劇場公開日 2021年10月8日

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「誰も責められないなと思いました」草の響き 波風龍雄さんの映画レビュー(感想・評価)

5.0誰も責められないなと思いました

2021年10月17日
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鑑賞方法:映画館

悲しい

難しい

幸せ

とてもよかったです。
東出昌大さんがとてもよかったです。奈緒さんも、大東駿介さん、ほかの俳優さん達もとてもよかったです。
ロケーションの函館の街並みも素敵で、カメラのカットの撮り方も良かったです。

主人公の和雄が自律神経失調症になった直接の原因が仕事だったのか、奥さんが原因だったのかがわからなかったのですが、とにかく和雄が心のバランスを失って仕事を辞めて、故郷の函館に戻ってくる。走ることで自分のバランスをなんとか取ろうとする。奥さんの純子は元の仕事を辞めてロープウェイのガイドとして働きながら夫のことを支え続けて。和雄の親友の研二もとてもいい人で、仕事を休んでまで和雄の通院へ付き添っていったり、度々和雄を訪ねては体調を気遣って。そんな暮らしが一年も続いて。
各々それぞれにできることを尽くして頑張っていたのだが、結果は…
誰のことも責められないし、あのような結果になってしまったものの責められないし判断や行動に正解はないんじゃないかと思いました。
ハッピーエンドの終わりかたでなかったでしたが、現実としてはこの方が多いのかもしれないと思いました。とても考えさせられる映画でした。

波風龍雄