「【”生きているだけで、幸せなんだよ・・。”と病を抱える青年は優し気な眼で言った。市立船橋高で受け継がれる応援曲“市船soul"を作曲した青年を描く。日々健やかに生きる”幸”を感じた作品でもある。】」20歳のソウル NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【”生きているだけで、幸せなんだよ・・。”と病を抱える青年は優し気な眼で言った。市立船橋高で受け継がれる応援曲“市船soul"を作曲した青年を描く。日々健やかに生きる”幸”を感じた作品でもある。】
ー ラスト近く、大義の葬儀に駆け付けた164人の社会人になった、且つての仲間、後輩たちが彼に向けて“市船soul"を演奏するシーンは、涙を堪える事が難しい・・。-
◆感想
・前半、大義(神尾楓珠)が、吹奏楽への情熱を失った親友を励ますシーンや、野球部のレギュラーだったのに怪我の為に応援団長になり、肩を落とす友人に対する接し方や掛ける言葉が素晴しい。
ー 彼の、ポジティブで優しい人間性が発露しているシーンである。故に彼は友人達や後輩たちから慕われていく。葬儀の際に、164人もの仲間達が駆け付けた事も、良く分かる。ー
・大義が音楽教師になるという夢を持って、何事も前向きに捉え、生きる姿も印象的だ。
ー 病に侵されてからも、気丈に振舞い、担当医からも”強い子ですね・・”と言われる大義。
だが、病は進行して恋人(福本莉子)の前で、初めて”死にたくない、生きたい・・”と泣きじゃくる姿。そして、一人病院の屋上で”何で、俺が・・。何か悪い事をやったのか!”と慟哭するシーンも・・。人前では弱音を見せないが、心許す恋人の前では・・。哀しいが、心に響くシーンである。-
・吹奏楽部の仲間だった女性が妊娠をし、”どうしたら・・”と言った時に、彼が優し気な眼で言った言葉も忘れ難い。
”生きているだけで、幸せなんだよ・・”
■吹奏楽部の顧問の高橋先生を演じた佐藤浩市さんや、母を演じた尾野真千子さんの確かな演技が、この作品を支えているのは、間違いないであろう。
・病が進行する中、大義がオリジナル曲、”ジャスミン”を完成させ後輩たちが演奏会で自らの曲を演奏する姿を車椅子と眼帯をしながら、満足そうに見る姿。
ー ”自分がこの世から居なくなっても、曲は残る。自分の想いは受け継がれる”と大義は思いながら聞いていたのではないか・・。-
<哀しき実話に基づいた物語ではあるが、私は途中から”この作品は人間賛歌を描いた作品ではないか”と思いながら観ていた。
身体は病に斃れようとも、信念ある心、想いは受け継がれていくのだな・・、と思ったのである。
過ぎ行く忙しき日々を送る中で、つい忘れがちになってしまう”健やかに、大切な人達と生きている幸い”を思い出させてくれた作品でもあった。
この作品を世に出した映画関係者及び浅野家の方々には、心から感謝申し上げたい作品である。>
NOBUさんコメントありがとうございました。
水谷豊さんの映画だと・・・「少年 H」は好きなんですが・・・
ブラス!は良かったですよね。コバヤシが凄く好きです。