「安定のニーソン主演アクションだが、話の筋より俳優たちのキャリアをしみじみ思う」ファイナル・プラン 高森 郁哉さんの映画レビュー(感想・評価)
安定のニーソン主演アクションだが、話の筋より俳優たちのキャリアをしみじみ思う
舞台劇俳優として出発したリーアム・ニーソンは、スピルバーグ監督の「シンドラーのリスト」以降演技力を買われてドラマ映画での起用が多かったが、「96時間」の大当たり以降アクションで主役を張ることがずいぶんと増えた。現在69歳であり俊敏な動きの点で徐々に衰えつつあるのは否めないものの、ジャンルのファンを楽しませる安定感は健在だ。ただまあ、物語自体にさして独自性も深みもないのは確かで、この手の企画にニーソン本人がうんざりしていないかと思案してしまう。
「ターミネーター2」で超強力な悪役のT-1000で一躍有名となったロバート・パトリックが、FBIのベテラン捜査官役で出演していて、年取ったなあなどと素朴な感慨を覚えつつ、せっかくなら警官の役にして制服を着せたらいいのになどと勝手なことを夢想したりもした。
ターミネーターつながりというわけでもないだろうが、「ターミネーター:新起動 ジェニシス」(15)でカイル・リースを演じたジェイ・コートニーも、若手捜査官役で出ている。彼の場合、「…ジェニシス」や「ダイ・ハード ラスト・デイ」(13)の頃は勢いを感じさせたが、近年は起用される作品の質でも役どころでも伸び悩んでいる印象。
鑑賞しながら、そんなことに思いをめぐらせていた。
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