「95といえば」劇場版 RE:cycle of the PENGUINDRUM 前編 君の列車は生存戦略 bionさんの映画レビュー(感想・評価)
95といえば
めちゃくちゃ面白い。シリーズは未視聴だが、山田玲司のヤンサンで取り上げられていたからテイストはわかっていた。が、始まってみると、謎のペンギンのしぐさにキュンとくるし、アニメファンをポカーンとさせたと言われる『生存戦略』には、大興奮。ペンギン帽をかぶった陽毬に何者かが乗り移って「せいぞん、せんりゃくうううううううう!!」叫ぶのだが、山田礼司が解説していたように、小劇場ブームの頃に流行った演出。突然のナンセンス転換を知らない人には、新鮮なんじゃないかな。
丸の内線の駅名標とともにフラッシュバックしたり、シーンが複雑に切り替わっていく。ペンギン帽を被ったプリンセスは何者なのか、荻野目りんごが、姉の日記に書かれている事を「プロジェクトM」として実行しようとする動機は何なのか、この2つの謎を軸として物語は進んでいく。
シリアスなシーンとコミカルなシーンの緩急のつけ具合が絶妙で、ドキドキしたかと思うと笑いを堪えたりと忙しい。その間にも登場人物が増えて謎が深まっていく。ほれガエルにまつわる件はホントに面白い。
95という数字で運命がつながっている事が、明かされた場面では、心が締め付けられた。自分も使っていた路線で起きた事件なだけに、忘れることができない。
こんな面白いアニメを見逃していたのかと思う反面、劇場で初見で楽しむ機会が得られてすごく幸せ。後編が待ち遠しい。
追記
『銀河鉄道の夜』を読み直したら、また見たくなり2回目の鑑賞。後編は、号泣モードかも?
■銀河鉄道の夜に関してのメモ
ジョバンニ→主人公
カムパネルラ→ザネリを助けて死んでしまう
ザネリ→ジョバンニをラッコの上着でからかう
苹果→『銀河鉄道の夜』ではこの漢字が使われる
※中国語では、ピングと発音する
蠍→自己犠牲の暗喩