劇場公開日 2023年1月20日

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エンドロールのつづきのレビュー・感想・評価

全103件中、81~100件目を表示

4.0ちょっと悪たれだがひたむきなインド人少年(天才肌)の映画道。カレー好きの皆さんもぜひ!

2023年1月22日
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鑑賞方法:映画館

まあたしかに、インド版『ニュー・シネマ・パラダイス』って触れ込み通りの映画ではあるわけだが、あまり『ニュー・シネマ・パラダイス』みたいなのを期待すると、なんとなく思っていたのとは違うってことにもなりそうな気も(笑)。

まずもって、どちらも映画に「夢」を仮託した映画であることに変わりはないが、
『ニュー・シネマ・パラダイス』が基本「ノスタルジー」の映画であるのに対して、『エンドロールのつづき』は、むしろ未来を見据えた映画だということができる。
すなわち、前者における映画は、過去へとつらなる郷愁と懐かしさの漂う文化的遺産の側面が強いのに対して、後者における映画は、技術革新と科学の成果物であり、理系的才能が田舎を脱して世界を目指すためのよすがとして描かれている。
映画は、少年を過去ではなく、未来へと導いてくれる近代文明の灯なのだ。

それから、どちらも少年と映画技師との心の交流を描く映画ではあるのだが、
『ニュー・シネマ・パラダイス』の技師アルフレードの場合、少年トトにとっては明快に「父親代わり」の役割を果たしていたのに対して(トトの父親は戦争に行って行方不明になっていて、そのうち戦死認定が下される)、『エンドロールのつづき』の技師ファザル(なんか見覚えのある顔だと思ったら、チャールズ・マンソンによく似てるんだな、この俳優ww)は、少年サマイとはギブ&テイクの共犯関係にある「同志」に近いような存在だ。
サマイには、厳格ながらも愛情深いチャイ売りのお父さんがちゃんといて、「父と子」の話はそちらで十分に出てくる。少年に村を出ることを諭して送りだすのも、『ニュー・シネマ・パラダイス』ではアルフレードの役割だが、本作ではお父さんの役割だ。
ファザルは、「街に住む叔父さん」とか「趣味の先輩」のような存在であり、ラストで「サマイがファザルを救う」ところなんか見ても、じつは「対等」に近い関係なのでは、と思えてくる。少なくとも、サマイがファザルに「依存」したりしている気配はまったくない。

あと、どちらも映画狂の少年が映写室に入り浸って、さらに映画にのめりこんでいく話だが、
『ニュー・シネマ・パラダイス』のトトが純粋に「映画」それ自体が大好きなのに対して、『エンドロールのつづき』のサマイは、映画の内容以上に「仕組み」のほうに興味を持っている「技術者」肌の天才少年だ。
いっとう最初に彼が、映画館で「映画にハマる」際に、まずはいきなりスクリーンの白い布を触りに行き、そのあと「映画の映るスクリーン」ではなく、ただひとりだけ観客とは「逆向きに立って」、多色の光線を発している「映写機」の方を凝視していたあたりに、彼の真の関心が奈辺にあるかが窺い知れる。
このあと、サマイは順調に「映画自体の魅力」にもはまっていくのだが、「映画好き」としての衝動が駆り立てる先が「映写機づくり」だというのも、やはりサマイの一風変わった特質を表している。
彼の心をわしづかみにしたのは、なによりオプティカルな仕掛けとしての面白さ――光の魔術だった。彼の映画とのかかわりかたの基本にあるものは、監督のそれというよりは、エジソンやリュミエールのような「発明家」のそれだ。

