「写真」MINAMATA ミナマタ Kjさんの映画レビュー(感想・評価)
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名のあるスター俳優がほぼ単身で日本にやってくる題材で、日本の俳優と共演するというタイプの映画はこれまでも時々あったが、漂流記のようなジャンルなんだろうか。異国情緒を効かせすぎているキライはあるが、ジョニーデップのやさぐれた演技は、抑制されていて実に画にはまっている。
アイリーンとのなりそめ含め、かなり省略された感じがあって、彼個人の私小説的な面は控えめ。公害がメインでそれ自体は取り扱うべき題材であるが、巨悪と弱者の構図の方が際立つ。少年との交流がよかったな。人生終盤において仕事に出会ってしまった状況。本人の動機にもっとフォーカスして欲しかったところ。
構図を際立たせるやり取りや事件が起きるが、リアリティに欠けるくだりも多く、脳内で疑問符がたつ。固有名詞の話なので、盛っているのであれば、メッセージも減じるのだが。
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