「【それでも生きていく】」草の響き ワンコさんの映画レビュー(感想・評価)
【それでも生きていく】
もう相当前のことだが、不眠症がひどくて、和雄のように運動療法として、毎日5キロから10キロのランニングをしていたことがあった。
30分から1時間程度走るのだが、どんどん深みにはまるように走らなくてはならない義務感が高まって、ついにはフルマラソンも完走するまでになった。
ただ、フルマラソンを走って、目標タイムに僅差で届かなかったことで、次回へのモチベーションが高まったかと云えば、そうではなく、一体自分は何をしているのだろうか、実は、何か肝心なことから、ランニングをすることによって逃げているのではないかとの疑問が大きくなった。
家族や、友人や知り合いは、よく頑張ったと言ってくれたが、自分では実は達成感はなかった。
僕は、だから、和雄の気持ちが分かるような気がする。
一度壊れた心は、いつも潤いがなく、どこか乾いた感じなのだ。
乾いた肌感。
乾いて、徐々にひび割れ、それが、突然大きく裂けめのようになる。
だが、現実は、自分を待ってくれない。
現状を肯定するだけでいっぱいいっぱいの自分。
それに対して、ささやかでも希望を叶えようとする研二。
未来を見据えようとする純子。
死んだアイツ。
広がる距離感は裂け目のようだ。
だが、生きていかなくてはならないのだ。
実は、コロナ禍のなか、佐藤泰志原作の映画を見直してみたいと思っていた。
コロナ禍でソーシャル・ディスタンスの重要性が説かれていたが、実際に繋がったり、触れ合うことなしに人はやっていけないのだと思ったからだ。
佐藤泰志原作の映画には、結果はどうあれ、傷つけ、ぶつかり合いながらも、繋がり、触れ合いを求める人の姿が描かれていると思う。この「草の響き」の公開が良いきっかけになった。
ワンコさん
走る事も極めていらっしゃるワンコさん、優しめのアドバイスを有難うございます。
軟弱気質の私ですが、近くに有るなら階段を使う、自転車走行を高速で、この2点だけは実行しています😅歩くスピード早目…も、ですが。高速で歩く高身長の若者には敵いませんが😆