もう一点、一番観客の印象を左右しかねない「相違」がある。
どちらも子供たちの姿を描いた「児童映画」ではあるが、『ニュー・シネマ・パラダイス』のトトが純朴でいたいけな愛らしい少年だったのに対し、本作のサマイははっきりいって悪童である。
悪さもすれば、不法侵入もするし、盗みもする。しかも、えらくナチュラルに。
怒られても、あまりこたえていないというか、へこたれない。
その意味では、むしろフランソワ・トリュフォーの『大人は判ってくれない』に近いジャンルの映画なのかもしれないし、悪童たちが自転車で疾駆するシーンは、同じトリュフォーのデビュー短編『あこがれ』(原題は「悪たれたち」)を明らかに意識した演出だと思う。
ただ、「孤児だから」とか、「貧困だから」というような、観客を納得させてくれる切羽詰まった理由があるわけではなく、「まあ子供だったらこのくらいやるよね」くらいのノリで悪事をどんどん積み重ねるので(笑)、このへん「なんだこの悪ガキども?」となってしまうお客さんが、日本ならいてもおかしくない。
まあ、突き詰めて考えると、結局はお国柄の相違なんだろうなあ。
日本のやんちゃな子供が出てくる「児童映画」というと、小津安二郎の『おはよう』なんかが思い出されるが、ガキどももここまでの無茶はしてなかったもんね。
幼い頃から、泥棒行為がふつうに行われているからこそ、この映画に出てくるような、鑑別所というよりは一定期間子どもに罰を与える拘禁施設みたいなのが存在するわけで。
私は、どちらかというとふだんはスペインの『ザ・チャイルド』とか、あの悪趣味きわまる『ベター・ウォッチ・アウト』とかを腹を抱えて笑いながら観ているくちなので、しょうじきあまり気にしませんが。

サマイのぶっ飛びぶりというか、振り切れた行動力というのは、ある意味、天才ならではのアスペっぽさというか、若干発達っぽい部分があるような気もする。
自分も、京都の某有名塾に小学生のとき通ってたことがあるけど、特進コースとかにいるんだよね、まったく悪気なく、面白いからというだけの理由でろくでもないことばっかり思いつく頭のいいやつって(笑)。ちょっと、道徳観念が「面白さ」の追求に負けてるやつ。
サマイの場合、「映画が好き」だから、「好きこそ物の上手なれ」で成長していったというよりは、「もともと溢れんばかりの才能があって、その矛先が映画に向いた」タイプだと思う。
街の悪童たちのあいだでも、リーダーシップを発揮しているのは常にサマイだし、マッチを使ったお話の語り聞かせとか、もともとやっている「遊び」自体が独創的だ。
だから、彼は目的達成のためなら、平気で盗みもやる一方で、映画館の外装を塗り替えるような「善行」もする。彼のなかで、「善い悪い」は、じつはあまり重要ではないのだ。
もともと、その手の「道徳的な回路」でものごとを判断していない。
あふれる才能と決断力が、彼をつねに前へ、前へと衝き動かしている。
そういう人間だからこそ、「自前で」映写機を作ってしまったり、「自前で」村の子どもたち相手に興行を打ってしまったり、古い映写機とフィルムが捨てられると見るや、トラックを追撃して処理工場まで追いかけていったり、といった凄いことがさらっとできちゃうわけだ。
逆に言うと、彼は「英語と数学を身につけて、新しい映画の世界に対応するため」なら、「良い子」に自分の意志で変貌することができる。
サマイには、目的達成のためには、「善い事をしていたほうが、最終的には近道なんだ」と気づけるだけの「頭脳」がちゃんとあったということだ。よかったよかった。

