行士の月面着陸」というビッグニュースとそれに対する一般観衆の彼らのとても冷めた反応。
それがどうした。無駄遣いだ。そんなことより、自分の周りには食うに困る貧困層がいくらでもいるのだから、と。
翻って現在も、宇宙旅行にご執心のジェフ・ベソス、イーロン・マスク然り、同じような目で見られているであろうことは想像に難くない。
ニーナ シモン
多分現在のアフリカ系女性シンガーの表し方が
このフェスティバルで変わったのかなぁ〜
ウッドストックでも、ここまで直接な歌詞は少なかったはず…
元々ジャス畑の彼女がシンプルで素晴らしい音楽で観客を魅了する姿がマジカッケー
ドキュメンタリーを撮るか音楽を撮るか?
作品が長年封印されてた時点で、ドキュメンタリー側に行くのわ仕方がない事かも…
叶う事なら、ライブ音源だけのアルバム出して頂けたら、即買いです
ブラックカルチャー
白人の奴隷として存在していた黒人。
つい最近まで、いや、今も蔑視されてる。
が…
あんま、黒人とは接点のない日本で育った日本人だからか、黒人の音楽や洋服の文化はシンプルに『カッコいい』と感じる。
そして、黒人だけではなく、女性も白人も在籍するバンドが舞台に立ってるシーンもあって、監督が伝えたいメッセージは、ここなんだと思う。
最後のスティービーのセリフが痛快だった。
soul makes me smile
黒人のための黒人アーティストによる無料FES
というだけでグッと来てしまう。
ハーレムの公園を埋め尽くすeveryday people
音楽ファンの音楽をきちんと聞かせろという評も散見したが その祭りの時代背景なんかも音楽とうまく入れ込んでいたように思えた。そして、出てくる出演者全員がsoulを持ってやっていて、よかった。でも 演奏や祭りをそのまま見たいという気持ちも分かる その素晴らしさだけに
タイトルなし
よくできたいい映画、意図はよくわかるし、今だからこその編集・演出だろうとも。だけど、音楽シーンたっぷりバージョンも見たくなる。ノってきたところでぱっとインタビューに行ってしまうので…。(そのインタビューが貴重であることとか、それが織物のように後々効いてくるんだけども。)
圧倒的な音楽ドキュメンタリー映画
決して忘れることのない
圧倒的なドキュメンタリー映画
1966年に引き戻される
こんな時代が有ったのかと思い知らされる
聞き覚えのある音楽
見覚えのある人たち
ハーレムとBlackの人たち
もう一度観ないわけにはいかない
1969年のニューヨーク 相次ぐ暗殺、人種差別、ベトナム戦争… と...
1969年のニューヨーク
相次ぐ暗殺、人種差別、ベトナム戦争…
と重苦しい時代
ブラックミュージックスターが
続々と登場する野外フェスは
もう、密密密で
老若男女が皆んな楽しんでて羨ましいわ
やっぱり、こーゆー場が必要なんですよね
ちょっと気になったのは
フェスの主催者なのかな
ニューヨーク市長さんが
背が高くて、ハンサムで
俳優さん?って間違えるくらいに
素敵でした💜
これは知らなんだ
スティービー・ワンダーって、10代の頃からドラム叩けたんですねぇ。ちょっと佐村河内的な疑いを抱きたくなるぐらい、あまり打ち損じないじゃないですか。鍵盤だけでも凄いのに、一人でたいがいやれるから凄い。天才。
69年に行われたハーレム・カルチュラル・フェスティバルの映像に、当時のアメリカの状況やインタビューを織り交ぜたドキュメンタリー映画。
スライ、BBキング、マヘリア・ジャクソン、ニーナ・シモン…お好きな方にはたまらないかと。
こんなもん、生で見たかった。
真夏の夜のジャズに匹敵
音楽的な部分では、真夏の夜のジャズに匹敵すると思います。(むしろそれ以上?)
