「緻密な編集と絵作り×昭和特撮のおとぼけ」シン・仮面ライダー 今日は休館日さんの映画レビュー(感想・評価)
緻密な編集と絵作り×昭和特撮のおとぼけ
はて、何が賛否両論なのかさっぱり。
そんな真顔で腕組んで向き合うような作品じゃない。楽しくて、熱くて、とぼけてて。キャッキャしながら見る映画です。
編集と構成の見事さは、さすがの庵野秀明。キレキレなカット割りに、印象強い絵作りと音楽。テンポよく進むストーリー。印象的な風景が多すぎてたまに絵葉書に見えたりもしますがw、にしても寄りも引きもレイアウトがよくて美しい。人物を真ん中に置く、堂々たる絵作りなども感嘆ですね。無二の個性を感じます。
昭和のヒーロー特撮らしいどこか間の抜けた感じも、作品全体をとてもチャーミングに仕上げてます。この辺はそもそも社会派の作品を原点とする『シン・ゴジラ』とは違う感じですね。根っこがエンタメ。
昔の特撮を見た時の「フフフ」な感じが、ちゃんと残ってます。けれど映画としての完成度がしっかりしてるから、作品がグダッとしない。技術があるから許される遊び。
池松壮亮のヒーロー然とした演技はたまに笑えたりしますが、それはそれでよし。その他役者陣の芝居も、ちゃんと演技方針が当てられているのがわかる。中でも柄本佑の芝居が見事。森山未來も相変わらず素晴らしいですが、今回は柄本佑が特筆すべき存在感でした。
興奮して、ニヤニヤ笑えて、熱くなれる。
個人的には仮面ライダーが表情で語る、細やかな芝居が面白かった。まぁ表情変わんないんすけどね。
庵野秀明が間違いないことを再確認できました。
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