恋の病 潔癖なふたりのビフォーアフターのレビュー・感想・評価
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恋は賞味期限切れても、指切りの約束に期限切れ無し。
ひねりが効いててビターなオチが最高。
8bit感のあるコミカルな音楽を流しながら展開する「出会い編」のタッチから、新婚さんアルアルな「離れ離れになる心」への変化だけでも、変化球としては中々のもんなのに。
イカれてるジンが、一緒に住んでるのに、たまらなく独りぼっちになって行く様も、スーパーマーケットで力無く微笑む姿も、切なくて胸がキリキリします。が。そこから、ダークに転じて怪談。これは予想外で更に感心してしまいました!
コミカル、切ない別れの物語り、ホラーと、何でもありかよ台湾映画?
と感心してたら、ご法度の夢オチ。それはダメでしょ?折角、一級品の変化球だったのに、夢オチは芸が無さ過ぎだろ?
などと。
テンションダダ落ちになった所で、立場反転ドラマですよ。
もうね。この捻り方と言い、導入パートとの落差と言い、人間の本質をネタにしたダークさの質と言い、最高だす。
面白かった。
とっても。
後半30分位からのジェットコースター並の展開に、置いてけぼりにされ...
後半30分位からのジェットコースター並の展開に、置いてけぼりにされそうでした。
彼女の夢?の中で、いつものスーパーにて再会した元カレは例の彼女連れ。あの人知り合い?と聞かれ「知らない」と答えた場面は衝撃的でした。
あまりに現実的な夢?だったので、自分であっても目覚めた後でもその一言がショックすぎて正夢になる前に別れとこうとなるかも知れません。 たとえ裏切るのが自分であったとしてもあんな残酷にバッサリ「知らない」と言えない..
考えさせられる、見ごたえある作品でした。
普通と異常、自立と依存
病気という「異常」を唯一の共通点とし、お互いが理解してもらえる、理解していると言う期待や認識は当事者たちの狭い関係の中では一番の強みだけど、それが続くことが必須になると依存であり歪んだ束縛になる。
こんな展開になるなんて、ポスターやタイトルに偽りあり!って叫んだ人たくさんいるよね?
始めは甘く最後は苦い、二味キャンディ
タイトルとポスターを見て、ポップで軽いタッチのラブコメを期待していたら、後半から結構シビアな展開で後味が悪かったです。前半は、病的な潔癖症の男女二人の奇行が微笑ましく、同じ病気だからこそ惹かれ合うのもいい感じです。ところが後半になって、片方の病気が治って正常者サイドの人間になってしまい、相方は疑心暗鬼からストーカー化する展開は重すぎます。特に潔癖症のキャラが、一転して不気味なキャラに見えてしまうのは残念。結局は、心境や環境の変化で、すれ違う古典的なラブストーリーでした。
まちぶせ
これは潔癖症(強迫神経症)の話しで始まるけど、彼の方が完全に治ってしまうところからスレ違いが生じて、関係にヒビが入っていく様子は普遍的テーマとも言える。相手を思いやる気持ちが一番大切なこと、馴れ合いに陥ることのリスクを変化球で示してくれました。
台湾映画って優しい。国民性なんだろうね。いいなぁ台湾。
毎月15日が潔癖症のお客さん優先のスーパーに買い出しに行くと、地下鉄の中で彼女を見かける。ふたりともフード付きのレインコートを防護服がわりに、マスクをして異様なので目立つ。面白い。彼の髪型も変だ。夏目雅子の西遊記でのお供の沙悟浄(岸部シロー)の髪型を思い出した。その髪型は彼が潔癖症でなくなると、髪型も乱れていた。スーパーで彼女の万引きするところを見てしまった彼のコミカルなリアクション。お目当ての消毒液を彼女に3本全部買い押さえられてしまったが、口止め料に1本もらえた。几帳面な潔癖症の彼は計画がうまくいかないとルーティーンを変えてみようと、次の日もスーパーに出かけた。すると彼女もまたスーパーに来ていた。彼女は【まちぶせ】していたのか?そのへんはよくわからなかったが、以心伝心なのだろう。少なくともお互いが相手に会いたいからまた次の日も来たと思い込む。同病相憐れむというか、共通の障害を持った同士という特別感も大いにテンションを上げたに違いない。変態(怪胎)と言い合って、はしゃぎあって、とてもいい感じ。
