「ゴーンガール」先生、私の隣に座っていただけませんか? レントさんの映画レビュー(感想・評価)
ゴーンガール
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漫画というアイテムを最大限にうまく取り入れた作品。漫画の内容がどこまで真実なのかあえて最後までわからないようにしてるのもお見事。
自分の浮気を漫画のネームを使って告白する夫に妻は今更遅すぎると言い放つ。しかし、その場を立ち去ろうとする夫に仕事のパートナーとしてそばにいて欲しいという妻。ここで映画の題名の意味がはじめてわかる。
安易に夫を許さず微妙に距離を置いておく妻。夫は時がたてば元さやに戻れると淡い期待を抱き、観客もこれがいい落としどころかなと納得する。
しかし、本当の結末はそうはいかなかった。そもそもここまでの展開で納得というのがまさに落とし穴だった。妻はいずれ時間がたてば許してくれるだろうなどと、今の時代はそんなに甘くないよとこの作品は述べている。
本作の夫婦は元々漫画家である夫に妻がアシスタントとしてついていた。それが今は立場が逆転している状態なのが本作のみそ。すなわち社会における男女の地位の逆転を示唆している。
女性の地位が向上した現代で淡い期待を抱くなよという最後の痛烈なメッセージが男たちには突き刺さるのだ。
いやあ、お見事!
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