「デビッドバーンすごいのね?見事なショウ!」アメリカン・ユートピア バリカタさんの映画レビュー(感想・評価)
デビッドバーンすごいのね?見事なショウ!
日本にいながら海外のショウを観られるのは
大変ありがたいことです。
大画面で大音量で。
(そりゃ、現地で観られたら最高だけど)
とにかく、素晴らしかった。
トーキング・ヘッズもデヴィッド・バーンも
マトモに聴いてこなかった僕としては、
本作品をどこまで楽しめるか?は不安でした。
THE 杞憂 。関係ないっす。
めちゃくちゃ楽しかった。
この構成やステージングはデヴィッド・バーンが
考えたものでしょうかね?
本人が言ってたからきっとそうなのだと思い
ますが、まぁよくぞ考えましたね。
これを機会に「ストップ・メイキング・センス」の
動画をちょっと観てみました。なるほど、そうか。
そもそもアーティスティックなライブを
やる方なんですね。
さらにそこに「魅て楽しむ」をさらに強力にして
一貫した統一感を打ち出したものですよね、
このショウは。
しつこいようですみませんが、素晴らしい!
最近じゃ聞かなくなった「トータルアルバム」、
一つのテーマで統一されたアルバム。
ショーの元となってるアルバムは未聴ですが、
まさにこのショウはそれであると思います。
>これでいいんだっけ?
>これはおかしくないか?
>動かなくては!
なんとまぁメッセージが強いです。
スパイク・リー監督ということもあり、
スタイリッシュにえぐってきますよ。
ただメッセージソングが並んでいるって
いうことではありません。ショウとしての
曲構成は見事かつライブとしての
高揚感も十分にある形になってます。
さらにステージングの演出も一役買います。
観たことがある方は思うのではないでしょうか?
マーチングバンドみたいなんです。
<オレンジの悪魔 京都橘高校吹奏楽部>を
初めて観たときのワクワクにも似た高揚感で
満たされ、その素晴らしいパフォーマンスと演奏に
心奪われます。かっこいい、かっこいい!!!
楽曲の素晴らしさは言うに及ばず。
パフォーマー達の練り上げられた技量、
綿密に計算された演出が・・・つまり人間達の力が、
人種も出身もジェンダーも関係なく集まった
人間達の力や想いが結実したからこそ
派手は仕掛けも装飾も一切削ぎ落とした
ミニマルでシンプルなステージをめちゃくちゃ
豊かで至福な空間にしてくれるのです。
シンプルなのに幸せな時間を与えてくれる
このステージは現代社会のアンチテーゼなのかも
しれません。物質社会、無限の欲求社会への。
また、個の力をどうか肯定してほしいという
メッセージなのかもしれません。
できるよー!僕たちはできるんだよー!って。
と思ったことをぐちゃぐちゃ書きましたが
あれこれ考えずに楽しむべきです、本作品。
この不思議なステージングの魅力を余すところなく
映像化したスパイク・リーの手腕も見事です。
素晴らしいライヴパフォーマンス映画です。
必見!!!傑作です!!!