映画としては、「泣かせる」ことを目的に手練手管を使ってくるようなことをしない、どちらかといえば、淡々として落ち着いた映画であると思う。
そのへんも、モリコーネ・ミュージックと情緒的な台詞で、徹底的に泣かしにかかってきた『ニュー・シネマ・パラダイス』とは、映画作りの方向性がかなり違う。
だから、観て「めちゃくちゃ感動した」といったタイプの映画では全然ないし、そこに期待しすぎるとたぶん肩透かしを食らうことになる。
かわりに、インドの風俗や映画カルチャーの受容のされ方、子供たちの生活ぶりなどが、とてもわかりやすく描写されているのが、ひとつの見どころとなってくる。
この「わかりやすさ」は、明らかに「他者」(非インド人)の視線を意識したもので、本作が必ずしも国内の映画ファン向けに作られたインド映画ではなく、世界公開・配信を念頭に置いて作られた作品であることを示している。
駅の売店でチャイを売る父親とそれをカップと急須をもって売りに行く子供とか、
野生のインドライオンを観察しにいく子供たちとか(生で観られるとかうらやましい!!)、
映画館内で歌ったり踊ったりと、かなりライブ感のある観客たちの姿とか、
サマイの弁当とか、体の洗い方とか、学校での様子とか、貸しチャリとか、その辺に停まってるフクロウとか、いろいろ面白すぎて追いつかないくらいだ。やっぱり、インド、異文化すぎる。

とくに「食」に関するシーンは、ふだんインド料理にそれなりに親しんでいるぶん、観ていてとにかく興味深かった(自慢じゃないが、僕は東京のカレー百名店のうち98店、エスニック百名店のうち70店に訪店済みのカレー愛好家である)。
ちょっと広瀬アリス似の美人お母さんが、クッソ美味そうなナスのカレーやオクラのカレーや包み揚げを丁寧につくるシーンが何回も何回も出てくるのだが、あれはマジでヤバいね。てか、監督これやりたくてこの映画作ったろってくらい、食事をつくるシーンに力が込められている(そういや、昔インドの弁当屋の映画があったな)。
インドでは外で料理つくるんだとか、ハーブが普通に植えられててそこから葉っぱこそぎ取って使うんだとか、「マジで右手しか使わずに料理つくらないといけないんだ」とか、観ていていろいろ勉強になる。インドで、「すりつぶす」系の調理法が発達してるのも、右手しか使えないことが影響してるのかもなあ。
もちろん、食べるのも手食。そういや、ついこのあいだ手食推奨の祖師ヶ谷大蔵の某カレー屋にいったら、真正面で青年が手でいってたが、おじさん気が弱くてスプーンで食べてしまいました。今度こそ、手食に挑戦してみないと(一緒に出てきた水が、飲用なのかフィンガーボールなのかわからなくて口がつけられなかったというw)

スプーンといえば、廃棄された映写機とフィルムの廃品加工のシーンも、映画全体のバランスを崩しかねないくらいに力を入れた形で扱われていた。
さすがにインドだからといって、あんな子供がうろうろしていて怒られないはずないので、あのシーンは一種のファンタジーというか、サマイを案内役とした「工場見学のドキュメンタリー」がああいう形で挿入されていると考えたほうがいいだろう。
あのシーンには、娯楽産業の「儚さ」や、過ぎゆく時代への憧憬といった感情もたしかにこめられているだろう。でもそれだけじゃなくて、逆を辿れば「映写機」も「フィルム」もたかだか「モノ」であり、人間の力で加工して作り上げられた「製品」なのだ、という思いも同様にこめられている気がする。
すなわち、古くなった映写機とフィルムはリサイクルをへて、新たな「製品」に生まれ変わった。では新しい映画機材はどうすればいいのか。それは、また「作ればいい」のだ。そして、使いこなせばいいのだ。
重要なのは、古いものにこだわることではない。
それを作り上げられる人間の確かな技術力と、新たなイノベーションを生み出せる発想力こそが「真の宝」なのだ。

古いものをいつまでも惜しまず、新たな技術革新にアジャストしていこう、という考え方は、ラストでのサマイの姿にも、どこか通底しているように思われる。
涙、のち、笑顔。
これが、強烈な男尊女卑と階級社会を内包しながらも、理系大国・技術大国でもありつづける、インドという独特な国の底力であり原動力なのだろうな、とふと思った。

(以下、ラストのネタバレです)

