真夜中乙女戦争のレビュー・感想・評価
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タイトルなし(ネタバレ)
令和版ファイトクラブ。私と黒服の2人で始めた小さなレジスタンスが、徐々に規模を増していき暴走していく様子は、集団催眠にかかったテロリストの様にも見えつつ、現代に蔓延る外的抑圧や将来の不安を文字通り爆発してくれる救世主の様にも見えた。
ラストの展開に賛否は別れるかもしれないが、現代を生きる若者にこそ見てほしい一本。
こういう映画を待っていた!
絶望的に切なくて苦しくて儚く美しい物語だった。考えさせられる台詞、余白に酔いしれ、観終わった今も頭から離れない。混沌としたこの時代や社会に抱く鬱憤を昇華してくれるかのような作品。ずっと琴線に触れていたのか、最後は涙がこぼれた。頭で台詞を反芻しながら自分の人生を振り返り、考え、なんとなくで生きたくない、そう思えたし、自分とその周りの大切な人を愛したい、大事にしたいと改めて思った。とにかくまた観たくて仕方ない。もう、俳優陣制作陣全員の"ガチ"感が素晴らしくて。メインキャスト達もTEAM常連の狂気も凄かった。映画好きの監督ならではの拘りが随所に感じられ、映像音楽衣装セットどれも私のドストライクで、ストーリーに胸を抉られながら最高に最悪で幸せな時間を過ごせた。次はコメンタリー上映で鑑賞する!
う〜ん
MCUだった
上京したての大学生"私"が毎日憂鬱な日々を送る中で、"黒服"と出会いイタズラをしかける集団ができ、それが東京大爆発計画へと発展していく話。
まず、いつも誰のレビューも読まずに書くようにしてるけど今回咀嚼しきれなくて、MCUだ〜🥴っていうアホな感想しか思いつかなかったので、色んな人のやつ読んでかなり参考にして自分語りとしてこの感想を書いてます。
MCUだと思った理由も一応書いておくと、サノスの石というセリフがあってその後SNSのアカウントが無作為に消されるというまさにSNS内"指パッチン"が起きてたこと。さらに、途中別世界線のコロナ禍でマスクをする"私"達が出てきた時はマルチバースですか!?ってなったからです(笑)
ここからは真面目な感想↓
この全編を覆う不穏さ、鬱の雰囲気、無気力な"私"はまさにこの世代の世の中にずっと希望を持てないしもはや期待すらしてない感。
私も池田エライザさんと同い年で、この96,97年生まれって絶妙に苦しいことを体験しないでスルスルとここまで来れちゃった世代だと思っている。生まれた時から日本は不況、3.11もそこまで自分の価値観を揺さぶられるにはまだ早かった、ゆとり教育をもう辞めると言われる中ギリギリゆとり教育で卒業、就職倍率がかなり高い時に難なく就活を終え、コロナ禍で会社に行けなくなる前に普通の社会人生活も送れてる。
まさに上手く順応しながら社会に馴染んできている"先輩"のような感じだけど、別に大きな希望もなければ大きな怒りもない。少し下のZ世代程自由ハツラツに生きることも出来ない(だってゆとりだもん笑)。だからこそ私は高度経済成長期やバブル期世代のある種の時代熱みたいなのが羨ましいとずっと思っていて、心の中は"私"のように全てをぶっ壊したい衝動で溢れてるのかもしれないと思った。
でも所詮それは映画の中だけの世界("私"の妄想)であって、実現することは一生ないのだが。
雰囲気映画
俺は乙女だった…? ここまでやるならEDはビリー・アイリッシュじゃなくてピクシーズにしろっつーの。
人生に絶望する大学生の「私」が、カリスマ的な魅力を持つ謎の男「黒服」に出会ったことにより、「真夜中乙女戦争」と名付けられたテロ計画へと足を踏み入れてゆく、というクライム・サスペンス。
「私」が憧れる女性、「先輩」を演じるのは『オオカミ少女と黒王子』『SUNNY 強い気持ち・強い愛』の池田エライザ。
謎の男「黒服」を演じるのは『横道世之介』『ピースオブケイク』の柄本佑。
ー真夜中を愛する者は乙女である。真夜中を憎む者もまた乙女である。乙女は女だけではない。男だって乙女である。愛する者は乙女だ。愛される者、愛されない者も。愛せない者も乙女であろうー
…いやっ、カッコいいこと言ってる風だけど、これって全人類が乙女ってことやないかーいっ💦
という感じで、冒頭からずっこけさせてくれる抱腹絶倒の傑作コメディ。
もうこれただの『ファイト・クラブ』の劣化コピーやん。こんなもんで金を取るなよ。
全体的にクッソ馬鹿馬鹿しい映画。
「かくれんぼ同好会」の「かくれんぼ」って、秘密結社の比喩なのかと思いきや本当にかくれんぼをやるサークルだった…。そんな大学生おるんか!?
