「【民族紛争の壁を、最初は小さな共鳴でも"クレッシェンド"のように徐々に強い共鳴に変化させ、乗り越える未来を願う作品。ラストシーンは特に琴線に響く作品である。】」クレッシェンド 音楽の架け橋 NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【民族紛争の壁を、最初は小さな共鳴でも"クレッシェンド"のように徐々に強い共鳴に変化させ、乗り越える未来を願う作品。ラストシーンは特に琴線に響く作品である。】
- イスラエルとパレスチナの若者達がオーケストラを結成、対立を乗り越えコンサートに向けて合宿する姿を描いたヒューマンドラマ。
今作品は実在するユダヤ・アラブ混合管弦楽団をモデルにしている。
世界的指揮者、エドゥアルト・スポルクは、和平を目的に敵対する若い演奏家達を集めるが・・。-
◆感想
・バイオリンの腕は一流だが、コンマスに選ばれなかったイスラエル人の尊大なロンとコンマスに選ばれたパレスチナ人のレイラの反目する姿。
・スポルクは彼らを団結させる為に、南チロルで二週間の合宿を行う。
- 最初は反目するイスラエルとパレスチナの若き奏者達。だが、ドイツ人のスポルクの哀しき過去を聞き、徐々に打ち解けて行く。スポルクのイスラエル人とパレスチナ人との軋轢を乗り越えさせようとする手法の描き方も面白く、この合宿のシーンがとても良い。そして、人種の憎しみを超えて、恋に落ちるバレスチナ人のオマルイスラエル人のシーラ。だが、二人を襲った悲劇・・。
<事件に依り、コンサートは中止される。が、空港の待合室のテレビに映ったオマルを見たロンは立ち上がり、ガラスの向こうのパレスチナ人の仲間達に向かい、バイオリンを奏で始める。それに呼応するように、レイラも演奏を始める。そして、最後は全員が立ち上がり協奏曲を奏でるシーンは素晴らしい。イスラエルとパレスチナの民族紛争は簡単には、終息しないだろう。だが、あのラストシーンには、両国の未来に微かな希望を感じた作品である。>
NOBUさん、コメントありがとうございます。日本ではあまり報道されないパレスチナ問題が、検問所の尋問のように、当事者にとってはつらい日常であることを改めて実感しました。
NOBUさん、コメントありがとうございます!そうですね、ジャンルで音楽聞いてる訳ではありませんね。義太夫のあるものは私にとってロックです。長唄では「紀州道成寺」なんかは激しい女のロックなんです。それが「邦楽」という括りになった途端、楽しんで聞いてもらえる対象にならないとしたら残念だなと思ってつらつらと書きました。色々考えるきっかけ頂きました。ありがとうございます。