そして僕は途方に暮れるのレビュー・感想・評価
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みんなどこかにクズ要素持っているよね
甘えん坊なダメ男の主人公が都合が悪くなると点々と居を変え逃げていく話。結構な数の連絡先を登録しているのにいざという時連絡できるのは学生時代からの友人と家族のみっていうのがそれっぽい。
何も回収しないまま逃げ出す主人公はクズだけど、まあ、人って大小問わず常に逃げて立ち止まってを繰り返していると思う。何事にも真っ向から立ち向かってる人って少ないんじゃないかな?主人公みたいに逃亡しないまでも言い訳くらいは皆するでしょ?
ラストのオチを見てから親友の「好きな監督」話を思い出すとゾッとする。まともそうに見えるヤツほど実は言い訳上手なヤバいクズなのかもしれない。
お父さんの「俺はがんばったぞ」見たさにあと5回はおかわりできます。
藤ヶ谷太輔のロウソクのような佇まいと演技が秀逸。あっさり消えそうなのにゆらゆら燃え続ける細い炎のような演技が「なんか」良い。
豊川悦司のクズ親父はさすが。
裕一がまた出て行った
愛の渦、何者、娼年と、これまでハズレなしの三浦大輔監督で、新年明け、いちばん楽しみにしていた作品。
もう最高。しょっぱなから、バレバレでスマホ画面を隠す藤ヶ谷太輔のダメっぷりとアッちゃんの堰を切った言葉の奔流に爆笑。舞台劇を同じ主役で映画化しているとのことだが、場面ごとの息を飲む緊張感やコントを見ているかのような気まずい間に大きく首肯。話がどう転がるのか先が読めずワクワクが止まらない上に、登場人物のキャラと各役者がこれ以上ないほど絶妙にマッチングしていて、監督の演出力にあらためて感動。特に、今やバイプレイヤーとして欠かせない毎熊パイセンのちょっとコワモテだけどやさしくてでもイジワルな感じとか、最低で最高の豊川悦司のクソ親父ダメ人間っぷりとか、しかもそんなヤツに限って吐き出すセリフがいちいちキマリすぎで号泣。
アライブフーンの時よりまた丸くなって(見た目が)あとで配役を見るまで気づかなかった後輩役の野村周平が、主人公の行動を俯瞰して捉えながら都度都度メタ的なセリフをぶつけてくるわけだけども、吹っ切れた藤ヶ谷が期待のキメの一言をかまして心からの笑みを見せるラストは、収まるところに収まっても映画も人生もなんにもおもしろかないよ、と個人的には受け取ってアツかった。泣く子はいねぇがの仲野太賀のダメ人間ぶりもよかったけど、本作、展開的にはその一枚上手を行ったと思う。
エンドロールではタイトルと同名の主題歌をまさかの大澤誉志幸本人が枯れた声で歌い上げていて、また関係ないけど、トヨエツの逃げて逃げて逃げまくれ…というセリフを聞いて当時読んでさっぱりわからなかった浅田彰の逃走論がなぜか頭に浮かんで、80年代を懐古。
住所不定無職のつくり方
目の前の都合の悪いことや嫌なことに向き合わず逃げ続ける男の話。
彼女の家に転がり込んで5年のだらしな~い居酒屋バイトの男が、浮気バレして問い詰められて、話しをするのかと思ったら、荷物まとめて逃亡して巻き起こって行くストーリー。
家事はもちろん切れた電球すら変えもせず、ゴミすら捨てようともしないクソ男って凄くない?しかも自分の家でもないのにまあ偉そうに色々と。
変なプライドだけあるのねw
モンク言われたら謝罪も弁解もせず逃亡を繰り返すし、後輩君に言われるまで人間関係切っていることにも気付いてないって、逆に良く今までの関係あったよね。
そして強烈なオヤジの登場だけど、実際にもこういう人がいるから恐ろしいw
そしてそして主演の藤ヶ谷太輔の演技は多分今までみたことなかったけれど、死んだ目をして虚ろな顔してハマりまくっていてびっくり。
映画を絡めて何だか少しキレイに描いていたけれど、違うから~っ!ていわれても、自分的にはいや同じだよという印象だったかな。
親にたかっていた様ではあるものの、借金まみれだったり犯罪に走ったりしていなかっただけましかw
面白かったぜぇ〜〜
いや〜
面白かったです😊
見終わった後のこの
気持ちの軽さ〜
なんなんでしょう✨
最後の方まで
裕一のハッキリしない
クズっぷりにイライラしたけど…
でも最後の最後…
やっと一皮剥けて
変わりつつある裕一✨
振り向きざまのあの笑顔は
なんとも爽快で〜
そうそう!
