テーラー 人生の仕立て屋のレビュー・感想・評価
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生真面目おじさん 人生の危機から怒涛の大展開(ただし個人レベル)
そうそうヨルゴス・ランティモスみたいなのが出てくるわけないのだけど。
父親との関係、ご近所一家との関係、売れ行きと差押がどうなるか、お客たちとの関係、と軸がいくつもあるけど、結局はあの食卓シーンが1番ハラハラドキドキした。娘のイライラは、ニコを取らないでなのかと思ったら、ママを取らないでなのか。何してたって反則級の可愛さですが。
お客さんも突っ込んだら色々面白く発展しそうな人たちだとは思ったけど、そこに主眼は置かれず。結局はニコの物語。
外国の文脈
堅物の職人が已むに止まれぬ事情で業務改善に取り組む。
これだけなら日本でもありそうな話だが職人の矜持が日本とは違うように感じた。
軽いエロが散見されたが不倫?想像の中?も淡々と描かれていた。
素直に取るなら人生謳歌ですかね。
もっとドラマチックな映画にできたような
好みの問題はありますが、もっと盛り上げられるポイントがいくつもあったように思います。淡々と、ほぼドキュメンタリーなみの平坦な仕上がりになってます。主人公が作るドレスには紳士服のノウハウが生かされているとか(無いのかもしれませんが)、隣の奥さんの役割とか(いなくなって大丈夫なのか、そもそも必要なかったのか)とか説明不足な点が気になりました。もしかするとそこが良い点なのかもしれません
踏み出すチャンス
主人公は新しい人生を歩むチャンスをもらったんだね。
お父さんの後を継ぐ人生が自分の人生を歩くチャンスをうまく掴んだ。うらやましい。
恋が実らなかったのは残念だけど、その分花嫁さんの幸せを願ってドレス作ってくれそう。
応援したくなる映画
好きです!
冒頭の約10分のセリフのないシーンで、
ニコスの誠実さ、テーラーに対するこだわりが凝縮されてて、
一気に心惹かれました。
洋服を作ることが好きですので、余計に楽しめましたし、
ギリシャの街並みも、広場にディスプレイされた、無防備なウェディングドレスの画も、とてもステキです。
そして、お父さんとお友だちのスーツ姿が、ものすごーく格好良い。
自分が男だったら、オーダーメイドのスーツ、絶対に着たいっ!
隣のオルガとのやりとりも、もどかしく感じつつも、
オッ!とはなりましたが、そこは、上手くは運びませんね。
おしゃまなヴィクトリアちゃんは、ニコスが初恋の相手なのかな?
心が温かくなる人生のお話でした。
終わり方
親子2代で切り盛りしてきたテーラーが借金のため立ち行かなくなり、加えて父親が病に倒れたため、息子ニコスは事態打開のため移動式テーラーを始める。ところが、舞い込んだ注文はウェディングドレス。ニコスは期待に応えようと奮闘する。
ニコスの寡黙でちょっと気弱そうなというか、奥手そうというか、やや頼りない感じは、なんとなく母性本能をくすぐるものがあり、見ていると応援したくなる。また、仕立ての音をBGMに絡めたり、凝ったカメラワークを使ったりする辺りが映画として好ましい。ただ、ストーリーの着地点がよく分からず、なんとなく尻切れトンボのような、え、結局最後どうなったの? みたいな終わり方がスッキリせず、ちょっともったいない。
テーラーとは
紳士服の仕立て屋のことを一般的に指すんだろう
しかしながら、ジェンダーレスを視野に入れれば型を起こす事を生業にしていた本来的なテーラーとしては、何も紳士服に拘る事はない
言葉少なに主人公は淡々と過ごしているが、おそらくはそういう境地だったのだろう
台詞も映像も多くは語らないので観る側に想像させる映画ではあるけれど、現代に必要な映画だと思った
人生の仕立て屋という副題が素晴らしいです
セリフやが非常に少なくモノローグもないので、その分見るものが自ずと周りの音や風景、他の登場人物のセリフや表情などをよく観ざるを得ない
それが奏功していると思う
見る人それぞれが解釈や感想を持てる
主人公の淡々と、でもすることをやる決断力がじわっと沁みていく
ウエディングドレスで女性の人生を仕立て
移動式のウエディングドレスの仕立て屋として自分の人生も仕立てていく
見てから1週間経ちますが、印象深い映画です
良いも悪いも
全編を通して、1人の仕立屋のエピソードを流していくのですが、良いも悪いも盛り上がりが無いです。ウェディングドレスを初めて作ってもそんなに感動の物語は無く、隣の奥さんと浮気をしても大騒動にもならず、最後は屋台からトラックに変えて商売を続けていると言う山の無い終わり方。少し残念です。
無口な男の起死回生物語
