「サンフランシスコやシアトルは“S”だけど、シカゴは“S”じゃない」サムジンカンパニー1995 kossyさんの映画レビュー(感想・評価)
サンフランシスコやシアトルは“S”だけど、シカゴは“S”じゃない
二転三転どころか、四転五転くらいしていた気がする女子社員たちの活躍。痛快さはもちろんのこと、嫌味な課長とかおバカな常務とか、とにかく終盤になるにつれ、とらえ方が変化していく楽しさも満喫。人は見かけで判断しちゃいけないんだと改めて感じました。
実際に起こった事件(1991年の斗山電子のフェノール流出)をもとにして、グローバル化が始まった1995年の韓国の様子が忠実に描かれているのだと思います。映像からしてもフィルムっぽい処理を施してあり、ポケベルやパソコンといった細かい小道具にしても、日本と同じように懐かしく感じます。「ショムニ」っぽいというレビューも多くの方が仰ってますが、あいにく自分はドラマを見ていなかったため『エリン・ブロコビッチ』を真っ先に思い出してしまいました。
お茶くみ、書類整理、雑用・・・高卒女子というだけで不当な扱いを受ける社員たち。彼女たちは英語教育もTOEICの点数によって「代理」という肩書が与えられるというチャンスもストーリーの中核を為し、グローバル化の人材育成にぴたりと当てはまる。そして社長はアメリカ人。古くからの幹部たちは閑職へ・・・
自社工場からフェノールが流出していることが発覚し、ジャヨン=ドロシー、ユナ=ミシェル、ボラム=シルビアの3人は会社の隠蔽を暴こうとする展開。被害に遭った村人たちには和解金が支払われ、法的にはどうすることもいかないという困難に直面。同じ系列のサムジンホテルでの秘密行動にワクワクさせられるのです。
数学の天才ボラムの上司であるポン部長(キム・ジョンス)がいい味付けになってました。ボラムに対しては「楽しいと思うことを楽しめ」などと、隠れてテトリスをやっていても怒ることはない温和な上司。そして金魚のランボーというサブキャラも活かされていた。
今TOEICを受けたら何点取れるかなぁ~。ていうか、受けたことない。英検ですら受けたことがない。ただ、彼女たちのレベルはたいした事なさそうだったので、ちょっとトライしてみたくなった(多分受けない)。