「こういう風刺映画を待っていた!日本でこれを作った勇気に称賛!!」決戦は日曜日 バフィーさんの映画レビュー(感想・評価)
こういう風刺映画を待っていた!日本でこれを作った勇気に称賛!!
アメリカにおいては、ジェイ・ローチやアダム・マッケイ、ジョン・スチュワートといった政治風刺コメディは日常茶飯事であり、『サタデーナイト・ライブ!』などプライムタイムのコメディ番組でも頻繁にディスられているが、どうも日本は政治にメスを入れようとする勇気もなく、当たり障りのない目線が多い。
今年公開されたドキュメンタリー映画『パンケーキを毒見する』も、明確なエビデンスがないというのに、GoToがコロナ拡大の原因だとか、こじつけ決めつけ、部分部分を切り取って文句を言うだけの菅政権への批判がメインで、視点が偏っていて、左翼プロパガンダ色が強い。
中間的目線から日本の政治や選挙システムのおかしさを描く作品というものはないだろうか……やっぱり日本のクリエイターに、そんな勇気がある者はいないのか……と思っていたが、求めていた政治風刺作品がまさに今作!!
選挙とは何かを改めて考えさせられる一方で、誇張されているとはいっても、実はそうでもない日本の政治のバガハカしさを浮き彫りにしている。世間を知らない政治家の2世、3世の世間知らずが生むバカバカしさ、SNSやメディア戦略によって公約の本質よりもタレント性、カリスマ性で売り込むしかない現状など、今作には、選挙に対する不都合な真実が盛りだくさんに詰まっている。
近年は、視点が偏っているベテランよりも、20代の監督の方が良くも悪くも怖いもの知らずで、冒険的作品が多いような気がしてならない。
今までにも、日本映画で北朝鮮を感覚的に描いた作品というのは、『宣戦布告』や『空母いぶき』など、ないこともないが北朝鮮ミサイル発射問題を、ここまで直接的かつコメディ要素として取り込んだ作品があっただろうか…….
本人がそうというわけではないが、宮沢りえの良い具合にバカな二世政治家役がはまり役で、いい味を出している!!