劇場公開日 2022年1月21日

「キャスト星5、冒頭とラストのストーリー星4、逃亡〜ホテルの場面は星1.5です」真夜中乙女戦争 015🎬さんの映画レビュー(感想・評価)

3.0キャスト星5、冒頭とラストのストーリー星4、逃亡〜ホテルの場面は星1.5です

2022年1月24日
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鑑賞方法:映画館

自分が15歳の時に観ていたら、多分生涯忘れられない三作品のうちの一本になってたかと思います。
要するに中二的ストーリーです。全てに対して興味が持てない主人公が、カリスマに会ったことにより犯罪に加担。だが好みの女子に出会ったことにより少しずつ変わっていく。…こうまとめてしまうと身も蓋もないですが。

冒頭は非常に良かったです。なんとなく大学に入学した主人公。講師料だけふんだくる教師と奨学金の申請を勧める母親。…母子家庭っすかね?
バイトに入れなくなり、やむなく行った単発バイトでパワハラを目撃。友人はコンパで女とヤることしか考えてない。
この辺の退屈な日常から離脱するための、要となる柄本佑演じる黒服との出会いはなかなか面白かったです。
あとはラスト。これに関してはネタバレとなるので伏せますが。

キャスティングもなかなかの人選と思いました。
柄本佑氏は言わずもがな、どことなく謎めいた先輩役を池田エライザ氏が演じたことで、余計に映える。
ある意味、黒服とは逆の立ち位置で存在感を示す必要がありますが、ビジュアルは見事にカバーしていたと思います。ビジュアルは(その他についてはこの後言及します)。
あとは主演の永瀬廉氏ですね。ファンの方から怒られるかもですが、本当に普通の凡庸な青年に見えます。
それ故に柄本氏演じる黒服との関わり方が良かった。凡庸な青年がカリスマに取り込まれる様が、感覚として見て取れました。おかげでストーリーが非常にわかりやすい。
そしてエライザ氏演じる先輩との関わりにより、徐々に自分の言葉で自分の意志を伝えられるようになる。
とても質の良い役者さんだと思いました。

さて、ここからが問題です。
概ねキャスティングとストーリーに関しては満足しましたが、結果として大半の失点に繋がったのが「逃げよう!」から黒服達討ち入りまでの展開ですね。要するに主人公と先輩のイチャコラタイム…のはず、なんですが。
それまで割と自然だったストーリー展開が、あの辺だけ編集にぶっこめと言われたのかやたらと不自然なんですよね。てかこの令和の時期にシルエットで会話する作品とか。昭和かよ。
しかもやたらと尺が長い。
永瀬氏のファンの方はもしかしたら彼のファン故に苦痛の時間だったかもしれませんが、私はこのシーン必要あんのかという意味で苦痛でした、
いや、先輩別に◯◯◯系の話とかどうでもいいんで。てか、結局あの友達とはどういう関係なんですか?←むしろそっちの方が親密過ぎて気になるわ

…というわけであの場面があまりに酷かったので、総評下げました。
エライザ氏の演技自体は問題なかったのですが、結果、映画全体を通してこの先輩という人物が何者だったのかだけは、あんまよくわからなかったです。
あの場面がなければ、もしくは映画ラストくらいの描写であれば星4は固かったです。

BONNA