ギリシャで老舗テーラーを営むニコスは経営難に陥る。危機を脱するために、移動式テーラーを始めることにした。営業している途中で、ウエディングドレスを仕立ててほしいと住民の女性に声を掛けられ、悩んだ末、引き受けることになる。しかし、女性の服を作ったことがないニコスはお向かいさんの母オルガと娘ヴィクトリアの力を借りて、経営を立て直してゆく。
とにかくオシャレな映画でした。ファッションデザイナーを目指している人におすすめです。ヴィクトリアとの交流は紙の船に書いた文章をロープウェイみたいに文通していたり、スーツでバイクにつなげた屋台で走るシーンはユニークでした。
しかもちょっとしたお色気シーンやオルガとの不倫、それに嫉妬するヴィクトリアといった、ロマンス・サクセス・ノスタルジーな要素が盛りだくさんの映画でした。
ラストは最初のテーラーの看板がちょっとした伏線になっています。
じんわり染み渡ってくる
特別な出来事が起きる訳でもなく、ハラハラドキドキするようなやり取りがあるのでも無い。
正直、ヒットする要素は無いし、国内配給元の松竹が何故版権を買い取ったのかも分からないくらい地味な作品。
ただ、刺さるモノは無いのだが、全体に流れる空気感が鑑賞後、時間が経つごとにジワジワと心地良さをもたらして来る不思議な作品。
人が幸せの象徴として感じるウェディングドレスが題材というのが良かったのかも。
また、アテネに限らず、こんなやり取りが今日も世界のどこかの街角でなされているのだろう、という日常感も良い。
手に職があることは、強いのだ!
日本の街から、職人がいなくなって久しい。
手に職がある技術者には、生きていく術が、未来があることを気づかせてくれる。
国家資格などじゃなくていいんだよ。
料理、野菜、魚の直売、裁縫、は車の運転よりも価値がある。
日本の未来のためにも
こういう生き方、暮らしができる社会がなくってはいけない。
街中に職人が、ささやかでいいから暮らせる社会は、活気があっていいなぁー。
などと、歳とると強く思う、思わせる映画です。
ニコス幸せになってくれ❗️
足踏み式ミシンの音で始まった
どうやら音に敏感な主人公らしい
ミシンもバイクも日本製で
楽しいドラマかと思ったら、大人チックだったのね
#75 隣の主婦との関係性
がイマイチわからなかった。
彼女のデザインのおかげでウェディングドレス作りがうまく行ったのに、結局最後はどうゆうこと?
お互い落ち着くところに落ち着いたということか?
子供の気持ちは理解できたけどね。
ギリシャ映画初体験でギリシャの文化がよくわからないからオチも理解できないのかな?
エンディングロールでギリシャ系テニス選手と同じ苗字の人がいないか最後まで頑張って探したけど全くヒットせず。
TsitsipasとかKyrgiosとかKokkinakisとかいう姓は稀なのか。それともギリシャの苗字がバラエティに富んでいるのか?
思ってたよりビター
トレーラーで見せたふわっとしたファンタジックなお話ではなく、思ってたよりビターな人生賛歌でした。
でもそれは決して悪く言ってるのでなく、ちゃんと世の中と向き合っているように感じました。
格式を重んじる仕立て屋が窮地を脱する為に、そして何より自身の世界を広げる物語。
それは実に緻密な作りで序盤は単調な毎日を描き、色調も抑え台詞も少なく寧ろ仕事の音(布をこする等の生活音)ばかりを印象付けます。
日本でもですが、昔からの職人は時代に取り残されてしまい、その技術や心が途絶えてしまっているのが寂しく思います。
まさにそんな現代社会を描いた作品。
しかし視点を変えることで彼はその窮地から抜け出して行くんですね。
徐々に絵面はギリシャらしい鮮やかな色合いになり、笑顔も多く映るようになっていきます。
気がつくと彼は携わる人々の人生を仕立て上げ、また自身も段々と花開く様に。
この手にしては珍しく、可愛らしい部分だけでなく男と女を生々しく挟んできたのも印象的。
でも彼が自身の世界を広げるには、結構大事なエピソードだと思ってます。
あと、お父さんとその友人がパリッとしててすっごいおしゃれなのが好き。老後はこう在りたいと観ていて思いました。
私自身スーツと無縁な仕事とあり、ちょっと憧れます。
とある人生を描いた、とても良い作品でした。
走れ‼ニコス‼
不況による店の差し押さえ、更に父まで倒れ大ピンチの仕立て屋さん、ニコス。一発逆転を目指し思いついたのは移動式仕立て屋。しかし、安い露店に囲まれながら高級スーツが売れるわけもなく・・・。
コメディかと思って観に行ったが、その要素はあまりなく、寡黙な男の優しさやプライドを超えて成長していくドラマ作品だった。
男性用スーツ一本でやってきた商売がうまくいかないところで、協力してくれたのはお隣さんの女性オルガと娘のヴィクトリアちゃん。
成る程、女手ひとつで娘を育てるオルガと協力していくうちに急接近…っていうストーリーかと思ったら…え!?