作品自体は、当時の時代背景をかなり描写している。現代とあまり変わってない。。
当時は、キング牧師やケネディ兄弟等いたが、現在は。。
魂を感じた
西日を照明代わりにしたソウルミュージックフェス。マヘリア・ジャクソン、ニーナ・シモンが素晴らしい。でも素晴らしくない人なんかいない。
ほとんど名前は知っていた人達だけれど、動画で観られて存在を深く感じられた。
アメリカの映画でこんなに多くの黒人が出ているのを観たことがない。アメリカに行ったことがないけれど私の頭の中のアメリカがいかに漂白されたものか、よくわかる。
早退してでも、見てよかった
『真夏の夜のジャズ』が大好きです。
ほとんど、モダンジャズしか聴いていなかったのですが、この映画でジャズの多様性を知りました。バッハだってジャズです。あと、観客の様子素敵です。難しい顔でコルトレーン聴くばかりじゃないなと思いまっした。
本作はちょうど真逆です。
何だか全部アメリカの黒人音楽とまとめて認識していたものが、R&Bやゴスペルや所謂ソウルはそれぞれ成り立ちや社会的背景が違うことがわかりました。民謡と浪曲は違いますからね。それで、ゴスベル歌手が『場違い』と感じたわけです。これが理解できるように、演奏と演者や観客などへのインタビューと社会情勢のフッテージが織り交ぜられています。凄く良いのは編集で、演奏以外の部分には会話やアナウンスが入っているのですが、全く音楽を聴くのに邪魔になっていないことです。このため、2時間ずっと楽しく過ごせます。実際のフェスティバルは2ヶ月間あったようなので、映画には出てこない無名なバンドなども出ていたのかもしれません。
観客はほぼ完全に黒人ばかりなのが驚かされます。前年にキング牧師が暗殺されているので、ニューヨークでさえ人種的分断が深刻だったのでしょうか?タワーレコードでRock/PopsとSoul/R&Bが別の棚に陳列されているのがよくわかります。アフロキューバンのように一部白人の演者がいますが、Sly Stoneがこの時代では先進的であったことがわかります。白人・黒人混成かつフロントメンバーも男女混合。さらに、アクエリアスがヒットしたフィフス・ディメンジョンが白人グループと思われていたというエピソードも興味深いです。僕がハーレムに行ってみた、1990年代も125丁目で白人はほぼいなかった記憶があります(当時は治安が悪くて怖かった。)。警察が警備をしてくれないので、ブラックパンサー党が警備していたそうです(wikipediaによればSly Stoneの時だそうですが)。
以下細かい点
・19歳のスティービー・ワンダーはクラビネットのみならず、ドラムがメチャウマです。
・ニーナ・シモンは怒りを込めて静かに歌う人かと思ってましたが、ノリノリでびっくりしました。
・『真夏の夜のジャズ』にも出演していたマヘリア・ジャクソン、よく見ると奥歯があまり残ってません。よくもあの体格を維持できますね。
・シーラ・Eのルーツはアフロキューバン・バンドなのだと今更気づきました。
・やはり、目を引くのはSly Stoneです。配信でもみれる『スライ・ストーン』でヨレた彼も見てみましょう。
YouTubeを見ていると、似ているものしか出てきません。こうしたフェスの面白みは、自分の感性が広がっていくことです。早く普通にフェスができるといいですね。
ヤング・ギフテッド・アンド・ブラック
1969年ウッドストックが開催された同じ年の夏にニューヨーク・ハーレムのMt.Morris公園で行われたハーレム・カルチュラル・フェスティバルでの映像と音源に当時参加した市民たちや出演アーティストたちの懐述や当時の状況の説明を挟み込んだドキュメンタリー映画。アポロ11号の月面初着陸ニュースの直後でもあった。「月なんて俺たちには関係ない。月に行く金があったら俺たちに回して、景気をよくしてくれよ。」
キング牧師が暗殺された翌年のハーレムでの無料コンサート。3万人も集まれば、警備面での懸念材料は多かったに違いない。ニューヨーク警察の警備は控え、ブラックパンサー党に自警を任せた。当時のニューヨーク市長も司会者と一曲歌う。黒人たちのガス抜きと支持層拡大のために出演者を超豪華にしたのだと思う。運営準備、アーティスト招聘に奔走した司会者トニー・ローレンス。行政側と民衆との橋渡し役を任され、そのプレッシャーは大変なものだったに違いない。元気な司会進行ながら、油断できないぞといった並々ならぬ緊張感を感じた。このフェスティバル自体は3回目だったらしいが。50年間この記録は公開されることはなかった。BLMが叫ばれる50年後にルーツのクエストラブの監督作品になった。
いきなり、スティービー・ワンダーのステージ。声は少年。続いてドラムソロ(ちょっとしくじってだけど)からのインスト。
彼は後で出てくるマヘリア・ジャクソン、モンゴ・サンタマリア、マックス・ローチ、アビー・リンカーンに比べれば、まだまだ幼稚園。
こてこてのソウルをバックに学校をサボって行った、親に買い物に行くと嘘ついて行ったとおじさんやおばさんが次々にインタビューに答える。
B.Bキングもスリムで声が全然若い。間奏のギターもそこそこに引っ込んじゃう。
フィフス・ディメンジョンのステージ。マリリン・マックーに一目惚れした幼い日を興奮気味に話すオッサン。マリリン・マックーとビリー・ディビスJr.もロックミュージカル【ヘアー】のオープニング曲のアクエリアスを歌うことになったいきさつを楽しそうに話してくれる。タクシーに財布を忘れたら、拾ってくれたのがヘアーのプロデューサーだった。