ラストで流れる声。
子供のサマイが口にする「偉大な監督たち」の名前は、みなインド人だ。
だが、大人の声になったサマイの口からは、世界中の偉大な監督たちの名前が、つぎつぎとこぼれだす。そのなかには、小津も黒澤もいる。なんでか勅使河原宏まで(笑)。

そう。
たしかに、彼は村を出て、世界を広げたのだ。
そして、映画の正統な歴史を学ぶことができたのだ。
大人になったサマイの声は、もしかして監督自身の声?
たぶん、そうなんだろう。
そしてエンドロールのあとからは、この映画が始まる、というわけだ。
ほんのちょっとした名前の「羅列」だけで「その後」のすべてを暗示する、なかなかにうまいラストだと思いました。

ちなみに終わり方は、なんかベルイマンの『仮面ペルソナ』みたいだったな(笑)。

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じゃい

2.5サマイ君とても可愛くて広瀬すずっぽかった。

2023年1月22日
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インドの少年が映画作りに憧れる話。どうしてもニューシネマパラダイスと比べてしまうよな。残念ながら予想と違い、感動よりもモヤモヤな2時間でした。
サマイは父親の手伝いで駅でチャイを売っている。ある日。映画嫌いな親と一緒に観た映画に興味をそそられ、もっと観たいと行動を始める。こら!チャイの売り上げ盗んで映画館行っちゃダメだろ!それも学校さぼって。あら、盗まない時は忍び込んで観てた。そりゃ見つかって追い出されるよ。つか、何度目だったの?と思ったら、運命の人に遭遇。はぁ?弁当と交換に映写室からタダで観せてあげる?それバレたらやばくね。その後もフィルム泥棒したり、ゴミ泥棒したり、やばい事ばかり。警察も緩すぎ。
何より嫌な感じは、現代なのにインドの社会が汚すぎる所。建物、乗り物、道路、鉄道、まるで100年前かと思えるほどボロボロ。母親が料理するキッチンは家の外側で地面に座って素手でぐちゃぐちゃ。国によって文化は違うのは分かるけど、インドって貧富の差凄そう。それに、英語ができないと新しい仕事できないんだ。何じゃそれ。
サマイが友達とやってる事は、映画を作るって感じゃなく、機械を作って楽しむ事。ストーリーに影響受けたシーン無いんだもん。モヤッ。
最後も時間全然無いのに、沢山の知り合いに見送られる。どうやって?サマイはインド映画ばかり観てたのに、世界中の有名監督の名前。伏線なし?
全てが納得いかず残念でした。

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涼介

3.5キラキラキラ

2023年1月22日
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宝石箱のような映画でした。
光に興味のある主人公の視点で映される色とりどりの風景映像や
子供たちの好奇心、探求心、創造力
インドのカラフルな雑貨、
美味しそうなご飯にチャイ、
Galaxyという名の映画館。
色々なものがキラキラしていて、
観終わったあとにじんわり心に残っていて
ああ、良い映画だったなあと思いました。

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I am R.

3.5見ているとき なんか社会科見学みたい って思って、 見終わったとき...

2023年1月21日
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見ているとき

なんか社会科見学みたい

って思って、

見終わったとき

あれ?これってインド映画だったよな?

って思った

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jung

3.5廃棄フィルムが生まれ変わると

2023年1月21日
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 上映前にパン・ナリン監督とこがけんのトークショーで期待値が上がる上がる。映像のクオリティは間違いなく高いし、ダンスも大仰な演技もないし、映画愛も伝わってくるんだけど、なぜか感動までは至らない。

 盗む行為に引っかかったかなぁ。映写技師とのふれあいはよかったんだけど、感情移入するところまではいけない。

 こがけんが飯テロムービーって紹介していたけど、これはホント。グジャラート州は、ベジタリアンが多いらしいんだけど、肉を使わないかわりにスパイスを使って油で揚げた野菜が美味そうで、ヨダレがこぼれそう。インドのオクラ料理は必見です。