無邪気でありながら気の利いた性格で営業を手伝うヴィクトリアが愛らしい♪
始めはそうなることを期待していたのかな~と思ったけど。懐くニコスにも、そこを超えるとこまでは望んでいなかったのね。良い意味で軽く騙された感じがしてヒュンとしました。
ストーリーとしては、前半はとにかく静かで起伏も感じなかったが、何か応援したくなっちゃうニコスの姿に目が離せないし、苦労して作ったドレスが日の目を浴びる場面なんかにはポカポカした。
対する後半は中々の急展開。ヴィクトリアの立場の変貌や、屋台とタクシーのくだりはゾクゾク。まぁ、冷静に考えてどちらが悪いかと言えば…ねぇ。感情移入できちゃうのは相手の方かな(笑)そりゃあ気に食わないでしょう。
この通り、仕立て業を通したオルガとのストーリーも良かったが、個人的には本筋じゃないかもしれないけど、お父さんとの物語がとても良かった。
カラリスと息子の店…なんて名称だったり、友人に冷やかされても、息子の頑張りは最初から認めていたんですよね。店を何十年も続けたプライドもあるし、反対はしてたけど。
残した型紙…一瞬でしたが、非常に深いメッセージが込められていたんじゃないかと。
初めてのスーツを作ってくれたお父さん。たとえドレスに転向しても、願わくば、最後の一着をどうか作ってあげていてほしいなと、願った作品だった。
ほろ苦くもじんわりくる良質の作品
そもそも社会派要素があるという監督作品ですから、宣伝や紹介コラムにある「奇想天外」「極上の感動作」はちょっとピントはずれな気がしますが、深い余韻を残す作品でした。
極端に台詞が少ない中で、主人公ニコスの境遇と周囲をきちんと示し、ニコス役のディミトリス・イメリスの表情と仕草は、キャラクターにピタリとはまっている。見事です。
テーラーの世界だけで生きていたニコスが、店の経営難と父の病という、外からの要因で変わらざるを得なくなる。店を守るために始めた移動式テーラーも最初から上手くいくわけではなく、屋台を引く掌にマメが出来てしまう。
それでも地道に続けているうちに、ウェディングドレスいう意外なオファーを受け、そこからちょっとずつ展望が開けて…となるはずが、最後は大団円とはいかず。
いや、今のニコスなら大丈夫だとは思うけれど、もっと幸せにしてあげたいと切に願ってしまう。
そのくらいニコスが魅力的に見えて来ました。変人かもしれないけれど、正しい人だもの。
ニコス父も良かったなあ。ニコスには厳しいけれど、それは職人としてのプライドがそうさせるものだし、変わることに否定的でもニコスの腕前をきちんと評価してくれる。
近所の主婦オルガとの交流は、寡黙なニコスと母語がロシア語というオルガなので、言葉が少なくても不自然じゃない。上手い設定ですが、国際結婚が多いギリシャだからリアルなんですよね。
一つだけ、驚いたというか意外だったのは、プラトニックで終わると思った二人の仲がそうではなかったということ。
でも、そうだったから次の展開になるわけで、あれもストーリー上必要なのでしょうかね…
ただ、ニコスに懐いていて、商売の手伝いもしてくれた娘のヴィクトリアが、オルガとニコスのことを父に告げたとわかる場面は辛すぎる。
もともとギリシャ好きなので、ギリシャ語を聞きたい、ギリシャの風景を見たいと思って鑑賞しました。細かいところで「ギリシャあるある」な場面があって、それも評価を高くしてしまいます。
字幕が予告編と本編とで異なる場面があり、興味深かったです。(個人的には直訳でも良かったのではと思えた箇所なので)
映画の雰囲気は「寡黙な主人公」という点で、ギリシャっぽくないのですけどね。
いい映画でした。地味で静かな映画ですがとても好きです。
全73件中、21~40件目を表示