「「普通」に生きることの大変さ、人間関係の難しさ等を考えさせられる作品」草の響き マッチョさんの映画レビュー(感想・評価)
「普通」に生きることの大変さ、人間関係の難しさ等を考えさせられる作品
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「普通に生きることの大変さ」を描いた作品だと感じた。
運動療法により徐々に快復していく和雄だったが、それでも時折急に不安に襲われる姿(病気は良くなっているのか、父親になれるのか、友人がいなくなって大丈夫か)が気になった。やはり、一度ついてしまった心の傷は簡単には治らないのだなと改めて感じた。
また、「人間関係の難しさ」を描いた作品でもあり、特に夫婦間に考えの違いが多く見られたのが印象的だった。
「狂わないように走る」と言う和雄と「狂ったように走っている」と言う純子、妊娠している純子の隣で平然と喫煙しようとする和雄、「スープを温めて飲んで」や「洗濯物が乾いたらしまっておいて」等と言い"普通"を求める純子とそれらが"出来ない"和雄。(精神が病んでいる和雄にとっては、このような"普通"のことを行うのも難しいのでは?)
このように2人の溝は深まるばかりで、これだとずっと一緒にいる(夫婦として生きていく)のは難しいかな、と思ってしまった。
個人的には、「私が重荷になってる?」「自分だけ傷付いてるみたいなこと言わないで」「こちらも辛い」「自分のことばっかり」「同じところを走っていても、いろんなものが見える」「余裕がなかった」「他人の気持ちに触れやしない」という言葉が響いた。
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