 最後は、キレイにまとまってましたね。廃棄フィルムが生まれ変わり先にビックリです。

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bion

4.0とてもよかった

Mさん
2023年1月21日
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のだが、最後まで今一つ主人公の男の子を好きになれなかった。

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M

3.5好きって、凄いな。

2023年1月21日
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わくわく感が、私にも伝わって。

まあ、やんちゃなところは😅ね。

好きって、大切

好きって、残酷

腕輪を、見るたび思い出しちゃうかもな。。

居場所が見つかるまでは、人生に違和感を感じながら、ここじゃない、これじゃないってね。

でも、見つかると。

あっ、この人生だったと腑に落ちる。

子供の頃に、見つかるのは苦しくて長くて残酷かもだけどそれは幸せという言葉にもなる。。

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ムーミン

3.0ニュー・シネマ・パラダイスとは違う。よく言えば、洞察心を問うツウ向け作品。

2023年1月21日
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幸せ

悪くいうと、イマイチ捻りがない、スタンドバイミー的な・・・
インドのかおり🇮🇳はのどかで良い。ただし潔癖症の人は若干引いてしまう。

フィルムのアナログ映画🎞からデジタル化へ。

そうだよなぁ、結構つい最近まで、映写室あった感覚・・・

映画へのノスタルジーと、自立の少年、
チト自立早すぎる・・とりあえず大学行けば・・・

あと、私もテレビ番組で知っている
インドの昼食事情・・基本、勤め人は後追いで運送屋に頼んで家庭の弁当見たいのなんだよね

子供なら手弁当だろね。インドカレーは日本のカレーと違うから
ある意味独特、興味深い

少年の映画製作者での大成を願う。

登場人物は踊っていないが、やっぱり劇中映画、と観客、技師は踊ってた【笑😊】

時代の変化とノスタルジー、スタンドバイミー インドの情景 を観る作品

名画座的だし、遠征した。慣れない映画館は疲れるねぇ。

まあ予想とおりで、未満でも、超えでもない小作品佳作。

劇場、限定販売の【登場人物の少年にちなんだ、チャイ☕︎】は甘くて美味かったヨ。

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満塁本塁打

4.0エモい!

2023年1月21日
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パン・ナリン監督の行き過ぎた(ホントに行き過ぎてる!)映画愛を描いたまさに「エモい」作品。
映画の基礎原理から始まって、映画史に残る監督たちへのリスペクトとオマージュが溢れ、泣ける!映画になっている。
ママの料理も美味しそう!

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ぱんちょ

2.0映像詩みたいな感じ

2023年1月21日
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歌って踊るインド映画のステレオタイプとはかなり違う作品。どちらかというとテレンス・マリックとかタルコフスキーみたいな。
映画祭に出品しそうな作品なんだけど、いまいち質が高くない。感性の鋭い切り込みが足りない。

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CR7

3.0まぁ、期待外れの映画と言ってもかまわない。

2023年1月21日
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鑑賞方法:映画館

 どうしても名作「ニューシネマ パラダイス」との比較となってしまう。そのためか、映画に魅せられた少年というより映画フィルムに魅せられた少年のような造りとなっているが、それは考えすぎか。

 私が少年の頃、映画に魅せられたのはスクリーンに現実とは全く違う世界が展開していることに驚いたからだ。

 好みは人それぞれだから構わない。ならば、もっとフィルムに取り憑かれた魅力を語って貰わないといけない。フィルムが女性の装飾品に変わっただけでは納得できない。ニューシネマパラダイスには到底比較できるような作品ではない。