そして、なんか突然池田エライザのPVが始まる。
「黒服」の仲間達全員ではないちもんめやってたり、「黒服」の悪戯行為がマジでしょうもなさすぎたり、組織のトレードマークが猫ちゃんだったり…。
本当にアホくさいんだけど、役者陣がクソ真面目に演じ過ぎており、ギャグなんだかシリアスなんだか、なんかよくわからないものになっている。
唯一本作を正しく理解しているのは柄本佑。
ー好きなのか…?茎わかめ…。ー
この一言の破壊力は凄まじい!異常にシリアスな顔が最高に笑いを誘う。絶対にあの顔は完全に笑わせにきてるやん🤣
その後の全力ダッシュ逃避行といい、完全にストーカーなアプローチといい、「黒服」が面白過ぎる!
彼の出ている場面は全て最高ですね。
流石名優の柄本佑。本作の本質がギャグであることを理解した、最高にコミカルな演技でした。
「私」と「先輩」のポエム合戦とか全部カットして、「黒服」の日常を描き続けてくれていたら本作の評価は爆上がりしていたと思う。
「黒服」の見た目や言動も相まって、本作はほとんどジェラードンのコント。
笑えるっちゃ笑えるんだけども、別に映画にコントを求めているわけじゃないし…。
誰がどう見ても『ファイト・クラブ』の丸パクリなんだけど、本作の問題は20年以上前の作品である『ファイト・クラブ』に優っているところが一つも無いところ。
これなら『ファイト・クラブ』をレンタルして観賞した方が、経済的にも内容的にもお得である。
最後の東京破壊計画。
東京を破壊しても社会のシステムを破壊することは出来んだろ、という当たり前なツッコミは置いておくとして、あまりにも半端ない火薬の量に驚く。
あれだけの破壊を引き起こすのにどれだけの火薬が必要なのか、柳田理科雄先生に計算して欲しい。
もう開き直って、エンディング曲を「Where Is My Mind?」にすれば良かったのにね。
最悪の終幕に色とりどりの破壊を。
映像がお洒落なのは間違いないですけど、回転したりするので人によっては酔うかもです。私は2回くらいウェッてなりました。
孤独な大学生「私」は、富豪の「黒服」と親しくなり空虚な日々の穴埋めにしょうもないイタズラを繰り返すようになる。その内に仲間が増えやがてクリスマスに東京を壊滅させる「真夜中乙女戦争」の決行へと突き進んで行く。
元々のポテンシャルなのか永瀬廉の死んだ魚みたいな目は良かったですけどナレーションはいまいちでした。とにかく登場人物全員心が死んでるので、逆に先輩はもうちょっと感情込めてもよかった気がします。二人のホテルのシーンは美しかったですね。柄本佑もさすがの怪演ですけど、もっとぶっ飛んでてほしかった。最後血まみれで踊り狂うくらい。
ラストはド派手でやってくれたな!ってなりました。
何を伝えたいのかわからない
ただ綺麗なモノを作りたかったのか、内容が薄く感じた。柄本佑の存在感が抜群で誰よりもかっこよく見えた。主演の永瀬廉は新人なのか表情が乏しく感情を上手く出せないのか表現力が無く感じた。エライザはああいうよくわからない役に必ずハマる可愛いらしくなって憎めない。高校生くらいが見ればハマるのだろうか?せっかくの売れっ子を使ってるわりには内容が薄く感じてしまった。
個人的2022年ワースト
あ
思いっきり恥をかくのは大学生の特権だという言葉のまま思ったことをそのまま書いた。人様に見せられるものにもなっていないがそのまま。
