アメリカン・ユートピアのレビュー・感想・評価
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音楽の豊穣さ、豊穣な音楽
映画は2018〜2019年、ブロードウェイで掛かったステージ・パフォーマンスを、スパイク・リーが監督したもので、まず驚くのはデビッド・バーンの声。 彼は山下達郎さんのひとつ上らしいので、上演時は66〜67歳ですが、声域に変わりないことに驚きました。 アレンジ、音色、演奏も、キーボード一台であることを除いて、同時にパーカッシブの効果最大なことが全て快感でした。 バーンの曲、トーキング・ヘッズの曲は一般性が高いとは言えないので、万人向けとは言えませんが、映画は、特に全体の三分の一を過ぎた辺りからは、音楽好きな人にはジッとしてられないようなパフォーマンスでした。 印象的な曲は、This Must Be The Place、I Zimbra、Born Under Punches、でした。いずれも70年代末から80年代に入って間もないときの曲ばかりですが、好みばかりはしょうがない。 観てから時間が経って思うのは、ステージに掛けるまでに、どれほどの時間と手間、何よりアイディアを費やしたか、そのことに憧れと羨ましさが募ります。 この映画は、本当に観てよかった。
Utopiaってどんな社会?
なぜにスパイク・リー?って思いましたが、結構なとこPoliticalな内容の歌やメッセージがあったりして納得。 Talking Heads を真剣に聞いたことがありません。Brian EnoやRobert Frippとの協働を行っていたグループってのは知ってた程度。理由は単純明快。アメリカのバンドだったから! これに尽きる。英国や欧州のプログレや、Britishが好きだったんですよね、当時。アメリカのバンドって言うと、Pavlov's Dog くらいしか聞いたことなかった。 と、最初に懺悔しました。 なんか無茶苦茶カッコいい。Stage Performanceとして、最高にイカしてます。 何よりも、メンバーの能力が、すごくないですか? Liveであれだけの演奏ができる「演者」としての能力はもちろんの事。合唱ができてステージでの振りと動きが出来て、あの体力。シンセも打楽器類も、全部肩から突き出した器具にぶら下げてるんだから。マーチング・キーボードでも、ショルダー・キーボドでもなく、シンセサイザーをがっつり吊るしてるし。機種は違うでしょうが、YAMAHAのDX-7なんて20kg弱あります。打楽器は、じぶんが打ち付ける荷重が、自分の肩と腰に入ると言う、自虐方式。90分を超えるステージは堪えるでしょうに。 これだけの人材が集まるもんなんだと。そこに驚いてしまいました。 観客から見えるのは、演者と楽器。AMPも無ければ、余分な装飾もありません。無駄なものを排除したら人だけが残ったというステージは、ライトグレーの世界。Broadwayだったんですね、これ。この9月からのチケット予約の受付も始まってました。NYで生で見たいよね、こう言うのって。NY、行ったことないけどw
デビッド・バーンカッコ良い!