「面白くなってきやがったぜ」
て、私も心の中で、最後に言いました😊
ぎこちなくて、みんなそれぞれ
居心地悪そうだったけど、
でもやっぱりみんな嬉しそうだった、
家族揃った年越しシーン、好きだわ✨
お父さん、頑張っただろ?
て、息子に頑張ったアピールするパパが、
可愛かったです😊
面白い映画でした🎬
少しでも気になった方、
ぜひ映画館で見てください✨
思っていたほど悪くない?
様々な伏線を仕掛けつつどんでん返し的なものを用意している。意外にも観ていて想像よりも不快感が少ないというかそんなに悪くない作品に見えてくる。不思議な作品でした。
そして僕は途方に暮れる、ホントの意味は最後まで観ないとわからないようです。お楽しみに?
面白くなってきやがったぜ!
7
クズな裕一くんの逃避行
途中ウトウトくるかと思ったら、意外にも結末どうくるかが気になって、最後までしっかり観れましたね。
それにしてもクズでしたね。裕一くん。
友達の伸二の部屋に居候させてもらっているのになんだあの言動。本当に人として最低だわって思っちゃいました。
もうすぐにグチグチ言われてバツが悪くなると面倒になって逃げちゃうを繰り返す。友人、先輩、家族にも同じことを繰り返す。ただ後輩にはさすがに言い出せなかったみたいですけど。
やはり血は争えないのか、裕一のお父さんも逃げて逃げて借金も踏み倒し、パチンコ三昧の毎日。もう誰も知り合いはいなくなったという逃避のプロでした…
どうしようもなくなったときは、「面白くなってきぜ!!」と思えという何とも説得力の欠片もないアドバイス。
その上、離婚した母が倒れたというのに、それを聞いても何も行動しない父。でもそこで初めて、こんな人にはなりたくないという意志が芽生えたわけです。
また、父は言いました。
逃げてる間に周りが勝手に熱りを冷ましてくれて、地が固まってくれると。実際もその通り、裕一が里美に向き合わず逃げている間にしっかりと地は固まってくれていました。あの時しっかりと里美と向き合っていればこの結末は避けられたのに…。
あーあ、そして僕は途方にくれましたとさ。
結局行く場所なんてどこにもないんだと。
原田美枝子さんは百花に続き、ちょっとか弱そうなお母さん役はお手の物でしたし、香里奈さんの気の強いお姉さんも板についてましたね。何しろ、豊川悦司さんがいることで芝居がキュっと締まるのはやはりさすがですよね。
この作品、舞台やってからの映画化だったようですが舞台のほうも観てみたかったなと思いました。
何の前情報も入れずに観たのですが、大好きな毎熊克哉さん、野村周平さんも出てきたので、お得感あってよかったです。
そして僕たちはいつも途方に暮れている
①先ずは演出がしっかりしているのに感心。ホンも自分が書いて舞台の演出も何回も繰り返しているから当たり前と言えば当たり前だが、舞台臭さはなくちゃんと映画になっている。ペースも良い。
②実は僕たちも人生のどの瞬間でも途方に暮れているのかもしれない。
“何か”をしなければならないのに決められない。“何処か”に行かなければならないのに分からない。
だから、取り敢えずその時に周囲を見て求められていること、これはしておいた方が後で怒られたり困ったことにならないことを選んで感じ取ってやっているだけなのかもしれない。
取り敢えず好悪で決めてやってる時もあるだろう。
それでも決められない・分からない時は成り行きに任せてしまう。
でも人生ってそれでも結局収まるところに収まる時もある(豊川悦司演じるダメ親父の台詞ではなく、60年余生きてきた経験として)。
