「直後はふつう。思い返すと良作。」かもめ ティム2さんの映画レビュー(感想・評価)
直後はふつう。思い返すと良作。
青年コンスタンチンとニーナの恋物語かと思ったら違った。知識なく見た。
舞台はロシアだが、俳優は英語で演技をしている。
なので、あまりロシアを感じなかった。モスクワぐらいしか知らないし。
青年コンスタンチンは作家を目指している。繊細でナイーブにみえた。
母にことごとく否定され、自信が育たない。
恋人のニーナは女優志望で有名になることを望んでいる。
若く美しくも世間知らずな夢見る田舎娘。の設定だと思うけど、シアーシャ・ローナンが演じるからか、もっと知的で魅力のあるキャラクターにみえた。
見終わったあと思い返すと、ふつうの女性。
コンスタンチンの母は大女優らしい。わがままで機嫌で人をコントロールしようとするところがあり、そして偉そう。実際、家の中では偉い。彼女の周りにはたくさん人がいるが
家の使用人か家族か医者か恋人で、友達じゃないから彼女のイエスマンばかり。
彼女といると周りの人はご機嫌伺いになる。
医者はいい人だけど。
歳月が飛んで、色々あったようで、そこが見たいなと思った。端折られているのか元々少し語られるだけなのか。
作家のボリスは母の恋人だが、ニーナと浮気する。ニーナは自分のファンで尊敬してくれて気分がよかったと思う。大女優の恋人といると彼女にコントロールされてて自信を得られないのと比べると尚更。
居心地がいい若い子と遊んで結局二股で最悪だ。
「かもめ」を撃ち落として君のためにっていうのはニーナと一緒に意味わからんとなった。気持ちが離れたのはわかる。
でもニーナがコンスタンチンを避け始めたのはよく分からなかった。描写不足に感じた。
途中で怒って演劇投げ出したからか?
ニーナがボリスをまだ愛してるのも、またまた意味がわからなかった。
昔は気づかなくても、今もなぜ好きなのか。
自殺をしてしまうコンスタンチン。
これは二年前のツケが回ってきたのか。
銃で自殺未遂した彼を母も周りも深刻に受け止めてなかった。もっと大ごとになって、母親も自分の振る舞いを反省していれば。
ニーナも自分の夢に恋に夢中で、元恋人の自殺未遂を気にかけていない。
作家になったようだが、相変わらず母は酷評で周りの人たちも一緒になってる。
なぜか来たニーナ、に気持ちを伝えたが二股ボリスをまだ愛してるという。
彼がもっと自分を誇らしく思い自信があれば傷付いても立ち直れたと思う。
でも、本の酷評も失恋もつらいけど自殺への一押しは
最後に彼女が、
昔はよかったわね、シンプルだった
と言ったのを聞いたからかもと思った。
昔って思い出してみて…。
全然よくなかった。
彼女と違って、昔も今も変わらず最悪で、二年前のことを思い出して絶望して死にたくなったのかな。
つまらなくはないけど、見たいようなシーンを見せてくれない映画だった。
前半は見方がわからなかった。
彼の自殺は唐突さで衝撃を与えるもので、
長い前半は期待させて、後半の出来事を印象的にするためだろうけど、後半は物足りない。勝手な予想と期待で私が悪いけど。
唐突と感じるのが彼を私もちゃんと見てなかったってことか。彼の母を酷いと思いながら、若いなとか嫉妬してるとか繊細だとか、同じように感想を持ってみてる。
人を勝手に評するのってよくないと反省。
思い出しながら書いてるため、書きながら気づいたけど、
前半最後の盛り上げは、彼女に注目させるためか。彼女の美しさやその後に、注目してみるように演出されてた。シアーシャ・ローナンは適任。映画よく見る人は余計引っかかりそう。後半の物足りなさ「え?」でいいのか。
コンスタンチンに片想いしてるマーシャ?とか危なげで印象に残る。
みんなが一緒のとき、コンスタンチンだけいなくて、登場がしばらくない時もあるし。
最後の母親の表情がよかった。
彼女だけが一瞬心配したが、見に行かない。
そしてみんなは気にかけない。
監督の思惑どおりだとしても、好きな映画とは言えなくて評価が難しい。低くなりそう。
映画「明日、君がいない」を思い出した。
↑とてもよかった。
舞台を含めて、3回鑑賞していますが、正直申しまして、良くわかりません。でも、仰る通りでじわじわと感じるものがあると思っています。
共感ありがとうございます。