「一体何を見せられているんだ…。何とももどかしい作品。」シン・仮面ライダー Y.タッカーさんの映画レビュー(感想・評価)
一体何を見せられているんだ…。何とももどかしい作品。
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庵野秀明の実写映画って実は今まで観たことなかったが、今作を観てホントこの人色々上手くないなぁ、と。
説明セリフの多さとやたらとカタカナが出てくる脚本、全編を覆う厭世っぽい拗ねた感覚、唐突で意味を成さない場面転換に取り敢えずシーンとシーンを繋いだだけの拙い編集と、これらが起因してこの手の作品としては驚くほどテンションが上がってこない。
何より、これ本郷猛が主役だよね?って確認したくなるくらい、本郷猛のキャラクターが薄い。テレビ版よりは石ノ森漫画の原作にオマージュを置いた脚本ではあるのだが、映画の2/3は緑川ルリ子が物語を引っ張っていくし、後半はどちらかといえば見せ場は一文字隼と敵役の緑川イチローにドラマの比重が割かれているし…。何よりも驚くのはそこそこの実力ある役者を使っている割には彼らの演技がもれなく、ひどく間が抜けて見える事だ。これだけの役者を使ってドラマが立ち上がって来ないとは…この監督は演技指導をしたのだろうか?。映像にこだわるあまり「監督とは?」という根本的な問題を露呈しているのでは?。その映像もこれだけCGが高度に発達したアクション映画が各国で作られているなか、質感や重量が薄弱で、未だに「これはCGですぜ」 と開き直ったかのような拙さ。とにかく全編「何を見せられているんだ?!」という何とももどかしい一作。
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