劇場公開日 2021年12月10日

「サービス満点のファン向けパラレルワールド」あなたの番です 劇場版 アラカンさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0サービス満点のファン向けパラレルワールド

2021年12月10日
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鑑賞方法:映画館

知的

2019 年に全 20 話のテレビドラマとして話題になった作品の劇場版である。作品の舞台になっているのは 2021 年で、人物の説明等は一切ないことから、ドラマを見た人のために作ってあるのは明白であるが、ドラマ中で殺害された人物も登場しており、各人の個性なども引き継がれているので、ファン向けのパラレルワールドとして楽しむべき作品で、サービス満点の作りになっていた。

手塚菜奈と手塚翔太の結婚式をクルーズ船で挙げることになり、アパートの住人たちが全員出席している。披露宴という目出度い席なのに、普段と同じ作業服で参加している管理人さんなどもいてどこまでも自由な演出である。船でなければ出来ないトリックなどもあり、なかなか良く考えられている。新たな登場人物が重要な役割を持っているところや、犯人特定に至る道具立てなども感心した。また、編集の妙で、重要なセリフが別な人物に向けられたものであったりして、見ている側も騙される作りになっている。

もちろんツッコミどころも多く、全館停電になっているのにドアの電子ロックが正常だったりするのはご愛嬌だが、殺害した遺体に無駄な演出を加えているところなどは、横溝正史かと思わせるところがあった。手間のかかる後処理などする余裕があるのであれば、さっさと身を隠した方がいいはずであるが、そこが観客向けサービスなのだろう。連続ドラマのように1週間ごとに考察時間があれば、きっともっと楽しめたはずであるが、じっくり考える余裕もなく物語はどんどん進んでしまうのが勿体無いと思えるほどであった。被害者の心情には非常に切ないものを感じた。

役者は相変わらず芸達者が揃っており、新たな登場人物も印象的なので、それほど違和感なく入って来ていたと思う。音楽の出来は非常に良く、緊張感を盛り上げるのに効果があった。エンドタイトルで、映画と無関係な歌謡曲が流れなかったのも評価できる。エンドタイトルでは、非常に既視感のあるシーンが再現されているが、その結末もファンの気持ちをくすぐるものであった。ただし、犯人が自白した殺人の数が正しければ、最初の殺人の犯人は誰なのであろうか?ということが謎として残った。
(映像5+脚本4+役者4+音楽4+演出4)= 84 点。

アラ古希
アラ古希さんのコメント
2021年12月11日

なるほど

アラ古希
たまさんのコメント
2021年12月11日

管理人さんは
犯人が乗船するために殺された
箱に入った学生さんと犯人は仲間
だから犯人は黒島さんとよりを戻しに若しくは殺しに来るために管理人さんを殺した
これが分かりづらかったですね

たま