ヘッズは大好きで、Stop Making Senseも上映時に鑑賞した。 特に一番最初の「サイコキラー」が大好きだった。 アメリカン・ユートピアは何と言っても、パーカッションが最高。 バーニング・ダウン・ザ・ハウスでは涙が出た。。 札幌ではStop Making Senseも再映しているので、観てみようと思う
あてなき道の途上
デヴィッド・バーンのブロードウェイでのショーの模様をスパイク・リーが映像化。四方形でごくシンプルな舞台装飾ながら、D・バーンとメンバーが、揃いのスーツと裸足で、コード無しの楽器を身に付け、演奏し、歌い、踊る様が見事。まさに、パフォーミング・アートの世界。 D・バーンも御年70間近なのに、よく声が出ている。お得意のアフロビートのパーカッション隊をはじめ、国籍混合のメンバーのパフォーマンスがキレッキレ。トーキング・ヘッズ時代の曲も懐かしく、一緒に踊り、声を上げたくなる。 ブラック・ライブス・マターのプロテスタントソングを歌うにあたって、D・バーンは、「自分が歌っていいのだろうか」「自分にとって勉強になった」といったことを語っていた。過去を懐かしむのではなく、いくつになっても、時代に向き合い、探索していこうとする姿勢に感銘。 ラスト、観客席をめぐりながら、「私たちはあてなき道(Road to Nowhere)の途上にある」と繰り返し歌う姿に、自分も勇気をもらった気がする。
全俺が咽び泣く。素晴らしい。
青春時代にトーキングヘッズの洗礼を受けた者として、とは言えそこまで期待せずに、でももちろん『ストップメイキングセンス』ってのもあったわけなので見ないわけにはいかない、ということで大きなスクリーンで見れそうなので観てきたら、途中から涙が。。 もともと洗練されてるステージパフォーマンス、演出に加えて歳とったデビッドバーンに植木等的な洒脱さも感じ、と思ってると中盤からの軽みを持った時事ネタの放り込み、メッセージに泣いた。人種、自由、未来、『ストップメイキングセンス』見てた頃からおっさんになった今、このステージの映画を観て、守るものを守りたいと思ったよ。しかもこんなにさりげなくかっこよく、、。人生は続く。旅は続く。聞きたかったアレが最後に流れて、もう何度も劇場で拍手しそうになったら真後ろで拍手が。
何年かぶりにパンフレット買いました
敬愛するpeterbarakanさんが字幕監修しててラジオでも何度もおすすめしていた映画。 ほんとは爆音上映に行きたかったのに…タイミング間違えてチケット買えなかった…くぅぅうぅ悔やまれるぅぅぅ! ってくらい良かった、あーほんと爆音で観たかった。 音楽、ライブ、ショー、舞台として、舞台の映画化として、エンタメとして、斬新でかっこよくて素晴らしかった。 いやー音楽好きにはーーたまらんのではないですかーーー そーでもない人には退屈かもしれませんーーー笑 舞台の、ショーとしての演出がほんとかっこいい。めちゃシンプルな舞台と衣装で、動きが、照明の使い方が、カメラアングルが、かーっこいい! てかてか、出演者のスキル、エンターテイナーとしてレベル高すぎる。すごい。 お恥ずかしながらトーキング・ヘッズのことはあんまり知らなかったんだけど、もーーいろいろ知りたくなって調べたりしますよね。 何年ぶりだろう、映画のパンフレット買ったの。
とても凄いショーだったー!! あっという間の107分!
死ぬまでにブロードウェイで生で観たい案件(笑) トーキング・ヘッズのデヴット・バーンさんの歌と踊りをメインとしたショーの映画。 曲、歌、歌詞、演奏、踊り、カメラワーク、照明。全てが最高級レペルだった! デヴット・バーンさん。 70才近い年齢だけどパワフル! 声量、ダンス、曲の合間のMC。 全く衰えを感じなくて凄い! 息切れも汗も全く無し(笑) バンドマンも素晴らしかった! 多国籍メンバーで構成され、歌って踊れるミュージシャン。 彼らの演奏が想像以上に分厚く、演奏しながらの踊りは圧巻! キーボード奏者の体力が凄い(笑) 自分的には打楽器隊が一番カッコ良かった! 照明がとても美しい! 演者達に当たる照明はカラフルではなく殆どが白色ライトのみ。 光と影のコントラストが美しい。 舞台上方からのカメラワークの白と黒の映像が美しい。 歌詞も印象的! 最も印象的だったのは人種差別で亡くなった黒人達の名前を歌う歌詞。 メッセージ牲のかなり高い曲で観ていて泣ける。 ダンサーも良かった! 手話を取り入れているような独特な振り付け。 楽器も演奏出来るパフォーマーで鑑賞中は彼らに釘付け(笑) 暫くライブは観てなかったけど、本作で心が満たされた感じ! 満足度は超高め! 演者さんは全員裸足。 その足をズームしていた映像の理由が気になりました( ´∀`)
【”このままで、現代社会は大丈夫なのかい?もっと、良い社会にしていこうよ!”現代アメリカの諸問題に対し、デヴィッド・バーンはアートロックショーで”愉しげ”に、警笛を鳴らす。】
