「改心の顛末」ファイナル・プラン odeonzaさんの映画レビュー(感想・評価)
改心の顛末
クリックして本文を読む
原題:Honest Thief(正直な泥棒)どおり、好きな女性が出来て改心、自首した主人公から金を横盗りしようとする卑劣なFBI捜査員との攻防戦。
普通なら銀行強盗の方が悪でFBIが正義の筈だが真逆なので素直に感情移入しにくい、それは製作陣も承知の上だから、金は盗っても人に危害は加えないとか、国に尽くした元軍人とかしょぼい身の上話を出して根は善い人像の構築に必死です。そのせいか反撃も一線を越えるのは終盤になってからなのでアクション目当てだと中盤は少々かったるい。
西部劇の時代から銀行強盗はアメリカ映画の定番、ボニーとクライドのように歪んだヒーローものもあるからアニーと意気投合の行く末を案じたが意外にベタなお話でした。
普通なら銀行強盗と知った時点で破局でしょうが、彼女に嘘はつけないと自身を律する行動は立派過ぎて嘘っぽい気もしないではない、また、それを受け入れる彼女も稀有な存在。
改心して愛を得た盗人と改心して相棒に撃たれる捜査員の皮肉な運命、彼の家族まで映すから胸が痛みます。頼りないFBIの上司はいつも愛犬同伴、離婚して引き取ったというがFBIの私生活を描いてどうするのとも思いますが、立場は変わっても欲や悩みを抱えるのが人間ということなのでしょう、人間描写が上手いのか下手なのか、一風変わった作品でした。
コメントする