「聖母マリアと悪魔の鬩ぎ合い」アンホーリー 忌まわしき聖地 bunmei21さんの映画レビュー(感想・評価)

3.0聖母マリアと悪魔の鬩ぎ合い

2022年10月9日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

本作は、近場では劇場公開は無かったのか、記憶には無い。おどろおどろしいポスターが目につき、huluで鑑賞。聖母マリアと悪魔の化身となった亡霊との鬩ぎ合いを描いた、オカルト・ホラー。英国のジェームズ・ハーバートのホラー小説が、原作となっている。

この作品の主演を務めるのが、『ウォーキング・デッド』でシリーズで、悪役・ニーガンを演じるジェフリー・ディーン・モーガン。『W・D』では、当初、残酷極まりない悪党のボスを演じてきた彼が、本作でも、捏造記事によって出版業界から追放されたジャーナリストを演じ、相変わらずのハングレ役を演じている。

冒頭、18世紀初頭の魔女裁判によって、仮面を顔に打ち付けられて、火炙りにされる女性の断末魔のシーンで一気に不穏なムードに引き込まれる。そして、現代。聾唖少女・アリスがある日突然、目の前に聖母マリアの出現を体験し、耳が聞こえ、話せるようになる。それを機に、難病とされる人々を立ちどころに治す力が宿り、それを奇跡として、人々から信仰の対象となっていく。

しかし、それは、決して神の成せる業ではなく、「神の奇跡の裏側には、悪魔が宿る」と見抜いた神父もまた、殺されてしまう。ジャーナリストのジェリーは、今一度、特ダネを狙い、アリスの動向を追っていたのだが、神父の死に不信感を抱き、その真相を暴こうと調べ始め、悪魔と対峙をすることになるのだが…。

全体的には、90分の上映時間の中に、こじんまりとまとまった・オカルト・ホラー作品と言える。ラスト・シーンまでは、なかなか意味ありげなストーリー展開で、冒頭の断末魔のシーンが、どう絡んでくるのか、ミステリアスさを引き出していた。しかし、ラストシーンは、それほどのサプライズも無いまま、予定通りの筋書きだったので、やや雑な感じがして、「まぁ、こんなもんか」と思えたのが残念。

『W・D』の大ファンとしては、内容はともかく、モーガンが主役を演じていただけで、星3つ分かな…(笑)

bunmei21