- 深化したデヴィッド・バーンの思想と人間性。進化したアートロックショーを堪能した幸福な2時間であった。- ◼️数ヶ月前に「ストップ・メイキング・センス」を観賞した際は、ビッグスーツを着た若きデヴィッド・バーンが”Road To Nowhere”を歌いながら、舞台上で行進する姿が、懐かしくも、感慨深かった。 ・今作品では、現代アメリカが抱える諸問題 - 人種差別、投票率の低下・・etc.ー を、デヴィッド・バーンがユーモアを交えながら、観客に問い掛け、トーキング・ヘッズ時代に得意とした様々な打楽器をベースにした洗練された格好良い、アート・ロックを次々に披露して行く。 ・立方体のような空間で繰り広げられる、幾何学的なバンドパフォーマンスも素晴らしく、魅入られる。 ー バンドメンバーも、多国籍である。ー ◆差別の犠牲になった黒人たちの名を叫びながら、ジャネール・モネイの曲 ”Hell You Talmbout”を歌うデヴィッド・バーンとバンドメンバーの姿、そして背景に映し出される遺族の映像は、沁みたなあ・・。 <ラストは、矢張り”Road To Nowhere”を演奏しながら、デヴィッド・バーンとバンドメンバー達が会場を楽しそうに一周する。 スパイク・リー監督は、ブロードウエーの高額席だと思われる白人層に取り囲まれるデヴィッド・バーンの姿を、ロングショットで長廻しで撮っている・・。 そして、デヴィッド・バーンはナント、スポーツサイクルで夜の町に消えていく。 この二つのシーンの対比も、スパイク・リーのメッセージかもしれない・・。 作品全体から立ち上るアーティスティックな雰囲気は昔日の面影があるが、今作のパフォーマンスではそこに温かい人間性やユーモアが感じられ(現状に対する皮肉もタップリ!)、多幸感溢れるステージであった。 デヴィッド・バーン、素敵な齢の重ね方をしているなあ・・。>
ごめんなさい、私には合わなかったです
無知で申し訳ないのですが、この方の事を知らずに観ました。 初老のおじさんが歌ってるけどあまり歌は上手くないと思ってしまい・・・入り込めませんでした。 バンドはかっこよかったけど・・・ すみません、相性の問題かと。
このおじさん、1952年生まれですと!!
毎度おなじみ「アフター・シックス・ジャンクション」で ライムスターの宇多丸さんが激押ししていたので 行きましたよ!! いや~~~最高~~~~~~~~~~!! 私の年代では、この映画のボーカリスト デビッド・バーンが活躍していたバンド 「トーキング・ヘッズ」の名前は知ってるけど 洋楽に疎かったので記憶に残ってる曲は無い。 そんな洋楽弱者でも、なんと気持ち良い! 派手な衣装もステージセットもない中 楽器をコンパクトに改造し、 鼓笛隊の奏者の様に体になじませて ステージの上で演奏しながら、 縦横無尽に隊列を変えたり、ダンスを踊ったり、 また、照明も実に多彩に全体を盛り上げて行く。 ここ何作か続いた音楽映画 例えば「ボヘミアンラプソディ」とか 「 ロケットマン」とは違って 演者の真実をドラマにしたものでは無く、 デビッド・バーンのライブ中継と思って観てください。 曲を知らなくとも、一曲一曲に込められた思い、 また途中で入るMCのメッセージ性が伝わって来るに随って 心の中に湧き上がる音楽の喜び 皆で演奏し、声合わせて一体になる楽しさが 半端なく伝わって来る。 コロナが収束したら是非とも 爆音、応援上映をやって欲しい!! 覚えておいてね!MOVIXさん!! で、月に8回ほど映画館に通う中途半端な映画好きとしては なんと言っても表題の通り 「このおじさん、1952年生まれですと!!」 2021年現在で69歳っすよ! 撮影当時はもう1歳くらいは若かったかもしれないけど 声出てる!! もちろん、若者の力任せのステージに比べれば ショー自体はもっとインテリジェントな作りですが それにしても、声がしっかり出てる。 そこが凄いのと 途中で、昨今の「ブラック・ライブス・マター」の 象徴的な曲を唄うにあたり、 その曲のオリジナルの黒人シンガーに 「私は白人の老人だが、この曲を唄っていいだろうか?」と 尋ねた。と言うMCが入るのです。 60代の後半、70歳になろうとする人が 今の時代の価値観、すべての人が差別なく 声合わせて歌ったり語ったりできる事が 一番素晴らしいんだという事を 全力で肯定し、同じ年代の人々に伝えようとしている。 そのことに一番感動する! 日本の政治家を観て見なさいよ! まるで固定概念と金欲の豚まんみたいな おじいばっかりじゃん! デビッド・バーンはMCの途中で言うんです。 「選挙に行く人は有権者の20%だそうです。」 照明が客席の20%を照らし出す。 「人の運命まで勝手に決めていい気なもんだ!」 真面目に選挙に行かない人への痛烈なメッセージ! 日本のアーティストもこのくらいのメッセージは 自分のファンに向かって出すべきじゃないだろうか! 指示政党まで言わなくて良いけど、自分で考えて より良い世界のために選挙に行こうよ!と! アメリカ本国でもネット配信になってしまったそうです。 音楽映画は音響の良い映画館で観ようよ! ああ、最後に誰か日本製の祭り用地下足袋を教えてあげて。 裸足に慣れてない欧米生活の人たちには あれはキツイと思うので(笑)
疑念、高揚、興奮、そして感動!!
