劇場公開日 2023年3月17日

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「傑作ではないが、仮面ライダー愛にあふれている!」シン・仮面ライダー おじゃるさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5傑作ではないが、仮面ライダー愛にあふれている!

2023年3月19日
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鑑賞方法:映画館

興奮

難しい

寝られる

庵野監督が手がけるということで、超絶期待して公開をずっと楽しみにしていた本作。同様のファンが多かったようで、初日はいい席が取れずに見送り、2日目に鑑賞してきました。

ストーリーは、秘密結社SHOCKERにより改造された本郷猛が、組織を裏切って彼の脱出を図った緑川博士と娘のルリ子の願いを受け、SHOCKERの生み出した怪人たちを倒し、その野望を阻止するというもの。大まかな筋としてはそんなところで、旧仮面ライダーの物語を踏襲しています。

「仮面ライダー」といえば、昭和、平成、令和と、時代に合わせて新しい設定やアイデアが追加され、若手イケメン俳優の登竜門として今だに新番組が作られ、子どものみならず大人からも愛される、日本を代表する特撮ヒーローです。50年に及ぶ歴史の中で生み出された仮面ライダーは、公式サイトの図鑑によると300種類以上あるようです。その原点となる、本郷猛が変身する1号ライダーにスポットを当てた完全リメイクの新作を、劇場で観られることにただただ感謝です。

本作では、そんな往年のファンの心をくすぐる演出が随所に散りばめられていて、もうそれだけで嬉しくなります。仮面ライダーのマスクやコスチュームの変化、サイクロン号の変形と改造、青空をバックに空中回転する仮面ライダー、それを下からあおるカメラワーク、戦闘シーンのBGM、バイクの挙動に合わせたSE、倒された怪人が泡となって消滅する演出、立花や滝の登場等、さすが庵野監督、よくわかってらっしゃる!そこかしこから伝わってくる旧作へのリスペクトやオマージュは、庵野監督の仮面ライダー愛そのものだと感じました。

また、仮面ライダーやSHOCKERのオーグたちは、旧作の雰囲気を残しつつも現代風にデザインされ、ワクワクします。そんなライダーたちが繰り広げるバトルも、ふんだんにVFXを用いて、迫力とスピードを醸し出しています。あえてなのか予算の関係なのかはわかりませんが、当時のアクションシーンを想起させるような程よいチープさを残している点もなんだか嬉しく感じます。他にも、イチローはキカイダーを想起させ、ロボットのKはどう見てもロボット刑事Kで、原作者・石ノ森章太郎氏へのリスペクトも忘れてはいません。そして、極めつきはエンディングの楽曲。当時の藤浩一さん(あえてこの名で書かせてください)、子門真人さんの歌声での3曲は、そうだよ!これでいいんだよ!と涙が出そうでした。

これだけの仮面ライダー愛あふれる本作。それなのに!作品全体としてはなんだかイマイチ面白くないのはなぜなんだー!と思わず叫びたくなりました。その原因の一つは、設定のわかりにくさです。もっとシンプルでいいのに、なにか小難しくこねくり回したような設定が、それをセリフのみで伝えようとする描写が、没入感を妨げていると感じました。もっと映像で魅せて、「おー!なんだかわかんないけどすげ〜!」と思わせてほしかったです。

そしてもう一つは、展開の荒さとテンポの悪さ。登場人物の背景や行動動機、SHOCKERという組織やその目的、さらには一般社会にもたらされている悪影響や人々の生活等の描写がやや足りなかったように思います。そのため、あまり登場人物に共感できず、展開が荒く見えてしまい、その緩急がこちらの気持ちとズレて、テンポが悪く感じたような気がします。

観る側の基礎知識や思い入れによって、さまざまな感想になるでしょうが、往年のファンが待ち望んでいたような作品ではなかったような気がします。それでも、新作公開には感謝しかないですし、これがファンの裾野を広げ、その交流のきっかけになるのは本当に喜ばしいことです。

主要キャストは、池松壮亮さん、浜辺美波さん、柄本佑さん、西野七瀬さん、森山未來さんらで、俳優陣に何の不満もありません。竹野内豊さんと斎藤工さんの登場には驚き、今後のクロスオーバーやユニバース展開を期待したくなりしたが、どうなんでしょうか。また、大森南朋さん、長澤まさみさん、本郷奏多さん、松坂桃李さんら豪華な顔ぶれを、惜しげもなく使い捨てるような起用法には、さらに驚きました。

おじゃる
かせさんさんのコメント
2023年7月23日

人工知能ケイ、顔半分が光ってるときは思いっきりキカイダーでした。

かせさん
Mさんのコメント
2023年4月18日

「使い捨てるような起用法」まさにそんな配役でしたね。最後のエンドロールでびっくりして、「どこで出ていたの?」という感じでした。

M
kazzさんのコメント
2023年4月14日

〉なにか小難しくこねくり回したような設定が、それをセリフのみで伝えようとする描写
…正に、それが庵野スタイルですね。訳分かりません。
私は、そういう部分はついて行こうとしないことにしてます。

イチローはキカイダーかもしれませんが、「イナズマン」のサブローかな、と思いました。
サナギマンからイナズマンに変態する。チョウオーグもサナギがありました。
石森マンガでは、キカイダーのイチロー・ジローとイナズマンのサブローって、繋がってますからね。

kazz
満塁本塁打さんのコメント
2023年3月20日

ご返信お褒めのお言葉ありがとうございました😭 何でショッカーがサスティナブルなの❗️そこいらない❗️とは思いました。本当にありがとうございます😭。

満塁本塁打
満塁本塁打さんのコメント
2023年3月19日

難しい用語、組織のわかりにくさ 一般人との隔絶感=廃工場🏭 スタイリッシュさ追求ゆえのチグハグさでしたがおっしゃるようにリスペクトも散見。令和版なので仕方ないかなぁとは思いました。幼児向けのイケメンライダー【今、ライダー続いてるか知りませんが 日曜の朝❓】との差別化上致し方なしかなぁと思いました。イイねありがとうございました😊

満塁本塁打