ちゃんと計画を立てて生きているという人もいるだろう。でも、裏を返せば計画を立てなければ何をやっていいか分からない、ということで根っこは同じようにも思う(個人も会社とか団体も国も)。
そういうその瞬間瞬間を手探りで進んでいる人生の中で、思いもしない時に思いもしない事が起こるものだ。
本作でも離散していた家族四人が何十年がぶりで年越しそばを食べることになる。
自分の母親を心配して駆け付けてくれた恋人と親友とが自分の逃避行中に出来ていたことが判明する(主人公の逃避行中に連絡を取り合っていたり、駅で待ち合わせをしていた事からそうではないか、と思っていたが)。
前者はともかく後者の結果は誠に「僕は途方に暮れる」ことになる。そういう時に背中を押してくれるマジックワードがダメ親父が教えてくれた「面白くなってきたぞ」という言葉。
冒頭から不安げに後ろを振り向いていた主人公はラスト同じく振り向きながら笑顔を見せるようになる。
③誰だって“何か”から逃げたいことに変わりはない。物心ついた頃から所属する社会の圧力を受け続ける僕達は、子供の頃は学校から逃げたい・勉強から逃げたい・いじめっ子から逃げたい・クラブ活動から逃げたい・先生から逃げたい・受験から逃げたい・親から逃げたい、逃げたいものだらけだ。
社会人になってからも、仕事から逃げたい・会社から逃げたい・家族から逃げたい(特に配偶者)・親としての責任から逃げたい・地域のコミュニティーから逃げたい・親戚付き合いから逃げたい・煩わしい人間関係から逃げたい等々とこちらも逃げたいものだらけだ。
逃げた方が良い場合(場合によっては逃げることは決して悪いことではない)、逃げるべき場合も有るが、大概は逃げないよね(心の中はともかく)。その原因は愛かも知れないし、プライドかも知れないし、義務感かも知れないし、責任感かも知れない。また、社会の圧力・将来の不安・社会の一員として後ろ指を指されないこと・家族の一員としての役割/使命/責任を全うすることで我慢する或いは自分に言い訳する。
④人間ですもの失敗だってやりますわ。実生活や仕事で失敗しない人間なんていない。偉そうな事を言っていても、したり顔でいても。
今井が年末の別れの時に言った台詞が意味深。(何故かはこの後直ぐに分かるけど)
⑤こういった事を諸々想起させてくれるなかなか面白い映画だ。
⑥主人公が大学時代に映画サークルに入っていたことや(だから先輩も後輩も映画好きか映画業界従事者)、子供の頃父親とよく映画に行った(だから映画好きになったのか)、映画ネタも結構多くて、ダメ親父とフラッと寄った古い映画館で掛かっていたのが、フランク・キャプラの『素晴らしき哉、人生』とヒッチコックの『迷走逃避路』。特に“『素晴らしき哉、人生』はどうせハッピーエンドだからつまらない。”(おっしゃる通りハッピーエンドの映画です。)と言っていたのに菅原家を待っていたのは一度離散した家族が年越しそばを食べるハッピーエンド。それがまた劇中映画的なエンドシーンとなる入れ子構造。ダメ親父に“つまらん。やっぱりお前と俺とは違うわ”と言われるオチ、等映画としての遊び心も散見される。
⑦演技的にはやはり豊川悦司が上手い。唇の動きだけで内面の感情を表現する巧さ。
自分を捨てた夫が突然大晦日に現れて一瞬どう対応したら良いか戸惑う瞬間の原田美枝子の表情演技も流石です。
映画的な舞台は映画的な映画になったか
とても丁寧に作られていたのだけど、それが何かを失速させている感じ。