彼女の方は皮膚過敏症(アレルギー体質)の方が前面に出ていて、万引き癖もあってミステリアスな雰囲気。足が長くて、ボブの髪を紫色に染めている。石川ひとみ(むかしのアイドル)を思い出した。歳がばれるね🤭
地下鉄の車内での電話番号交換も彼女から。うーん、積極的。しかも、ヌードモデルのアルバイトをしている(サプライズデートはとてもドキドキ💓鼻血が出るかも)。外に出ると3時間ぐらいで痒くなったりするので、時給のいいアルバイト優先なの。しかも、ワープロ検定(古い?)優勝🏆の賞状を持っている。嘘みたいだが、彼の仕事は翻訳家。しかし、とにかくタイピングが遅い。じゃあ、私がタイピングすれば収入大幅アップじゃない。養ってもらえるわね。渡りに船とはこの事だ。うまくいっているときはそんなもんだ。
ほどなくして同棲を始める。キスの医学的効能についての健康ビデオを二人で見ながら翻訳する場面もポップな感じでウキウキ。唾液交換の効能は何でしたっけ?。ドキドキすると脈拍数があがって、カロリー消費につながるんでしたっけ?あー、忘れてる。キスは認知症予防にもなるねきっと。最近、キスしてないな~なんとかして頑張らないと。
潔癖症同士の💋はどうするのか?
サランラップ越しか?
歯磨きは何回するのか?
ディープキスはしないのか?するのか?
お風呂は一緒に入って、洗いっこするのか?
他の体液の問題はどうするのか?
などなど
ちょっと変わった変態ラブコメディ映画を期待していたのでしたが・・・・
彼はある日突然、潔癖症が治ってしまう。門柱に止まったきれいな鳩を捕まえようとして、気がつく。1週間に一回の買い物外出も毎日になり、とうとう出版社の編集チーフに抜擢されてしまい、普通のサラリーマンになってしまう。生活態度が雑になる。話題も合わない。ちゃんと聞いてない。宴会で飲み過ぎて帰宅、健気に介抱してくれる彼女にゲロを浴びせてしまう。会社の女の子と親しくなってしまう。タクシーに乗るときキスしてしまう。
あぁ、もうおしまいだぁ~
片方が治ってしまうと、連帯感が低下する。医者に元に戻せ(治せ)と言い寄る彼女。わかる分かる。
籍をいれてはいないとはいえ、事態は結婚後のスレ違いや不倫疑惑、専業主婦の不満そのものだ。
彼の携帯電話のアドレス帳の彼女の名前は仲がいいときは笑えるけど、最悪になったら、殺意に繋がりかねない。
治るのが彼女の方だったらの早送りドラマも台湾映画らしい。親切。でも、ヤモリは家守だから大切にしないとね。
🎵
あなたが急になぜか
きれい好きをやめたのは
この子とこんな風に
キスしたからなのね
好きだったのよ あなた
家のな~かで ずっと
もうすぐ あたし きっと
あなたと別れる~
お粗末🤭
項垂れて映画館を出た。
本作のパイロット版やトレイラーを見て、カラフルでテンポの良い恋愛コメディを想像していたがまんまといっぱい食わされた。
2人の俳優がとても魅力的。
潔癖症の2人の恋愛という特別な状況を描いてはいるが、実は恋愛の本質や、初めから終わりまでを象徴的に見せるという趣向なのだ。
後半はかなり普通の恋愛の終末形態になっていく。
劇中で「立場が違っても同じだったろう」と、、彼女の哀しい独白を自分に置き換えてみると、、いろいろ反省しきりである。
追記:この作品は全編iPhoneで撮影されています。
