「ユージンの魂を演じたジョニー・デップ」MINAMATA ミナマタ bionさんの映画レビュー(感想・評価)
ユージンの魂を演じたジョニー・デップ
ユージンが活動家のリーダーであるヤマザキの通訳を介して真摯な気持ちを自分の言葉で伝える。このシーン以降、最後まで魂の震えが止まらなかった。ユージンは、フォトグラファーとしての使命だけではなく、人間として歩むべき道が見えたのだと思う。
ユージンがとった写真は、水俣病の悲惨さを説明なしに伝えることができる。この写真を見て、今すぐ行動を起こすべきと理解するまでは、たった数秒。写真が持つ力を再認識した。
水俣病が単なる歴史的な事実に置き換えられてしまいそうな今だからこそ、映画化された意味があると思う。水俣市の対応が皮肉にもそれを証明している。
エンドロールで示されているが公害は撲滅されていない。今なお、世界各地で現在進行形で起きている。
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