舞台版は見た。セットも含めてとても映画のような舞台だと思ったけど、映画にする際にもっと映画的なアプローチがあってもよかったと思う。それは決してロケーションや空撮なのではなくて、省略と観客の想像に委ねる部分というか。たぶん自分が映画に求めてるものが観客とのキャッチボールで、そして演技の面白さだとすると、生真面目でテンポが遅い。硬直してる感じがする。
逆にもっとハリウッド舞台劇の映画化のようにやったらよかったのに、とか思った。
配役は豪華。豊川さんもとても良かったのだけど、あんまりカットは割らないほうがあの良さは出たのではないかと思う。つくづく映画は映すのと映さないものの選択だな、と思った。
そして僕は豊川悦司が出演しなかったことを想像してゾッとする
1月公開の映画で最も期待していた本作。しかしながら、公開すぐにとあるレビュアーさんが「そして観客は途方に暮れる」というタイトルを付けており、それを見てハードル爆下がり。それでも、1度は超期待していた作品なので、劇場鑑賞したわけですが...確かにあんまり面白くない笑
もう完全に豊川悦司劇場。この人いなかったら救いようのない作品。主人公を食っていたし、この人が登場しない前半パートは良いのは雰囲気と音楽だけで、面白味はゼロ。ホント、雰囲気だけは一丁前にいいから面白いって錯覚しそうになっちゃうんだけど、良く考えれば全然。伏線は残していたまんまだったり、結末が丸見えだったり、結構残念。予告が見せすぎなんだよ、相変わらず。いい映画になりそう感はあったんだけどねぇ...。
主人公・雄一(藤ヶ谷太輔)のセリフが少なく、藤ヶ谷太輔のストイックな演技は素晴らしかったんだけど、共感も反感もしにくくて、あまり楽しめなかった。逃げることになった原因みたいなのも弱くて、思ってたんと違うって感じでした。予告からもっと胸糞悪いものを想像していたんだけど、そういうのではない。意外とマイルドな仕上がりです。
前田敦子、中尾明慶、野村周平の良さが引き出せていないのも残念なところ。「もっと超越した所へ。」の前田敦子は最高だったんだけどね...。本作を観た方はぜひともあの作品も鑑賞して頂きたい。あと、久々に見た香里奈は演技が下手すぎて絶句。3人、4人の名演が揃う中で、1人浮き彫りになっていました。
しかしながら、先程も言ったように豊川悦司はあまりにも最高。これ程までにクズ男を演じれる俳優はいるのだろうか。ここまでクズで最悪だと、笑えて仕方ない。風格といい、声色といい、もう大好き。「子供はわかってあげない」も超良かったけど、今回もある意味天才。まぁ正直、この人の演技を見るだけでも価値はあったかなと思います笑
途方に暮れる...とまでは言わないけど、結構肩透かしでした。好きな人は好き、苦手な人は苦手、と好みがハッキリする作品であると思います。藤ヶ谷太輔、原田美枝子、豊川悦司は至極の演技を披露していますので、ファンの方は是非。
何処まで逃げるかと思ったけど
序盤どこまで逃げるのかと思って観ていたけど、実家周辺で終わりなのね。ラストは途中で
想像できたけど、あえて匂わせる伏線か。里美ちゃんはなんでアイツと付き合い始めたのだろう?最後の振り返って笑う?シーンの意図が読み取れず。でも、まぁまぁ面白かった。
人間って助けられてでも完全には回復しないんだねぇ。
人間って弱い部分がバレると逃げだしたくなるんだよねえ。だから、昔の友達や身内をたよってしまう。それはきっと甘えなんだろうなと思う。でもこの作品の主人公は幸せだと思う、心配もしてもらえるし、逃げ場があるし、暖かい人たちが近くにいるのだから、最後に実感するとホロッとくるよねぇ。でも全てがうまくいくとは限らないということを実感させてくれる作品でした。
