「Best Masked Rider Movie!!」シン・仮面ライダー Starseekerさんの映画レビュー(感想・評価)
Best Masked Rider Movie!!
まず期待通りのクオリティーだと思った。
私は幼い頃に仮面ライダーをテレビで見ていて変身ペルトなどのおもちゃで遊んでいたり夢中になっていた記憶があるが、ストーリーの内容はあまり覚えていない。
なのでほぼ過去作のイメージや思い入れはない状態で見たものとして作品のクオリティーは、庵野秀明さんの"シン"シリーズとして安定したハイレベルな物に仕上がっていると感じた。
ただ欲を言えばもっと攻めた作品にもできたかもしれないと思った。実写とCGの巧みな合成などをうまく使えはさらに優れた作品になったかと思うけれど、そこは過去作への監督の思い入れなどから今作の形になったと思う。
まあこれはこれで良かったと思うし、最後まで観た結果これはなかなかいい作品だと思った。
俳優たちもそれぞれにらしさを出して魅力あるキャラクターを演じていたと思う。
浜辺美波ちゃんはやっぱりすごくkawaiiく凛々しくて素敵だったし、声だけの出演となった大森南朋さんの蜘蛛のオーグもケレン味のある良い演技だったし、長澤さんの妖艶なサソリオーグや森山さんの舞踊の才を生かした蝶のオーグ、女王蜂のオーグで日本刀を使ったアクションを披露した西野七瀬さんもヱヴァのアスカを思わせるツインテールで可愛かったし、SHOCKER側のキャストも皆それぞれに個性を発揮して面白くしてくれていた。
中でも柄本佑さん演じる仮面ライダー2号は1号と違った爽やかで明るく軽やかな性格が救いになっていたと思う。あの性格を生み出すポジティブな波動を持っていたためにSHOCKERの洗脳にも抗えたし、悲しみの洪水からもすぐに立ち直ることが出来て、最後に生き残りって1号とルリ子の意志をついで新たな仮面ライダーになれたんだと思う。
でも1号はその優しさゆえの温かみのある人間味を色濃く持っていたのでたしかにそこが弱さに繋がって守りたい人を守れなかったり、自分よりも他者を優先する在り方故に自分が生き残れなかったりしたのだ。たしかに自己犠牲心は昔ながらのヒーロー像としてそうあるべきという固定観念があると思うけれど、私は今の時代のヒーローはまず自分を大事にする自己愛の確立された自分軸をしっかりと持った上で古い観念に囚われず自由に生きる人だと思うので確かに1号はその優しさが魅力ではあるけれど2号のほうがより今の時代に相応しい仮面ライダーだと思う。(ただ主演の池松壮亮さんはその1号の優しさやそれ故の葛藤や悲哀を良く表現できていたと思うが)なので1号から2号への継承はなるべくしてなった必然で自然なことだったなと感じた。
なにはもともあれ十分にエンタテインメント作品として楽しめる作品だった。
強いて言うならライダーやバイクなどのデザインがもう少し今風のイケてる感じでもよかったかなと思ったけどそこは庵野さんのこだわりかなという気もした。