 インドでは成功するには、英語が話せないと駄目だとわかった。映画で話されている言語は何だろ。ベンガル語? 今年68歳となるが、まだ英語が勉強したいと思っている。

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いなかびと

3.0「志」の高さが「物語」に結び付いていない

2023年1月21日
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もっとほのぼのとした話なのかと思っていたら、終盤に向かうにつれて重苦しい雰囲気に包まれていくことに戸惑う。映画への愛というよりは、フィルムへの郷愁と哀惜がテーマだったとは・・・
実際、映写技師が「物語が大切」と言っている割に、主人公の少年の興味は、物語を作ることよりも、フィルムを映し出すための「光」に向いているように思える。それは、劇中、少年自らが、度々口にしていることでもあるし、自分達で映写機を作ってしまったのも、そうした理由からだろう。
少年の夢は、映画製作者になることではあるが、これだと、将来、監督や俳優ではなく、撮影や照明などの技術者になるのではないかと思えてならない。(それは、それで、良いことなのだが・・・)
どうしても、「ニュー・シネマ・パラダイス」のようなハート・ウォーミングな話を期待してしまうが、貧困とか、窃盗とか、収監とか、体罰とかも描かれるため、どうしても重たい話になってしまう。コメディー・タッチの場面もあるにはあるが、笑うに笑えず、かえって困惑してしまう。何よりも、脚本と編集が雑で、話がぶつ切りになり、うまく転がらないところは気になる。
映写機やフィルムが処分され、スプーンやブレスレットに再生されるのは良いのだが、工場見学のようなシーンが延々と続くのはいかがなものか?クライマックスの旅立ちも、突然のことだったのに、あれだけ多くの知人・友人に見送られるのは不自然ではないか?
「志」は高いのだが、それを説得力のある「物語」に昇華させることができなかったのは、残念としか言いようがない。

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tomato

5.0一般的なインド映画と違うので注意。でも良い映画。

2023年1月20日
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今年23本目(合計676本目/今月(2023年1月度)23本目)。

一応、カテゴリ的にはインド映画になりますが、「インド映画あるある」の、左下の謎の警告表示や、謎の長文表示(多分、たばこを吸っちゃダメよとか)等は一切ないというところです。

特集や他の方も書かれている通り、「ある事情で映画を見ることができなくなった子が、特別な方法を思いついて映画を「作る」ことを思いついて実行したら…」という趣旨の映画です。

映画の趣旨上、映画の中で(映画のテーマとなる映画館で流れている、実際の?)インド映画の事情や、インドにおける映画の見方(マナー?)を知ることができてよかったです。具体的には、

 ・ 気候的な問題なのか、扇風機が常時ぐるぐる回っている(コロナ事情はとりあえず度外視)
 ・ 「それ行け!」とか何とか叫びたい放題
 ・ (映画では「たばこはやめましょう」とか謎の表記が出る割に)タバコを吸いながら鑑賞
 ・ 「座ってみる」という文化がないのか、みんな立って応援の嵐(日本ではいわゆる、今よくある「無発生応援上映」が趣旨的には近い。コロナ事情なので完全に同一ではない)

 …といった部分です。
実際、「映画内の映画館で流れている映画」も、インド映画ならよくありそうな映画で(架空の映画か実際の映画かは謎)、そこそこ怪しい行動(バイクの二人乗りとか)をやっているのにインド映画「お得意」の謎の警告表示は一切なし。最近、この「謎の警告表示」、まったくみなくなったのですが、現地では規制が緩和されたのでしょうか?

 特に減点対象とするところが見当たらないのでフルスコアにしています。
公式のツイッターアカウントでは、「映画に恋に落ちた「映画タイトルを」(特定のハッシュタグをつけて)投稿すると抽選でプレゼント」というキャンペーンをやっていますが、この映画は結局のところこのキャンペーンに象徴されるように「映画への恋・愛情のありかた」(恋愛的な意味ではなく、「映画愛」というもの)が論点なのだろうと思います。

