「面白かったから面白くなかった」真夜中乙女戦争 ぺけさんの映画レビュー(感想・評価)
面白かったから面白くなかった
現在の自分を否定されたようだ。
やりたいことの無いまま進学し、遊びもせずアルバイトと家と大学の行き来を繰り返している自分の人生が、とてつもなく退屈だぞ、と言われたような。んな事は自覚しているからこそ、自分が逃した時間はこんなにも大きかったと痛いところを突かれ、映画館を出た後なんとも言えない絶望感に苛まれた。
東京を破壊する、という非現実的な内容なのに現実味があり、自分のように無力に、はたまた遊び尽くし、もしくは目標達成のために、どんな大学生活を送ってきた人でも少しは思い当たるようなシーンや感情があるのではないだろうか。
経験により見方が変わる映画、面白かった。
これは歳を重ねた方が見るとどうなるんだろうか。劇中の「私」と同世代の自分は真に受け絶望感を抱いたが、大人になればそれも笑えるようになるのだろうか。破壊とまでは言わないけれど、多少の危うさを学べるような、そういった導きに出会ってみたいとさえ思ってしまったし、「先輩」のような危うくも希望の光を持つ人に出会いたかった、遊びをしたかった。
と、考えるだけの自分はまだ殻にとじこもるクズなのかもしれない。
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