あらすじをよんで一つでも当てはまった人は是非ともこの作品を劇場でご覧いただきたいです。
特に問題なし。今週迷ったら推せる1作品。
今年20本目(合計673本目/今月(2023年1月度)20本目)。
さて、She said から40分違いでこちらの作品へ。
どこかで見たことがあるかな、何かの小説かな…と思ったのですが、もとは同じ文化とはいえ「舞台」作品なのですね、なるほど…。だからこそ「原作がしっかり存在しえた」わけですね。
いやぁ、本当によかったなというところです。
最初こそ、「どうしようもない主人公」が追い出されて、とりあえずは知り合いの家に泊めてもらって数日たてば、「社会生活の基礎のなさ」からまたトラブルになり追い出され…を延々と続け、なんとたどり着いた先は…(ネタバレ回避。日本国内です)。
そしてそこでおきるある事件から、主人公は何を学び、これからどうしようか…と考えて終わりかな…と思ったら、ええ?っというさらにどんでん返しのエンディング。
(減点なし/参考)
・ この映画、「映画館」それ自体がテーマになっている部分が数か所あり、「ある地方都市のあるミニシアター」(今、2023年時点でもあることを確認済み)にも行っているシーンがあります(シアターが1つしかないそうです)。
そして主人公がもといた東京まで戻ると、そこでまた tohoシネマズさんが映るという…。かなり古い映画をやっていた(架空の映画ではなかったと思うけど…)ような気がするんですが…(この映画をどう解しても「映画館の宣伝枠」と解するのは無理です)。
とりあえず、2023年のトップ10にはつねに意識しておくべき作品なのかな、というところです。
「心の洗濯」にはおすすめな映画なので、ぜひどうぞ。
クズ男は、恩讐の果てに
自分達の世代であれば
当該タイトルは
『銀色夏生』の歌詞、
『大沢誉志幸』の曲と唄、そして
「カップヌードル」のCMに使われた楽曲。
しかし、
詩と映画の内容がピタリとシンクロし、
まさに本作のために創られた曲と勘違いしそうなほどの嵌り具合。
もっとも、出て行くのは
「君」ではなく「僕」であり、
とても共感できない性格のクズ男ではあるのだが。
始まりは11月19日(木)とされているから
2020年のことか。東京オリンピック関連のフラッグも画面に写り込んでいる。
『裕一(藤ヶ谷太輔)』は『里美(前田敦子)』と同棲して五年、
しかし未だに定職には着かず(つけず?)に居候状態。
暇な時間を持て余しているにもかかわらず、
彼女にはまるっきり依存で、傍目からはヒモと変わらね、いや
家事すらまともにせぬことを考慮すれば、それよりもタチが悪いかも。
ある日、浮気がバレてしまい、問い詰められ、しかし、
発作的に身の回りの荷物をリュックに詰め込み遁走、
親友の家に転がり込む。
しかし、そこでも依存状態は変わらず。
叱責されれば逃げ出すと、同じことを繰り返す。
どうやら彼は三十年近い月日を
目の前の問題を回避することでやり過ごして来たよう。
稼ぎにしても、故郷に独り住む母親にたかる状態で、
見ていて義憤を感じてしまうほど。
大学時のサークルの先輩や後輩、実の姉とも
気まずくなり、進退窮まった時に頼るのは
やはり肉親。
が、苫小牧に住む
リウマチでカラダが不自由な母の『智子(原田美枝子)』ともひと悶着を起こし、
あてどなくなく彷徨う主人公を最終的に拾ったのは、
離婚して別居している父親の『浩二(豊川悦司)』。
ここで仰け反ってしまうのは、上には上があるとの世間の理で、
