劇場公開日 2021年10月8日

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「本名高添奈緒」草の響き 野川新栄さんの映画レビュー(感想・評価)

3.5本名高添奈緒

2023年2月26日
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鑑賞方法:DVD/BD

悲しい

知的

寝られる

初鑑賞
原作未読
原作は『海炭市叙景』『そこのみにて光輝く』『オーバー・フェンス』『きみの鳥はうたえる』『夜、鳥たちが啼く』の佐藤泰志
斎藤久志監督作品初鑑賞
加瀬仁美脚本作品初鑑賞

亡くなってから評価が高まった佐藤泰志
軒並み映画化されている

主人公が走る映画といえば三浦春馬主演の『奈緒子』を思い出すがこの作品の主人公な走る目的は違う
舞台が函館といえば宮﨑あおい主演『パコダテ人』だがそんなファンタジックなコメディー映画とはまるで違う

若者3人はどう見てもこの作品にいらないと当初は思えた
なんだよこの連中は
なんで東出昌大の映画なのにこいつらにスポットライト当ててんの
不思議なことに見終わってみるとやっぱり必要だったのかなと思えた
そういうのも含めて北野武監督の『あの夏、いちばん静かな海』と雰囲気がなんとなくだが似ているような気がした
共通点は描かれた舞台が海に近いだけで内容は全く違うのがだが
なぜそう感じたのか自分でもよくわからない

工藤夫婦は黒い犬を飼っている
名前はニコニコの「ニコ」
ニコちゃんだとニコちゃん大王を思い出す
自分も犬も猫も好きだが犬の種類は詳しくない

和雄の親には「和雄さん」といい和雄の親の前で和雄に「和くん」と話しかける純子
そういうのも含めて奈緒がこの役にピッタリ
ところが原作にはこのキャラがないそうだ
剣戟スターが悪者をやっつける時代劇には花を添える形で丘さとみや櫻町弘子らがいた
映画やドラマにも彼女のような存在が必要なのだ
それを思うと奈緒はとても素敵だ

若者3人も妻も必要
『スーパーマリオ64』をやりたくてニンテンドー64を買ったのだが最初はどう見てもいらないものがあった
しばらくしたら必要だったとテレビCMで教えてくれた
世の中にはわりとたくさんそんなことがある

東出昌大だって必要
大根と評する者もいるが全然わかってない
将来性がない三流週刊誌のヘボライターじゃあるまいしちゃんちゃらおかしい
精神疾患の役が似合っていた
『寄生獣』も良かった
『コンフィデンスマンjp』の3人組にボクチャンは欠かせない
ヤフーニュースで憶測記事や切り取り記事を賑わす愚にもつかないくだらない連中もやっぱり必要だったと思える日が来るんだろうか

走る和雄の後ろで3人がはしゃぐシーン好き
ニコを乗せ車を運転する純子がキタキツネを見つけるシーン好き

眠くなる人もいるかもしれない
僕は眠くならなかったけど
わりと良かった

配役
自律神経失調症を患い東京の会社を辞め地元の函館に引っ越しジョギングで治療に励み食器洗いのバイトを始める工藤和雄に東出昌大
妻として和雄を支え函館山ロープウェイのガイドで生計を立てる工藤純子に奈緒
函館の英語教師で和雄の高校時代の同級生だった佐久間研二に大東駿介
親しくなった弘斗にスケートボードを教える高校生の小泉彰にKaya
不登校になった中学生の高田弘斗に林裕太
弘斗の姉の高田恵美に三根有葵
和雄の父に利重剛
和雄の母にクノ真季子
精神科医の宇野正子に室井滋

野川新栄