「家族で見れて良かった」MINAMATA ミナマタ ふたり映画さんの映画レビュー(感想・評価)
家族で見れて良かった
日米限らず合作映画になると大体でてくるお決まりの俳優人に、ちょっと飽き飽きしつつ演じ分けはさすがとしかいえない。加瀬亮さんが特に童顔にも年相応にも見える変幻自在がすごい。今回は病と戦いながらも怒りと悲しみを抱えた表情が素晴らしく引き込まれました。
ユージンを通して見えてくる町村の閉塞感、重苦しい現状の中にも垣間見える水俣に暮らす家族の絆が優しく日常の断片がカメラを通して伝わってきました。だからこそなのか彼は現実逃避をしながら自分の不甲斐なさを抱えてあてどなくウロウロして写真を撮る。導かれた滞在と仕事だったけど、それが信念に変わるときの目つきと周りに及ぼされた影響が秩序に表現されていて自然と涙が流れてきました。
忘れてはいけない過去と現実を目に焼き付けられました。音楽の演出がもたらす相乗効果が良くてもう一度聞きたいなぁと思っていたら、坂本龍一さんだったんですね。その音楽、脚本、演者が素晴らしく久しぶりにいい映画を見たという感想です。それとは別に主人公のラブ要素はどうしてもいれなければいけないんですかなね?
コメントする