劇場公開日 2021年6月11日

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「おじさま(以上)がガンガン銃を撃つ映画が好きな人にはたまらないけど、描写は結構きつめな一作。」Mr.ノーバディ yuiさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0おじさま(以上)がガンガン銃を撃つ映画が好きな人にはたまらないけど、描写は結構きつめな一作。

2021年6月19日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

いわゆる「舐めてた相手が実は殺人マシーンでした」物としてのお約束は一切外さない、どころか結末に向かって期待を上回る展開となっていくところが素晴らしい。往年のチャールズ・ブロンソンファンも、『ランボー ラスト・ブラッド』(2019)にもやもやした映画ファンも、これなら満足するのでは。

ただ予告編がほのめかしていた軽そうな内容どころかかなりきつい描写も含まれているので(それでもPG12…)、こうした映像が苦手な人はちょっと覚悟して欲しいところ。すごい殺人スキルを持っていても、そこは中年男性の寄る年波ということもあり、結構痛めつけられます。主人公が満身創痍となりながらも戦うあたり、さすが『ジョン・ウィック』の脚本家の作品だと感じました。

せっかく愛らしい娘も登場させているのに、家族の描き方がちょっとおざなりで、別居している父親(クリストファー・ロイド)の方がむしろ掘り下げられているあたり、作品上のバランスとしてどうなのかと思わなくもないけど、むしろ「おじさま(以上)大暴れ!」という本作の方向性を明確にしているという点で良かったのかも。

主演のボブ・オデンカークは『ベター・コール・ソウル』の主人公、ソウル・グッドマン役が有名だけど、最近では『ストーリー・オブ・マイライフ 私の若草物語』(2019)でも四姉妹の父親役を演じていました。本作の父親は『若草物語』とは違って、当初まったく頼りがいも威厳も感じられず、ちょっと同一人物には見えなかったあたり、さすがの演技。C・ロイドに久しぶりにお目にかかることができたのも収穫!

yui