「罪が暴かれた時、崩れ行くものがある。」バスカヴィル家の犬 シャーロック劇場版 えびふらい🦐さんの映画レビュー(感想・評価)
罪が暴かれた時、崩れ行くものがある。
それぞれの人物が犯した罪が絡み合い、目が離せない。危うい均衡で成り立っている蓮壁家の関係者たち。その絡み合った糸が解ける時、謎が解けた高揚感を得ながらも、それぞれの登場人物の苦しさや葛藤に心を掴まれてしまい、鑑賞後良い意味で感情を整理するのが大変だった。自分の居場所を求め必死に行動している姿に心が揺り動かされたのかもしれない。
獅子雄と若宮のバディの掛け合いはテンポ良く、ずっと見ていたくなってしまう。獅子雄の一見不思議な行動に理由があったことが明らかになる度に爽快感を覚え、一般人枠の若宮が等身大に事件と格闘してはドジを踏む姿に緊張感が癒される。
また映画ながら、絵画のようにも思える程美しさを凝縮したようなカットに魅せられた。獅子雄の慟哭、若宮の涙、紅の笑み。それこそ紅が描いていた印象的な絵に匹敵するようなシーンが散りばめられていて最後まで楽しめた映画だった。
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