「これを古臭いと感じるか、懐古と感じるか」シン・仮面ライダー inさんの映画レビュー(感想・評価)
これを古臭いと感じるか、懐古と感じるか
構成やキャラ作り、演技、喋り方までものすごく、良い意味でも悪い意味でも、子供をメイン層としていた「昭和の特撮」。
今の感性でそれを見て楽しめる人なら楽しめるし、合わない人は何この雑で説明不足で、極端すぎる変なキャラ作りしやがって、とか思っちゃう作品でしたね
もちろん庵野秀明的な、背景含めての1ショットの美しさとかそういう点は作家性や現代なりのアップデートがあるのだけども、あまりに「当時の昭和、特撮」に固執してしまっている点が多く、
ほんとにハマる人には「そうだよ!コレだよコレ!コレが見たかったんだ…!」となるだろうし、うわ古くセー…ガキの作品かよ…と思うか……
せっかくの単体映画なのに構成までTVシリーズの1話(前半8分+後半8分)×1クールを再現しちゃったみたいのもどうなんだろなぁと。ブツ切り感感じちゃいます
あと、妙にリアリスティックでグロいシーンもあってPG12、なのに脚本は子供がメイン層であった昔ながらの脚本。ここだけはほんとにチグハグ感を感じてしまいました。リアリティラインをどこに設定したいのかさっぱり分かりません。限定層の、さらに限定層にしか刺さらない…
個人的にはシンゴジラのように色んな意味で「現代解釈版」を見てみたかったので、あまり刺さりませんでした
とはいえ、別に楽しめる要素はある作品ではありました。ずっと最初のクモオーグ倒すとこまでのテンションやアクションで行ってもらえれば……。終盤のダブルライダーは本当にカッコよかったんですけどね…!間のグダグダと肝心の蝶オーグがね……
今「コレ」をしっかりやれて、予算もつけられるのは庵野監督だけでしょうし、求めてる人には本当に救世主のような作品でしょうね
「仮面ライダーを」見に行く!って人にはめっちゃお勧めするし、あんまよく知らんけど見に行ってみるかーみたいな人にはあんまりお勧めしないかな
シンゴジラみたいに、怪獣モノはあんまり興味ないけど見に行ったら面白かった…!!的なことにはならなそうで