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ハザードランプのレビュー・感想・評価
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苦味が強くて噛み心地のある上質ドラマ、客は選ぶかも
イヤミスまでは行かないけど、苦味のあるドラマって点では結構久しぶりな気がする。かなり野蛮だけど嫌いになれないのは、きっとその棘がしっかり刺さってるからなんだろうな…。 代行の奇妙な関係。タメ口、刃物、指名でのコンビ…。立ち上がりからして複雑で、割と見にくかったのが第一印象。意味ありげな伏線が巻かれ、装丁を整えるだけの序盤って感じ。だが、次第に核心を突いていく内に、そのドロッとした作品の色がようやく顔を出す。 全体的にいえば、テンポもスローで歯切れも悪いカットが続いたりする。そこは何とも言い難いが、この作品が持つ「対峙」が全てを物語っていて、終結に向けて対話をしている。その事象たちを1つひとつ意識しながら観ていくことで、思いがけない気付きへと導いてくれる。そのリードは決して優しくないので、少し人を選ぶ点は仕方ないのかも。 やっぱり安田顕さんと山田裕貴さんの安定感はさすが。言葉の少ない中にも意味を感じさせて引き込まれる。津田寛治さんとか要るか?って感じだったが…。1番驚いたのは真魚さんかな。あの『カメラを止めるな!』でいい味出してた娘さんが、あんな役できるなんて…。役者さんは総じて凄かった。 共感のベクトルで測る作品ではない分、拠り所を探すのは難しい。でも、確かな答えと噛み心地を感じる作品だった。
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