冒頭は、これ本当に生演奏? 様々な資料から、生演奏だとは知っていたけど、その完成度に脳内が?状態。 ショーが続くにつれ、シンプルなステージなのに、様々な見せ方(音、演者、照明などなど)にどんどん上がるテンション。 クライマックスはまさしく映像内の観客の一人になって、体が動きだす。 怒涛の107分!! メッセージ性の強い内容に負けないパフォーマンスに脱帽&感涙。 純粋に面白かった!!
うらやましい
才能ある人たちと最高のものを妥協なく作れる環境がうらやましかった。ベースがかっこよかったな。 白人の男性であるデビットバーンが今自分にできることを考え、誠実に知的に表現した。 六本木の音響が良かった〜。
驚異の69歳
スパイク・リー作品なので社会風刺的要素は しっかりと主張されています。 だけども音楽映画としてアガるのが凄い。コロナが明けたら応援上映で観客全員でノリノリで観たいですね。 コレは音響の良い映画館で見なければならないと 思います、皆んな劇場に急げ!! デビット・バーンさん69歳ですよ😲スゲ〜
「自由」という言葉が、しっくりくる
音楽的な前知識や文脈を知らずとも、充分楽しむことができました。 このステージの不思議な魅力って何なんだろうか?と、うまく消化できていませんでしたが、一言で表すと、「自由」という言葉が、自分の中ではしっくりきました。 「自由」というのは、いろいろ定義できると思います。 この作品の場合は、与えられた環境下で、精一杯の知識とアイデア、表現方法、スキルを駆使して、「声」として表すことが「自由」の体現であり、それが観る人聞く人側にも、楽しく魅力的で感動を喚び起こす要素となっているように思います。 書いていて余計小難しいことになっているのは重々承知ですが、飲み込むための記録として書き記しておきます。 兎にも角にも、面白いのでオススメです!
デヴィッド・バーンがとにかくかっこいい
80年代にストップメイキングセンスの映画を、たぶん見たはず。アルバムはヘビロテで聴いていた。 それだけに、デヴィッドの洗練された音楽や美的センス、メッセージ、知性あふれる洞察に再会して、感動。究極のパフォーマンスを追求する旺盛なチャレンジ精神に励まされた 20代によく聴いていた曲が出てきたときには、興奮状態! 60才を超えて新しいものを作る、ということが不可能とは全く思わないが、ここまで完成されたものを見せられると、自分ももっと頑張らなきゃ、という気になった。 メンバーの多様性にも感銘。アジア系の演奏者がいたら完璧だった。
メッセージの明確なエンターテイメント映画
元々トーキングヘッズが好きなので観に行きましたが、トーキングヘッズを知らない人にも是非楽しんでもらいたいエンターテイメントショウ。 音楽を楽しみ、ダンスを楽しみ、空間を楽しみ、そこにメッセージを受け止める必要がある。 日本人には難しいこと、不馴れなことですが、映画館で一人それを受け止め考えるのは、いいチャンスじゃないかと思います。
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