「よく構成されていて見やすい作品」劇場版 呪術廻戦 0 杉本穂高さんの映画レビュー(感想・評価)
よく構成されていて見やすい作品
乙骨憂太は本編の虎杖よりもわかりやすく主人公しているなと思った。彼が何を目的とするのかが、最初のエピソードで具体的に描かれ、どうすればゴールなのかも明確になっている。緒方恵美さんの芝居もあって、とても魅力的なキャラクターに仕上がっている。緒方さんが過去に演じてきなキャラクターのペルソナも匂わせつつ、でもそれはいい意味で作品にプラスに作用していると思う。
最初の小学校での呪いと遭遇するエピソードで彼の問題意識と目標をはっきりさせ、商店街で棘との共闘で成長を実感させ、最後の百鬼夜行で主人公の強さを見せて、呪いの解呪というゴールにいたる。見事な3幕構成で主人公の成長とゴールをまとめている。それぞれに派手な戦闘シーンを用意して、娯楽作品としてしっかりした出来栄えだった。
五条と夏油のエピソードを原作本編から持ってきて、ドラマの補強も行い、京都高や七海など、本編のキャラも登場させてファンの満足度を高める。意外性などは特にないが隙のない構成だった。
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