映画が終わった瞬間、映画館を出た瞬間にあっ、てなるそんな作品。作品内では音楽が鳴り響いてて2時間で終わりが来るけど現実は長くて無音で無機質。映画が終わった時ライトがついて後ろの出入口から光が入ってきて現実に無理やり引き戻された時なんか苦しかった。自分をあの映画の中に捻りこんで一緒に終わりたかった。ふと東京タワーを見に行こうかとか、近くで1人で見ていた子に感想をきいてみたいとか、また見に来ようとか現実に即した感想ばっかりに上書きされてこの映画を見ていた瞬間の気持ちは上手く書き表せないけど、東京の爆破もなく、ドラマチックに流れるエンディングの曲がない自分の世界に似ていた。お酒を飲んでも紙に書き尽くしてもまた現実が返ってくる。もしも東京の爆破がなかったら主人公はどうなってたんだろう。その後の何十年に耐えられたんだろうか。映画はいつも都合の良いように終わり都合の良いように切り取られてるからそこら辺は現実とちがう。ヒロインとの恋でこの世界に一時的に未練がのこっただけだ。その未練でこの世界を守ってた世界線では映画よりはるかに無情な世界で生きていかないといけない。平凡をまもってまもってまもっていかないといけない。このコメントがどんな風に他の人に受け取られるのかとかそんなつまらないことばかり考えていつか死ぬまで生きていかないといけない。死にたいというより、生きるか死ぬかの選択を迫られないでいたかった。自分がいつか死ぬことも今生きてることにも気づかずそんなことに気づいてもなんの問題にもならないようなそんな世界にいたかった。できるだけこうゆうことは考えないようにこの世界に必死になろうとしてきたし、考えても外に出さないようにしてたけど、映画を見て、なんか一時的にこの世界のことがどうでも良くなってそのままにした。世界には作品内のヒロインのようにそれでも現実を精一杯生きてる人達がたくさんいて、そんな人たちを否定することはもちろんできないが、もしも爆破が東京だけじゃなくて世界で、あらゆる人々が同時に死ぬんだったら、誰も生きるとか死ぬとか考えることもできないそこはダメなところか。人が死を選んではいけない理由が誰かが悲しむからだとするなら。あらゆる命の終わりはもう誰もぐるぐる回らない。生きたいと願う人にはとんだ話だけど。よく分からずに生きてる。
「チワワちゃん」
自己陶酔と破滅には気をつけて
ある意味厨二病の極みのような若者を描いてるのかなと思ったけど
まずでも、この映画、永瀬廉じゃなきゃむりだったろうなと思う。
今の学生の閉塞感、大体の家庭は学費が大変で奨学金をもらってるから、親から突つかれるのも、その辺は暗い影だけどある意味ふつうじゃないかな?
その辺から、暗い学生の理由づけになり遊ぶ学生たちを冷めた目で見る彼は、少年の純粋さも兼ね備えた永瀬廉しかできない。
その後の桐山と共に闇に向かっていく様はある意味そりゃそうなるわみたいな、でも、なんで爆弾騒ぎの後捕まってないの?と、ちょっとよくわかんない。
とにかく、自分的には、オシャレにこだわり過ぎるとダサイ人は排除するし、自己中だし、ナルシストは破滅に向かうことのとどのつまりはそういうことかなって思うと、結構インパクトありますよね。メッセージ的に。
永瀬廉は、ジャニーズの王道アイドル、キンプリだけども、国宝級イケメン揃いだけど彼らはナルシスト集団ではなく、人を喜ばせるためにやってる人たちだから、
この役をむしろやりこなせたような気もした。
ほんとのナルちゃんがやったら、陶酔して精神的にヤバくなりそう。
とはいえ、オシャレやカッコいいビジュアルにこだわると破滅に向かうなー、と思うけど、
永瀬廉も池田イライザも、美しいし、柄本佑は妖しいし、
何より東京の燃える、物凄い絵面でも、負けないビジュアルを備えているから、この映画が成り立つことも真実。
永瀬くんが岸くんに、映画どうだった?と聞いたら、
よくわかんない!と答えられたという、
ごめんなさいキンプリファンで。
そこのところ、最もで笑えますね。常に単純に他人を喜ばすことに一所懸命な岸くんらしい。脱線してすみません。
でも、結構映画らしい映画だし、自己陶酔と破滅ということを考えさせられたと思います。
お金がある限り劇場で見たい映画