男3女2、合わせて5人のフィフス・ディメンジョンのステージは華やかで素晴らしいコーラス。この年に2度目のグラミー賞をとっている。
ステイプル・シンガースは三姉妹をお実の父さんが束ねるコーラスバンド。すごいパワフル。
ステイプル・シンガースのメイヴィスはゴスペルの女王マヘリア・ジャクソンをサポート。
マヘリアの犬歯が両方抜けてしまっているのが気になってしまった。歯がなくたって全然関係ないすごい歌唱なんだけど。マヘリアはキング牧師と共に活動していた。
この時期、モータウンは黄金期。テンプテーショーンズを脱退していたが、長身のデビット・ラフィンがマイ・ガールを熱唱。聴衆も歌う。すごい歓声。グラディス・ナイト&ピップスもこの時期モータンファミリー。ソウルの女帝の異名を持つグラディスはものすごくパワフル。結婚歴も4回ある。
スライ&ザ・ファミリー・ストーンは当時は珍しい黒人と白人の混成バンド。ドラムとアルトサックスが白人男性。ホーンはほかに女性のトランペッターがいて、この人のボーカルもなかなかパワフルでカッコいい。スライの妹はキーボードで、弟はギター。スライはアフロヘアーに大きなサングラスに揉み上げで蠅みたい。ファンキーでポップなバンドで、「なんだドラムは白人じゃないか」と言っていた聴衆もたちまちノリノリに。
このバンドは1ヶ月後のウッドストックにも出ている。エブリディ・ピープルがよかった。
後半はジャズ系。キューバやジャマイカなどのラテン、アフリカンパーカッションとの融合、フュージョンの創生につながったムーブメントでもあったと解説していたような。
二ーナ・シモンの過激な煽りトークにはびっくり。二ーナ・シモンの曲を挿入曲にしている映画(アサシン、ビフォア・サンセット、コードネーム U.N.C.L.E、クルエラなど)が多いもので、CDを聴くようになった。バックグラウンドやお人柄などは全然知らなかったもので、その凄さにびっくり。
歌った曲も聴衆へのメッセージ性が非常に強いストレートな歌詞で、瞼が熱くなってしまいました。
マックス・ローチ、アビー・リンカーンらもキング牧師をサポートする活動家であったとのこと。
ステージ映像や音源は期待していたよりもよかったです。ただ、一曲をフルに最後までは聴かせてはくれません。それでも、ちょっとダラダラした感じのウッドストックよりも熱くて、パワフルで緊張感があってよかったです。
怒りが立ち昇っている
1969年、米ニューヨークで行われたフリーフェス「ハーレム・カルチュラル・フェスティバル」の実況録画フィルムの合間に当時の状況が挟まれた映画です。
シンプルに、圧倒されました。
ミュージシャンたちの中でも、マヘリア・ジャクソン、ニーナ・シモン、メイヴィス・ステイプルズの歌唱、佇まいには感動しかなく、ゴスペルシンガーズ、そして、スライ&ザ・ファミリー・ストーン!
サントラ盤が見当たらないので、これは映画を観る外、体験できません。
よくある言い方ですが、ミュージシャンたち、観客たちの「怒り」が立ち昇っているようでした。
このところの音楽映画の豊作は瞠目すべきで、青天井に高額化したライブ代金よりも、高い満足度を得られて、もう観ることのできない演奏に触れられる点で、良い傾向だと思います。
【Voice of Soul】
なんか、心が揺さぶられた。
アメリカの60年代は、公民権運動の時代だ。
ケネディ大統領が旗振り役になって、暗殺後は、リンドン・ジョンソンが受け継ぎ、キング牧師が前面に立って牽引したのだ。
キング牧師も暗殺されるが、このフェスは、その翌年に開催された。
今、このフィルムが発見され、再編集されて公開されたのは偶然ではあるまい。
キング牧師の暗殺をきっかけに、黒人の怒りは沸点に達し、抗議運動の過激化も懸念されたが、この映画の冒頭で、このフェスは、これらを沈静化させる目的もあったかもしれないとの説明もあった。
その後も抗議運動は続いたが、このフェスは、どちらかと言えば、黒人やマイノリティの気持ちを一つにしたのだろう。
……しかしだ!
こうした政治的なメッセージも多分に含んではいるものの、実は、それはそれ!
この映画は、歌声や音楽が心を、僕達の魂を本当に強く揺さぶる!
とにかく凄い!
ゴスペルが続いた直後の、”My Girl”は、抜群だ!
胸熱!
中盤に再登場した、スティービー・ワンダーはオープニングよりも良かった。
もう、言うことはなし。
政治的なメッセージが苦手な人でも、R&Bやソウル、ゴスペルなんかが好きだったら、十分に楽しめるし、ワクワクすると思う。
申し訳ないけど、コロナ前にも何度か行ったことがあるフェスより、こっちの方が心が揺さぶられた。
1969年のレヴォリューションの時代。
ジョン・F・ケネディ大統領やキング牧師、ロバート・ケネディ暗殺事件やベトナム戦争に国民が憤慨して、アメリカの体制派と反体制派の力関係がダイナミックに揺れ動いた、プリンスやマイケルや今のBLMも影響を受けたであろう、1969年のレヴォリューションの時代。
昔は黒人音楽のマーケットは白人だったので、聴衆の黒人のためこの場でアレンジを変えて演奏されるのも凄い。
アフロの髪型もそれまではなくて、黒人のアイデンティティを表すものとして当時に流行など、文化・風俗も紹介。
公民権運動など歴史的価値のみならず、音楽だけでも楽しめます。
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