『浩二』は『裕一』に輪を掛けてのクズ男。
二人の同居生活は、見ていても暗澹とするほど非生産的。
このままでは、物語が何も進行しないよ、と
不安になった頃に事件が起きる。
舞台の映画化と聞いており、
かなり巧く適応できていると感心も、
『三浦大輔』作品なら〔愛の渦(2014年)〕や〔裏切りの街(2016年)〕と同様。
とりわけ後者とは登場人物の名前や
主人公のキャラクター付けも似ており
関連性をうかがわせる。
に、しても、同監督もそうだし、
直近では「クズ男」がカギとなる映画が多いことにも驚く。
ここ二ヶ月で〔夜、鳥たちが啼く〕〔恋のいばら〕と(何れも『城定秀夫』だが)
ほぼ「祭り」状態なのは、何かしら時代が求めているのか?(笑)
理解とか、和解とかではなく、
感情の発露にしっぺ返しを喰らう主人公は
眼前の問題を迂回して来た因果応報とも言えはする。
しかし、多かれ少なかれ、我々にもそうした側面はあり、
カリカチュアライズされた彼の姿を
怒りや笑いや憐れみを以って見ることは、
結局は自分を棚に上げているだけの様にも思える。
ダメ男のドキュメンタリー
5年前の舞台も鑑賞していて映画化されると聞いた時はどうなることやらと思っていましたが杞憂でした。
テンポ良く進む前半都内部分とじっくり主人公を追う後半苫小牧部分
特に後半の苫小牧部分では主人公の裕一のドキュメンタリーにも思える程のリアリティー。
それを可能にしている演者の演技力にまず感服。
テイクを重ねたと言う三浦監督の采配の妙かもしれませんが演じる藤ヶ谷太輔が菅原裕一と同一化した演技は素晴らしい。
ダメ男が逃げ続けるドキュメンタリーとエンタメ性のバランスが絶妙で意外な程面白くリピートしたい作品です。
時系列に注目すると見終わった後に戦慄します…
映り込む劇中のテレビ内の番組も気になる(笑)
ピンチになったら唱えよう「面白くなってきたじゃねえか」
前半は、クズ男が周囲の人間に見放されていく話だから、自業自得って感想しか浮かばない。
裕一が苫小牧で偶然に父親と出会ってからが面白い。トヨエツは、やっぱり絵になるよね。堂々としたクズっぷりもカッコよく感じる。あと、香里奈の怒りが爆発するシーンもキュンとくる。バカ弟を血管切れそうな勢いで罵倒するんだけど、あの感じで追い込まれたら降参するしかない。
前田敦子は、離婚してから見違えるように演技の幅が広がって、最近の作品では主役を食ってしまうことが多い。今回もクズを増長させてしまう感じがよく出ていた。
ラスト30分は面白かっただけに、かったるい前半がもったいない。
ピンチになったら唱えよう「面白くなってきたじゃねえか」
好きな映画監督の駄作を思い浮かべてみる
個人評価:3.8
格言や名言に溢れる2時間。
誰しも自分が人生の主人公でナルシスト。
その場から逃げ出したい感情のリアルさ。その単純な行動に、嘘の無い人間物語を感じる。
好きな映画監督に例えた友人関係の台詞。あのシーンの考え方に、三浦大輔らしさが詰まっている感じがする。ジャニーズ映画にはなってなくて安心。
なんか面白かったよ。
前情報がほとんど無いまま見たけど、なんか面白かったよ。
なかなかのダメ人間。
愛すべきダメ人間と言いたいところだけど、そーでもないな。
お父さんとお母さんが良かった。少しウルッときたよ。とくにお父さんとのやり取りは良かった。達観してて尊敬するね。
最後もある程度予想出来たけど、なんか良かったです。
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