予告でこの映画を知って、本屋でたまたま原作を見たら「20代で得た知見」Fさんが書いていたのでだったので、原作を読み切ってから映画館に行きました。
正直に言えば、原作を知らない人からすれば “僕”の”黒服”や”先輩”、さらに”東京タワー”に対する愛情表現が少なくて、”僕”の考えや感情を理解できず、さらに話の展開について行けなくなると思いました。
なので、キャスト目的やなんとなく観に行くと満足できないと思います笑
内容は原作をしっかり噛み砕いてストーリーを理解して作ったんだなと感じるような作品で、原作とは一部オリジナルになっているので、原作ファンや原作を読んだ人はそこだけでもハッピーだと思います。
オリジナルがありつつも、原作における核の部分は揺らいでないので、安心して見に行って大丈夫です。
逆に映画見た人は原作に踏み入れると、また映画見たくなるような作品だと思います。
映画としては、縦横無尽と動くカメラワークと自撮りのような映像や、映像表現が豊かでまるでアトラクションに乗ってるような感覚を味わいました。酔いやすい人は苦手かもしれませんが、お金があれば何回でも観たいと思いました!
全てが美しい
果てぬ渇望、愛しきセンセーション。
堕落で、ピュアで、憎く愛しき世界。
説得力のある物語です。
私はこの作品以上のものに出会った事がない。
そして今後も真夜中乙女戦争を超えるものに
出会うことは出来ぬと断言出来ます。
青春の渇望、希望、狂おしき愛。
音楽、衣装、セットの断片的な部分にまで
あらゆる枢と仕掛けが組み込まれ、
兎にも角にも拘りに充ちた究極作。
割り砕いたガラスを拾いながら
それらの破片で起こす清き戦争とは。
掬われ、果て堕ち、愛に耽溺し翻弄されゆく私、
つよく儚く愛を性(さが)の如く揺蕩する先輩、
シンボリックに世界を巣食う、果敢なき黒服。
スイッチを切り替える如く激しい場面転換が
原作同様魅力ですが、それらを否応なく
自然に溶け込ませてしまうのが
永瀬廉さん、池田エライザさん、柄本佑さんの
グラデーションのように滑らかに展開される
芝居力の高さかと思います。
敢えて作中の大筋、山となる部分や
見せ場を予告で出してきていたのも
あくまでそれらが作中の場面への
誘導であると感じます。
SNSを使い分けた宣伝力も流石でした。
これは単なる学生だけに向けた物語ではない。
全ての才能が爆弾の如く投げ合われた、
狡いほどに至極の映画でした。大好きです。
映画の形をした映像
『先輩』はバーに『私』を呼び出す。そのシーンを見て、地方から大学に入学した頃の自分自身のことを思い出した。
服装がダサくてイケてない私、垢抜けて見えた東京の子たち。しかも その子のお小遣いが、私の仕送りの三分のニだと知ってたまげた。所得格差って言葉をしみじみと感じた大学生の私。
そして『黒服』にとらわれていく様子は、地方出身の同級生が、韓国に本部を置く 壺を売る教団にとらわれていったことと重なった。破壊計画は、かつてあった『大地の牙』の様な過激な赤軍派を思い起こさせた。
なんだか訳のわからない映画だったけれど、すりガラスをバックにした大写しの『先輩』と『私』の横顔は影絵の様で 主人公の永瀬は、頭の形がとても良く、横顔が美しかった。その後のシーンも、ベットに横たえてお互いが上下になり竜の落とし子の様な形を上からのショットはハッとさせられた。
そして最終 東京乙女戦争という爆破行為がなされる。東京タワーの回りは オレンジ色の炎があちこちで噴き出す。見応え有りの映像だが、壊して良いのは自分の考え方や自分自身の物だけだ。壊された元には、必ず人の営みがある。『他人の誰か』ではない。ちょっと短絡的な映画だと思った。
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