言われて見ると多少画質が、、、でも、
色設計がキチンとしてて全く気にならない。
自分でも映画作ってみたいと考えている人は
勇気をもらえる。
ケッペキにいさん
潔癖症とは言うものの、コロナウイルス流行下の現在の行動様式に照らすとあまり変わらない気もする。何なら彼らはしゃべる時はマスクをずらしたりしているし。いつぞや古市憲寿氏は「キスなんて唾液の交換じゃないですか」とか独特の見解を述べていたが、二人があのまま破局しなかったとしても、キスに同様の反応を示していた彼らに親密度を深める未来はあったのだろうか。
途中まではコメディかと思っていたら、画面サイズが変わったあたりから、哀切なトーンに変転する。視点人物もいつの間にか男から女へと移り、ひたすらいたたまれない展開に。ただ私には、女が見た“男が強迫性障害から脱した”夢オチなのか、睡眠薬を大量摂取した女の“自分が強迫性障害から脱した”幻覚なのか、判断がつきかねた。
しばらく空けていた家に帰って、いきなり掃除を始めなければならない性がただもう悲しすぎる。
良い意味で期待を裏切られた。
iPhoneで撮影したと聞いていたので、文化祭(映画研究会)的な映像を見せられるかと思ったら大間違い。これがiPhoneで撮れるんだと感心させられた。
あえてiPhoneの縦撮影と横撮影を意識させる画角の変化は、閉ざされた世界(潔癖症)と開かれた世界(潔癖症が治った状態)を表現していると理解。
ドタバタコメディ的な作品かと思いきや、後半にかけて急激にシリアスになっていく。
きっと幸せな2人の未来を感じさせる終わり方をするのだろうと予想しながら見ていたが、まさかの突然の別れ(を予感させる)で物語は終了。
ジン(女性)が目覚めた時に、最近流行りのタイムリープものかと思ったが、そうではなくジンの中で「ずっとこのままではイケない」と考えた時に、すでにボーチン(男性)との別れを決めていたんだろう。"目的論"で考えると、ジンはボーチンと別れるために「ボーチンの潔癖症が治った夢」を見て、自らの潔癖症を治したのだと感じた。
「彼を傷つける前に」と言う自らを正当化させる理論で武装して、リアリスト(女性)はロマンチスト(男性)に別れを告げる。
そんな監督のメッセージではないかと解釈した。
台湾でも「花束みたいな恋を」していた、ラストは怖い…
ネタバレレビューは描きたくない主義なので、ざっくりではあるが、ラストはちょっと怖すぎる…。アプローチもギミックも意欲的で観ていて楽しかったはずだったのに…と感じた作品。
前半はiPhoneで撮ったらしい縦型の画角で始まる。用心深くレインコートを羽織り、外出の為なら武装も怠らない。そんな彼が出会ったのは、おなじ強迫性障害の女性。レインコートを羽織り、万引きしないと気がすまない。分かり合えるのはあなたしかいない!と始まった二人の恋。実は『はな恋』と言っても過言ではないほど「共感的」なラブストーリー。微笑ましくて楽しい。
画角が変われば転調の合図。ボーちんかボーチンから症状が消えてしまった。そこらへんまでのギミックは噛み合っていて面白いのだが、急にシリアスになっていくのでかなり大変。こちらまで否定されたような息苦しさを感じる。ジェットコースターのような二人の恋の行方は…。仕事から来るズレも『はな恋』っぽいのだが、二人の歪さを引き出すために打たれていたテンポが形となって狂ってくるのもまた胸が痛い。そんな中で迎えるラスト…。それがかなり脆くてきつい。映画的だが、返って消化不良を起こす感じ。
互いの良さも悪さも認め会える、そんな関係なんて疲れそうな気もする。恋愛をこじらせている自分にとってはかなり重症な重めの作品だった。
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