 「その意味で」、よく映画に行かれる方には「自分が本当に好きな映画って何だろう?」と考え直す機会になるのでお勧めです。
上記にも書いた通り、インド映画よくあるの「謎の警告表記」やらなにやら(もっといえば、インド映画でよくあるダンスシーンなども基本的になし)なく、「インド映画の体裁をとりつつも、それらの要素がないか少ない、インド映画入門編」としても推せます。

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yukispica

3.0途中まで現代の映画ってことを忘れてました

2023年1月20日
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スタンリーのお弁当箱もそうですが、インド映画のお弁当はなんか美味しそうですね。
少年の演技が素晴らしく、あの展開になるまで昔の時代設定だと思ってしまいました…そのくらいインドの田舎は貧富の差が激しいということですね。

しかし、少し期待し過ぎたようです

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ひらっち〜

5.0映画好きなら絶対映画館で見て!

2023年1月20日
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光の魔術=映画への愛にあふれている。光がほしい、手に入らないあの光。ならば自分の手でつかみ取ればいい。
光を求めた、貧しいがたくましい少年の物語。
名作ニューシネマパラダイスよりもシビアな映画愛の傑作。

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ごまめ堂

3.5もっと感動したかった。残念

2023年1月20日
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中盤までは良かったけど、フィルムからデジタルになる時代を妙に批判的に描いていたシーンが長過ぎ。ましてや主人公からしたら未知の映画の世界に飛び込むのにいつまでもフィルムにこだわり続けるのもかなり無理があります。これさえなければラストの旅立ちでもっと感動出来た気がします。

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Yoji

3.5フィルムも技術も生まれ変わる

2023年1月20日
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ニューシネマ…みたいなのを期待していたら、これまた変わった切り口…母のカレー(?)材料ミックスのシーンといい、マテリアルに拘った作品
盗みには感心出来ませんでしたが、子供達で寄せ集め機材のミニシアター完成、カラフルな腕輪、お別れの際の両親にはほろりときてしまいました

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ゆう

3.5今年1作目

2023年1月20日
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鑑賞方法:映画館

泣ける

単純

幸せ

みんなに勧める!ってほどでは無いけど安心して観られる。
少年の純粋な心がなんか映画ってやっぱり良いよね。という気持ちを思い出させる。
今の大衆向けハリウッド超大作!!笑な映画もいいけど、いい映画って沢山あるよね。
朝イチで見ても夜見てもなんだかいい気分になれる映画だと思います。

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きゃりー

2.0ちょっと物足りなかったかな

2023年1月20日
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正直言って公開初日とは言え観客の多さには驚いた。日本ではインド映画というのはなかなか見る機会が無い映画である。本作はかなり注目されていると言って良いだろう。
インド版のニューシネマパラダイスを謳っているだけあって、やはり少年の映画にかける情熱は良く伝わりました。
ただし旅立ちまでの話までしか描かれていなくて、大人になってからの話が無いのでちょっと物足りないなかったかな。大人になってからの感動のエピソードがあれば星4くらいの映画だと思います。

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canghuixing

5.0光が物語をつくり、物語が映画をつくる

2023年1月17日
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うん、素晴らしい
インドの片田舎で裕福ではない家庭に育つ男の子が、たまたま訪れた劇場で映写機の光に魅了されて映画の道を志し、仲間達と万難を乗り越えていく、パン・ナリン監督が自分の来し方をフルに投影した物語

今日の試写会は監督のトークショー付き、世界を回ってのそれぞれの地域での反応や、作品に投影したいろんな出来事を懇切に説明してくれてとても得難かった

主人公サマイは自分の力で道を切り拓いてきた、だから、世の中で普通とされるフォーマットになびくような人間ではない、ということで、インド映画だけど歌も踊りもない、とかなんか深いしなるほど感しかない

監督最後に、たぶん映画館の意味で「Keep cinemas alive」って言ってて、これは本当にそう思う、光が物語をつくり、物語が映画をつくる、ぜひみなさん劇場でご覧いただきたい

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sysr
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